FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

資産運用の考え方

紹介した投資が失敗したら責任を感じるのか?

ビジネスとしてではなく、友人にお勧めの投資法をレクチャーした場合、もしそれが失敗したら責任を感じますか? さらには責任を取りますか? 最近、こんなことを考えさせる出来事がありました。 株式は絶賛下落中 責任を感じるべきところかどうか 『虚像の巨…

トレードは本当にゼロサムか?

たまにTwitterやブログのフォームで質問などいただくのですが、珍しく記事としてお答えしてみたいと思います。いただいたのは、このような質問です。 九条さんのスウィングトレードに対する見解・ご経験を伺えたら嬉しいです。試してみられたことがあるか、…

改めてマネーリテラシーの順番を考える

ちょっと前に「金融リテラシーって難しい 「金融リテラシー・マップ」を読み解く」という記事を書いたのですが、改めてマネーリテラシーってどういうものだっけ? ということを考えてみます。 子供に向けて 大学生に向けて 社会人になって 銀行で投資すると…

人は低頻度の重大リスクを正しく評価できない EB債とインデックス投資

金融庁が仕組債をバリバリにディスっていることが話題です。金融庁は販売手法は指導しても、商品自体に踏み込むのはまれ。しかし、EB債を見ると、なるほど人は頻度の低い重大リスクを正しく評価できないものだと、改めて思うのです。 社債なのに高利回り EB…

書評『つみたて投資の終わり方』取り崩し方考察

良い本が出ました。著名FPカン・チュンド氏の『つみたて投資の終わり方』です。Kindle自費出版本ですが、内容はしっかりしていて、Unlimitedでも読めるので、一読の価値ありでした。 つみたて投資の終わり方 100年生きても大丈夫!: 人生後半に向けた投資信…

 「投資いいよ派に聞きたいこと」への回答

この数日、はてなブックマークで投資に関する議論が盛んになっています。あそこの住民は、一般人というよりはIT系エンジニアとかも多くて、合理的かつロジカルな考え方をするもののほうがウケる傾向にあって、その辺がちょっと特殊。その中で、「投資いいよ…

金融のプロが一番投資を知らない

よく「金融のプロ」を自称する人がいます。どんな人かというと、銀行員であったり証券会社に勤めていたり、こういう人が自分を売り出す意味あいでプロを自称するようです。「俺は金融のプロだから、アドバイスを聞くといい」という具合です。でも、こういっ…

実は日本人にとって最高値更新圏にあるS&P500

目下の株価といえば、米国のインフレ状況と、それを発端とするFRBの利上げに振り回されています。CPIが悪ければ、利上げが進むということで米株は下落し、日米金利差が開くということで円安になります。CPIが予想より低かったり景気が厳しそうだと、利上げペ…

面倒くささと自由度:太陽光や不動産と株式、仮想通貨の違い

投資家としてのぼくの特徴は、相当幅広い領域の投資を行っていることだと自負しています。国内外の株式はもちろん、債券などの伝統的有価証券をはじめとして、不動産や太陽光発電といった実物系、そして金インゴット、仮想通貨にも投資しています。いろいろ…

なぜ株式は長期的に上昇する? 経済成長ではないアプローチ

投資理論、特にインデックス投資について学ぶと、必ず出てくるのが「株式は長期的には上昇する」という話と、実際に他のどんな資産クラスよりも高い上昇率を持っていたというエビデンスです。 しかし、「なぜそうなのか?」については意外と納得感のある説明…

相場下落で「資産運用を継続すべきか?」と思ったときに

株価の下落が続いています。そうなると、そこら中で出てくるのが「資産が減り続けるので売りたい」という叫びと、それに対する「長期投資なんだから売るなんてもったいない」「安い今こそ買うべきだ」という反応です。さて、どう考えるのが良いのでしょうか…

落ち目の投資先こそ、狙い目だったりするよ? SPYDから考えるレバナス

最近、レバナスやビットコインなどが叩かれていますね。曰く「リスクが高いことをしっかり伝えないで煽ったインフルエンサーが悪い」とか「金融庁も高リスクだって言ってる」とか。でも、こう叩かれる背景は簡単です。価格が下落したからなのです。 落ち目に…

投資家はお金が好きなのか嫌いなのか

お金というのは不思議なもので、ほんとうは自分の人生を豊かにしてくれるはずのものなのに、お金に振り回されて人生を壊してしまう人もいます。これはお金がなくて人生が苦しくなるというだけでなく、お金があったせいで人生がおかしくなるってこともありま…

投資の“最初の一歩”のハードルをどう越えるか

投資に関しては、いくつかの落とし穴と超えなくてはいけないハードルがあります。その内、最も高いのが「最初の一歩」ではないでしょうか。自分自身の経験から、どうやって最初の一歩を超えるかを考えてみます。 投資の最初の一歩 背中を押してもらう 太陽光…

生涯年収と4分の1の法則

ながら聞きができる音声コンテンツが好きで、前からポッドキャストはよく聞いていたのですが、最近はまっているのがVoicyです。要は課金機能付きポッドキャストなのですが、著名人を集める活動をしたせいか、なかなか面白いメンツと更新頻度になっています。…

投資の目標額を掲げるべきなのか?

Twitterで「投資を始めました!」というアカウントをしばしば目にするようになりました。そのプロフィールには、「サイドFIRE目標」などと並んで、「1億円を目指します」といった投資の目標額が書かれていることがしばしばあります。 意外かもしれませんが、…

10条のアドバイス 『ウォール街のランダムウォーカー』12版再読 第12章

『ウォール街のランダムウォーカー』の中でも、12章はFPが語りそうなアドバイスの章です。米国民が対象に書かれているため、日本人にとっては関係ない話も多いのですが、そのいくつかは普遍的なマネーリテラシーとして参考になります。 第1章 株式と価値 第2…

リスクパリティとは?導師も認めるレバレッジ 『ウォール街のランダムウォーカー』12版再読 第11章(2)

今回の『ウォール街のランダムウォーカー』再読は、スマートベータに続き、リスクパリティについて。 第1章 株式と価値 第2章、第3章 バブル 第4章 仮想通貨バブルは史上最大のバブル 第5章 テクニカル分析とファンダメンタル分析 第6章 テクニカル分析がう…

投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2021にVTを投票しました

投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2021に投票しました。投票した場合、証跡としてブログにエントリを用意する必要があるので、こちらがそれになります。 ぼくはインデックスブロガー なぜインデックスか? なぜVTか? ぼくはインデックスブロガー マル…

初心者に「どう投資したらいいか?」を説明するなら

たまに若い人から「どう投資したらいいの?」と聞かれることがあります。これは意外とシンプルな答えで済むものの、よくよく考えると難しい問題です。改めて、もし聞かれたら、ぼくならこう答えるという内容をまとめてみたいと思います。 前提は長期投資 何…

インフレに対抗する投資方法

米国や中国で、原材料などの供給不足を原因としたインフレ懸念が高まっています。いわゆるコストプッシュインフレです。これが一時的なことなのか、大きなトレンドになるのかは分かりませんが、日本においても長らくなかったインフレを想定しておくのは大事…

インデックス投資はタダ乗りなのか?

インデックス投資への批判として、「個別株投資家の判断に乗っかっているタダ乗り投資だ」というものがあります。平均してみた場合、アクティブ投信や個別株投資よりもインデックス投資の方がパフォーマンスが良いことはよく知られてきましたが、それは個別…

資産取崩で最も長生きするレバレッジポートフォリオの探求(3)

FIRE後の取り崩しを乗り切るポートフォリオを考察するシリーズ、第3回は、インフレやシーケンスリスクなどのストレスをかけた状態でも、最も長生きするポートフォリオの探求です。 序章として、FIRE後の取り崩し期にはキャピタルゲインではなくインカムゲイ…

FIRE後の資産取崩に有利なポートフォリオ(2)

FIRE後の取り崩しを乗り切るポートフォリオを考察するシリーズ、第2回は、シーケンスリスクに続き、取り崩しの重大リスクであるインフレを加味したポートフォリオのシミュレーションです。 このシリーズは、FIRE後にインカムゲインの安定収入は必要なのか? …

FIRE後の資産取崩の「生き残り率」をシミュレーションする(1)

先日、「FIREにインカムゲインの安定収入は必要なのか」という記事を書きました。FIREすると、その後は入金がなくなり、資産を取り崩して生活することになります。そのとき、株式100%のポートフォリオがいいのか、それとも高配当株などを持って配当金で生活…

5%くらいはリターンが出せる低リスク投資法

最初は日本の個別株から始めて、もう投資を20年くらいやっています。その間、リーマンショック、コロナショックも経験し、相場の大幅上昇と暴落も経験してきました。そん中、さすがに投資の経験値は多少貯まってきたわけですが、1つ分かったことは、どの時代…

「リスク許容度」が分からない 心の問題か投資理論か

ポートフォリオを作るときに必ず出てくるのが「リスク許容度」です。曰く、リスク許容度に応じてリスク資産の組み入れ比率を変えるべき……だというのですが。。 よく言われるリスク許容度 見えるリスク資産と見えないリスク資産 役に立たないリスク拒否度(λ…

うれしい誤算 ストックオプション体験談

7月の総資産は、大きく増加してヒストリカルハイを更新しました。あれ? 相場は微妙だったのに? という感じですが、実はこれはストックオプションの行使によるものです。 ストックオプション うれしい誤算なのですが、以前もらっていたストックオプション(…

金融庁の「資産運用業高度化プログレスレポート」が面白い

異論反論は金融業界からいろいろあるようですが、2015年の森長官以後の金融庁は、「投資商品はこうあるべきだ」という一定の思想をもって運営をしているようです。それが色濃く出ているのが、6月に昨年に引き続き公開となった「資産運用業高度化プログレスレ…

『ウォール街のランダムウォーカー』12版再読 第一章 株式と価値

ぼくが投資に目覚めた書籍の一つが『ウォール街のランダムウォーカー』です。読んだのは2007年の7月。第9版でした。それから14年の月日が流れ、本書の教え通り、インデックス投資家として資産を作ってきたのですが、その間にも本書は版を重ね、現在は19年発…