書評
『サイコロジー・オブ・マネー』を読んでいます。こちら、投資に関する本でありながら、投資理論や投資手法の本ではなく、お金に関する向き合い方と、人間心理の話。かといって、昨今流行の行動経済学でもありません。 サイコロジー・オブ・マネー――一生お金…
『ウォール街のランダムウォーカー』12版再読も、残すところあと2章まできました。14章は個人投資家に向けた具体的な投資のポートフォリオについてです。 第1章 株式と価値 第2章、第3章 バブル 第4章 仮想通貨バブルは史上最大のバブル 第5章 テクニカル分…
毎年年末に、1年間で読んだ本のまとめを書いていたつもりでしたが、あれ?2020年は書いていなかったんですね。というわけで、2年ぶりに、この1年間の読書分析です。 95冊読むも、かなりがラノベ 95冊読むも、かなりがラノベ 今年の読書は、マンガを除くと95…
前から読みたかった本『現金の呪い』を読みました。こちら、ホラー小説ではなくて、現金が存在することでさまざまな不都合が起き始めている。これをなくすとどんな良いことがあるか? どうやったらなくせるのか? を書いた本です。 現金の呪い――紙幣をいつ廃…
昨今の経済状況で最も注目されているのはインフレです。日本にいると、インフレという言葉を聞くことは長らくなくて、デフレ脱却という話ばかりですが、米国ではインフレが急加速しています。米国のインフレは、米FRBの金融政策に影響し、それは米国経済に影…
『ウォール街のランダムウォーカー』の中でも、12章はFPが語りそうなアドバイスの章です。米国民が対象に書かれているため、日本人にとっては関係ない話も多いのですが、そのいくつかは普遍的なマネーリテラシーとして参考になります。 第1章 株式と価値 第2…
『ガイトナー回顧録』を読みました。Kidle版で読んだのですが、これがまた長い。書籍版だと678ページにもなります。それでも最後までドキドキしながら読めたのは、ガイトナーが体験した金融危機があまりにスリリングで、対処するために1日1日とギリギリの戦…
今回の『ウォール街のランダムウォーカー』再読は、スマートベータに続き、リスクパリティについて。 第1章 株式と価値 第2章、第3章 バブル 第4章 仮想通貨バブルは史上最大のバブル 第5章 テクニカル分析とファンダメンタル分析 第6章 テクニカル分析がう…
何かを学ぼうと思ったとき、学校に行ったりするだけでなくネットやSNS、YouTubeなどでも学べるようになりました。でも、ぼくが好きなのはやっぱり書籍です。単に好き嫌いの問題でもありますが、時間当たりの密度でいえば書籍が最も濃密。内容も致命的なもの…
時が過ぎれば人の考え方も変わるものです。昨今の流行は、スマートベータとリスクパリティ。これに対して、『ウォール街のランダムウォーカー』はどう評しているのでしょうか。今回は第11章、「スマートベータ」と「リスクパリティ」です。 第1章 株式と価値…
人生全体のマネープランをどうデザインするか? というと大げさですが、資産形成を進めるに当たって、投資手法とは別に昔から意識していることがあります。今日は、その紹介を。 人はお金のために生きるのではない 人生のトレードオフをデザインする カネを…
米国政治シーンでは「分断」という言葉がよく使われます。白人と黒人、低所得者と高所得者などなど、2つのカテゴリーに物事を分けた対立構造を示す表現です。ところが、日本の政治にも課題はたくさんありますが、あまり「分断」が言われません。これをもって…
投資理論の歴史を見ると、企業の財務状況を予測する「ファンダメンタル派」、チャートから他人の行動を推測する「テクニカル派」、そして学者中心に分散がフリーランチだという「モダンポートフォリオ派」などが存在します。その中、いずれとも違う、人間の…
前回の第8章で、「リスクが高い金融商品ほど、リターンも大きい」とありました。しかし、もう少し踏み込んでみると、これはそれほど単純な話ではありません。例えば、SBGのような極めてボラティリティの高い、つまりリスクの高い銘柄を買ったからといって、…
過去の主流の投資手法であるテクニカル分析とファンダメンタル分析を紹介し、その妥当性をやっつけたこれまでの章。第8章からは、「新しいテクノロジー」と題して、ついにインデックス投資を支える理論についての解説に入ります。まずは、リスクから。 ウォ…
このあたりから『ウォール街のランダムウォーカー』も本領を発揮です。第7章からは、投資のプロと呼ばれている人たちが、市場平均を上回れないこと、そしてその理由が述べられています。 ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理…
投資する小説家として知られる芥川賞作家、羽田圭介は、なかなかに世相を捉えた作品で、ぼくはけっこう好きだったりします。その最新作『Phantom』は、まさに株クラがFIREする小説? という感じでした。 Phantom (文春e-book) 作者:羽田 圭介 文藝春秋 Amazo…
よく「稲妻の輝く時」なんていいますが、株価は長期の上昇トレンドにあるといっても、だらだらと上がり続けるのではなく、わずか数日間にガッと上がるものです。『ウォール街のランダムウォーカー』の12版第5章は、テクニカル分析に対する批判の章なのですが…
『ウォール街のランダムウォーカー』の12版第5章は、テクニカル分析とファンダメンタル分析です。本書はインデックス投資のバイブルですが、「インデックス万歳!」ではなく、そのほかのさまざまな投資手法をかなり冷静に公平に紹介し、批評していることが特…
『ウォール街のランダムウォーカー』の12版第4章は、21世紀のバブルについて。ドットコムバブルからリーマンショックにつながる米国不動産バブルについて触れているのですが、12版ならではの記載はやはり、ビットコインバブルです。 ウォール街のランダム・…
『ウォール街のランダムウォーカー』再読。第一章に続き、第二章と第三章についてまとめます。この2つの章の主題は”バブル”です。 ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理 (日本経済新聞出版) 作者:バートン・マルキール 日経BP…
ぼくが投資に目覚めた書籍の一つが『ウォール街のランダムウォーカー』です。読んだのは2007年の7月。第9版でした。それから14年の月日が流れ、本書の教え通り、インデックス投資家として資産を作ってきたのですが、その間にも本書は版を重ね、現在は19年発…
今でこそ強引な営業を見ることはほとんどなくなりましたが、その昔の証券会社というのは客に回転売買をさせて手数料を荒稼ぎしたり、自ら相場操縦を行ったりと、なんというかすさまじい存在でした。 その筆頭が言うまでもなく野村證券です。本書は1978年に入…
日本企業の経営者でSF好きというのは珍しいと思いますが、海外テック企業の創業者は多くがSFを愛読しています。日本の、特に昭和の経営者が好きなのは歴史物で、これはこれで重要な視点だとは思うのですが、歴史が過去を振り返るのに対し、未来を見通すため…
世界で最も著名な投資家といえば、誰でしょうか? 未公開企業投資で大成功している孫正義でしょうか、バリュー投資で永らく成績を残してきたバフェットでしょうか、はたまた世界最大のヘッジファンドを率いるレイ・ダリオでしょうか? 実は、1990年から現在…
マイケル・サンデルの新著『実力も運のうち 能力主義は正義か?』を読んでいます。ぼくは基本的にリバタリアンで、コミュニタリアンの考え方には賛同しにくいのですが、本書が指摘することは確かに現在の資本主義の課題を言い当てていて、さらにその処方箋も…
コロナ禍で株価が上昇した背景として「金融相場」という表現が使われます。また、それから状況は変化して、現在は「業績相場」だとも言われます。これらは一体何で、それぞれの相場サイクルでは、いったい何に注目したらいいのでしょうか? 株式相場の状況を…
『適応的市場仮説』からのお話も、今回が最後。「確率マッチング」という不思議な判断についてです。 エルスバーグのパラドックスとは? 損失回避効果がもたらす投資パラドックス 資本主義という中毒 儲けと快楽 Adaptive Markets 適応的市場…
投資につきものなのが不確実性です。別名、リスクとも言いますね。よく「リスクをコントロールしろ」とか「リスクを取れ」とか言われるわけですが、いったいこのリスクってなんでしょうか? 本書『不確実性 超入門』は金融関連の著書多数である田淵直也氏の…
年がら年中50%オフをやっているような気がしていますが、再びKindle本が50%ポイント還元中です。期間は12月17日まで。年末年始に本を読むならいいチャンスですね。 その中から、当資本をいくつかピックアップしてみます。 ファクトフルネス 勝ち組投資家に…