九条です。FIRE後の自由な生活をベースに、投資・税制・制度・クリプト・法人運営を考えるブログです。 利回りや還元率の表面ではなく、税引き後の手取り、制度の前提、リスクと不確実性を見ながら、自由を増やす方法を書いています。

テレ東「NIKKEI NEWS NEXT」に「ビットコイン」ネタで出演

テレ東の経済報道番組「NIKKEI NEWS NEXT」。今回は11月5日の放送で「まだ上がる?暗号資産の可能性は 市場分析のプロと億り人に聞く」に、個人投資家として出演しました。

珍しくビットコインネタ

ぼくが取材を受けるときは、FIRE、インデックス、債券、AI株などのテーマが多いのですが、今回は珍しく「ビットコイン」ネタ。ビットコインを初めて購入した理由や、価格変動をどう乗り切ったか? などについて話しました。

txbiz.tv-tokyo.co.jp

 

例えば、持っているビットコインの一部を2017年、2021年の高値で売ったのですが、このときは「ちょうど天井で売れた!ラッキー」くらいに思ったものの、今から考えると200万とか600万とかで売るなんて、失敗だった……と思います。こんなことを話したり

番組の尺は9分くらい。そのうち僕が登場したのは1〜2分くらいで、ちょっと少なめでした。

 

取材の中では、

  • この10年、なぜビットコインが上昇し続けているのか
  • 今後、ビットコインはどこに到達しようとしているのか
  • 分離課税になるとどんなメリットがあるのか
  • イーサリアムというのはどんな暗号資産なのか

なども話したのですが、このあたりについては興味あればオフ会ででも話を振ってください。

トラウデン直美さんからインタビュー

今回は珍しく芸能人からのインタビューでした。トラウデン直美さんにいろいろと聞いてもらったのですが、ご自身も投資をされているということで、非常に理解が早く質問が回答と噛み合っていて、深く突っ込んでいただき、たいへん楽しい取材でした。

まだ26歳ということですが、なるほど経済番組でインタビューワとして活躍される方は、ひと味もふた味も違うんだな――と、トラウデン直美さんの知的さに一番感動した取材でした。スタッフからは「トラちゃん、トラちゃん」と呼ばれていたのもなんかいいですね。

 

ちなみに取材を通して、トラウデン直美さんが感じたことは、

値動きが激しいので、ビットコインという新しいシステムに期待をかけてそこに思いを持っていることが、持ち続けるコツだと感じた

そうです。インデックス投資はよく宗教だといわれますが、暗号通貨、特にビットコインほど信仰で成り立っているものはないですね。技術に対する信仰もあれば、自由主義的な信仰もあり、さらに反権力的な信仰にも基づくのがビットコインです。信じるものは救われる。その典型例でもありますね。

 

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ビットコイン30%急落は、ETFからの資金逆流が原因らしい

株式市場も微妙にぱっとしませんが、もっとひどいのがビットコインに代表される暗号通貨市場です。10月上旬に1900万円近くまで上昇したビットコインは、ズルズルと値を下げて1300万円まで急落しました。この背景には何があったのでしょうか。

ビットコイン急落

下記は直近3ヶ月のビットコイン価格のチャートです。急落具合がすごいですね。ピークからちょうど30%下落した形です。

いったい何が起きているのでしょうか? 株式市場のほうは、懸念された11月末のNVIDIAの決算が大変好調で、AIバブル崩壊→暴落 とはならず横ばいから弱含みの流れですが、ビットコインはひどい状況です。

ETFからの資金逆流

2024年から2025年にかけて、ビットコイン価格は600万→1800万超へと急激に上昇しました。これを牽引したのはBlackRockのIBITをはじめとする現物ETFです。機関投資家などがビットコインETFを購入することで、価格が上昇していきました。

 

ところが11月頭に起きたのは資金の逆流です。CFRA ResearchのETFリサーチ&アナリティクス責任者アニケット・ウラル氏は、投資家が10月30日から11月17日にかけて現物ETFであるIBITから16億ドルを引き上げ、17日の月曜日にはわずか1日で4.47億ドルが流出したといいます。

Bitcoin ETF posts record outflow amid crypto bear market

 

上昇がETFのおかげだったということは、ETFから資金が引き出されれば価格は下落します。シティ・リサーチのアレックス・ソーンダースによる分析によると、ビットコインETFから引き出される10億ドルごとにトークンの価格は約3.4%下落するといいます。

 

背景にはFRBが「今年のさらなる利下げは確実ではない」とパウエル議長が伝えたことがきっかけのようです。ただ、市場はリスクオフのきっかけを探していたという感じもします。

 

デリバティブのロスカットも下げを加速させました。ロングポジションのロスカットが連鎖的に発生し、数十億ドル規模の精算が繰り返され、売りが売りを呼ぶ展開になったといいます。

50%下がっても驚かない

ここ数年の上昇相場だけを見ていると、この世の終わりだ!くらいの下落ですが、ぼくはこれがさらに下がって半値=1000万円割れになってもそれほど驚きません。

 

過去も、2018年末のピーク200万円→33万円、2021年のピーク700万円→210万円と、凄まじい下落を繰り返してきました。2023年から25年にかけて上昇が続いただけのことです。

 

何しろ、ビットコインにはその裏付けとなる収益がありません。そのため、妥当な価格というのが存在せず、基本的には価格は長期的な需給と期待値で決まります。ではなにが需要を拡大させてきたのでしょうか。

 

1つは認知の拡大です。この10年で、暗号通貨は知る人ぞ知るものから、名前は聞いたことがあるものへ、そして少額なら持ってみようというものに変わってきました。僕の周りでも、暗号通貨否定派だった人たちが、徐々に「ちょっと持ってみようか」というふうに変わってきたのを実感しています。

 

2つ目は投資環境の整備です。アングラに近い存在だった取引所が、法規制がしっかり入り、安心して取引できるものになってきました。さらにETFの登場で、これまで投資ができなかった機関投資家も参入してきました。

 

3つ目はビットコイントレジャリー企業の登場です。マイクロストラテジーに代表されるビットコイン財務企業は、社債などを通じて資金を調達し市場のビットコインを吸い上げています。

 

このように需要が拡大するにもかかわらず、供給は絞られる一方です。ビットコインはマイニングによる報酬によって新規コインが供給されますが、それは4年に一度の半減期ごとに半分となり、既存コインに対する年間新規コイン供給量=インフレ率は0.8%程度まで減少しています。さらに、保有者の死亡などによる秘密鍵の紛失で永久に失われるビットコインもあり、その量は230〜370万枚(最大供給量2100万枚のうち約11〜18%)に及ぶと推定されています。

 

収益も産まず定まった価値がないのですから、需要が増大し供給が減少するなら、価格は増大します。単にセンチメントによって動く部分が大きいのでボラティリティが激しいだけです。なので、このままさらに下がっても驚かないし、それでもあと5年も立てば、高値を更新して5000万円まで行っても驚かないのです。

 

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仮想通貨はどう社会に受け入れられてきたか ETH70万超、BTC1800万超に


仮想通貨が絶好調です。ビットコインは日本円で1800万、イーサリアムは70万円を超えて、それそれ過去最高値を更新中。ぼくは総資産のうちBTCが11%、ETHが7%ほどを占めているのですが、これだけのシェアがあると、相応の影響があります。

順調なBTC、急回復のETH

ビットコインはこのところ米国株式と歩調を合わせていて、2023年の底から2年半でだいたい10倍くらいに上昇しました。多少の調整はあったものの、ほぼ右肩上がりです。一方のイーサリアムは、2021年につけた高値をなかなか超えられないでいましたが、今回それを突破。過去最高値を更新中です。

ドル建てでみると、BTCは12万3500ドルに到達。ETHは4736ドルとなり、2021年末の4700ドルを抜きました。5年間の騰落で見ると、BTCが+930%、ETHが+990%。それぞれだいたい10倍になった計算です。

 

円建てでみると、この間円安が進んだこともあり、さらに好調です。BTCは1800万円超え、ETHは(一時)70万円を超えました。騰落で見ると、BTCが+1320%、ETHが+1400%。なかなかに刺激的ですね。

クリプトが社会に受け入れられ上昇するメカニズム

ではなぜビットコインやイーサリアムなどのクリプトがこれだけ上昇しているのでしょうか。当初、個人投資家が投機目的で触れることの多かった仮想通貨ですが、潮目が変わったのは企業や国家の向き合い方です。

 

2020年には米国の大企業がビットコインへの対応を改めて進めました。クリプトの決済ネットワークを使うのではなく、従来の決済ネットワークを使う形ですが、その支払ソースとしてクリプトが選択肢に入ってきたわけです。日本では法的な縛りもありほとんど普及していませんが、米国でECや寄付をするとき、支払い方法としてビットコインが含まれることは一般的です。このときのビットコイン価格は130万円くらいでした。

 

2021年にはエルサルバドルがビットコインを法定通貨化して世界に衝撃を与えました。テッキーのおもちゃと見られていた仮想通貨でしたが、曲がりなりにも国家が正面から向き合うようになった、エポックメイキングな出来事でした。

 

2024年にはついにビットコイン現物ETFが承認されました。これまで機関投資家にとってビットコインというのは投資するハードルが高かったのですが、これによりビットコインへの投資への門戸が開けました。一般投資家にとっても株式などと並ぶ投資対象と見られるようになり、大量の資金が流入。この頃のビットコイン価格が700万円くらいです。

 

2025年の仮想通貨は、トランプ大統領なしでは語れません。就任後、仮想通貨の米国戦略備蓄構想を発表したり、自らミームコインを販売したり、積極的な仮想通貨推しを進めます。昨今では、米個人向けDCである401kへの組み込みを認めるなど、仮想通貨の長期保有にお墨付きを与えるような法案が次々と可決されました。

 

さらにビットコイン戦略保有企業がBTC取得ペースを早めています。その代表が米マイクロストラテジー、日本だとメタプラネットなどです。各社は増資したり社債を発行し、その資金でBTCなどを購入しています。マイクロストラテジーはすでに628,791BTCを保有しており、これは発行済BTCの3.15%にも達しています。こうした企業の買い圧力も価格上昇に寄与しています。

注目のイーサリアム

こうした大きな流れの中で、出遅れていたイーサリアムにも光があたってきました。ビットコインと同時期にETFが承認されたイーサリアムですが、最近になって追い風が吹いています。

 

例えば、機関投資家のETFH需要がビットコイン(BTC)へのエクスポージャーを上回る局面が見られたことです。2025年8月のある2日間では、ETH関連ファンドに15.4億ドルが流入したのに対し、BTC現物ETFへの流入額は約2億4400万ドルにとどまりました 。これは、機関投資家が単なる「暗号資産」というカテゴリーではなく、イーサリアムの持つ独自の価値に戦略的に資金を配分していると考えられます。

 

次に注目されている未解放の触媒が、ETF内でのステーキングの承認です。アナリストは、これが実現すれば市場構造を劇的に変える可能性があると予測しています。現在のベーシス取引(現物と先物の価格差を利用した取引)から得られる年率7%程度の利回りに加え、約3%のステーキング利回りが上乗せされれば、レバレッジなしでも年率10%の利回りが期待できます 。

 

配当のようなものを持たないビットコインに対し、保有するだけでステーキング収益が得られるイーサリアムは、ETF承認直後から「インターネット債券」などとも呼ばれ、期待されていました。トランプ大統領のSECに対する姿勢を見ると、ETHに対する規制が強まる感じはなく、早晩ステーキングETFが実現しそうです。

 

また、ビットコイン戦略保有企業に続き、最近はシャープリンク・ゲーミング(SharpLink Gaming)などイーサリアム戦略保有企業も元気です。同社はイーサリアムの保有高を20億ドルまで増やすことを目標として資金調達を続けていて、今後の買い圧力はさらに高まると思われます。

Pectraアップデート

変わらないことが価値のビットコインとは違い、アグレッシブに改善・改良が続いているのもイーサリアムの特徴です。5月に行われた「Pectra」アップデートの成功も追い風です。

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実はPectraアップデートは実はカストディや機関投資家にとってメリットをもたらしました。アップデートによって、1つのバリデーターが受け持つことができる有効残高の上限が、従来の32 ETHから2048 ETHへと大幅に引き上げらたのです。

   

これにより、大量のETHを保有する機関投資家やカストディは数百ものバリデーターノードを個別に運用する必要がなくなり、運用を簡素化できるようになりました。また、単一のバリデーター上でステーキング報酬を再投資する「真の複利運用」も可能になったのです。

 

こうした順次のアップデートにより、イーサリアムの分散型金融(DeFi)エコシステムにロックされた総価値(TVL)は、約921億4000万ドルに達しています。これはDeFiエコシステムのうち59.5%を占めていて、DeFiの中心でありつづけています。

 

Pectraアップデート後はTVLも上昇基調にあり、先日過去最高に近づいています。

Ethereum - DefiLlama

 

このように、徐々に社会に受け入れれてきた仮想通貨。日本では来年にも分離課税20%化も予定されています。「あんなものは投資対象じゃない」とボロクソに言っていた人たちも、最近は「私は買わないけど……」くらいに表現が柔らかくなってきました。そして初期から信じて持ち付けてきた人は、かなりの資産額になっています。

 

ファンダメンタルズがない――ということは、どれだけ上昇しても上がりすぎとは言えないということです。ビットコインもイーサリアムも、ここからまだ10倍、20倍を目指せると踏んでいます。ただし、増えすぎてもアセットアロケーションが歪むので、税金的に無理のない範囲で売却を続ける予定です。

 

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ビットコイン1700万超えて史上最高値更新

ビットコインが1700万円を超えて史上最高値を更新中です。ドル建てでも11万8000ドルを超え急上昇中。ちなみにビットコイン以外も軒並み上昇していて、例えばイーサはビットコインを上回る上昇を見せています。

ビットコイン1700万円超え

これまでの日本円でのビットコイン最高値は、今年2025年の1月21日に付けた約1650万円でした。それを、10日早朝から始まった上げで一気に突破し、記事執筆時点で1735万。そして更に上る気配です。ドル建てでも11万8000ドルを超えてきています。

これについて、各所がさまざまな要因を書いていますが、まぁこれらは後付けの説明因子であり、本当のところなぜビットコイン価格が上昇したのかなんてわかるものではありません。

 

ただし一つ言えるのは、11万6000ドルを超えたあたりでショートポジションの精算が加速(いわゆるショートスクイーズ)したようで、これが上昇に勢いをつけました。適正価格=ファンダメンタルズ価値が計算できないビットコインのような仮想通貨は、こうした需給によって大きく価格が変動します。

 

また、今回の上昇でビットコインの時価総額がGoogleを抜いた、というのも話題になっています。GoogleはAI競争のど真ん中の企業ですが、どうにも最近ディスカウントされているようです。

アルトのターンも到来か

ビットコインの過去最高値が話題ですが、ここ数日、アルトコインはそれを上回って上昇中です。中でも、なかなか過去最高値を更新できないイーサは、5日間で19%の上昇となりました。

 

まぁビットコインは供給量が限定されるデジタルゴールドであり、セキュリティなど技術的な課題に直面するまでは、長期的に上がり続けると考えています。そして単一銘柄の中では、ぼくが最も多く保有しているのがビットコインです。総資産の10.6%をビットコインで保有しており、今回の上昇でその比率はさらに上がったことでしょう。

 

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安定するビットコインと、バブル化するビットコイン戦略保有企業

ビットコインは1500万円前後で安定が続いていますが、一方でバブルの様相を帯びているのがビットコイン戦略保有企業です。米国のストラテジー(旧マイクロストラテジー)を筆頭に、日本でもメタプラネット、リミックスポイントなどがビットコインを継続的に購入し、株価が急上昇しています。

日本でも相次ぐビットコイン戦略保有企業

ビットコイン戦略保有(トレジャリー)企業とは、資産の一部または全部をビットコイン(BTC)で保有することを戦略として採用している企業を指します。ただし、多くの場合、余剰資金をビットコインに振り分けるのではなく、社債などを発行してビットコインを購入します。企業の形を取っていますが、実質的にはビットコインETFと同様の、ビットコインの箱として機能する形です。

 

最も有名なビットコイン戦略保有企業は米ストラテジーです。旧社名はマイクロストラテジーで、2020年から戦略的にビットコインの購入を開始。現在は、592,100BTC=約9兆円分 という多額のビットコインを保有しています。

 

日本でも複数の上場企業がビットコインを戦略的に買い集めています。

  • メタプラネット 10,000BTC 2027年末までに21万BTC保有目指す
  • リミックスポイント 1051BTCなど、時価評価171億円相当の仮想通貨
  • マックハウス 17億1500万円
  • gumi 80.3BTC 10億円相当
  • ANAPホールディングス 2025年8月期末までに1000BTC以上 80億円を投じる

最も有名なのはメタプラネット。通称メタプラで、「ビットコイン財務企業」をうたい2024年4月に10億円を費やしてビットコイン(97.8519BTC)を購入。「資本市場を活用してビットコインの相補有料を増やし、1株あたりのBTCを成長させています」とうたいます。

 

リミックスポイントも1051BTCなど複数の仮想通貨を保有し、総額171億円相当の仮想通貨を保有します。エネルギー事業を営む同社ですが、2024年9月に15億円の仮想通貨購入を発表して以来、買い増しています。

その他衣料品のマックハウスやゲームのgumi、アパレルやエステ事業などを営むANAPホールディングスもビットコインを購入。その数は増加しています。

跳ね上がる株価

ストラテジー社もそうですが、ビットコイン戦略保有企業の株価は跳ね上がっています。下記はメタプラネットの株価。2024年4月のBTC保有発表からグイグイと上昇し、2024年初頭からだとなんと+1万%(=100倍)の上昇です。

ストラテジー社は5年前の2020年から見て、+3000%(=30倍)です。これはS&P500(+94%)やNVIDIA(+1476%)と比べても驚くべき上昇です。

この株価は正当化できるのか?

ただちょっと注意が必要なのが、ストラテジーにせよメタプラネットにせよ、上昇の理由はビットコインの大量保有なのですが、ビットコイン自体の価格よりも大きく上昇しているのです。

ストラテジーの保有するビットコインは592,100BTC。この評価額は約9兆円ですが、ストラテジーの時価総額は15兆円に達しています。約1.6倍です。もちろんストラテジーはビットコイン以外の本業もあるので、その分も評価されているわけですが、それでも15兆円という巨大な評価額の裏付けはビットコインのはずで、それを超える価値をどう評価するかは難しいところです。

 

メタプラネットに至っては、保有ビットコイン数が10,000BTC、評価額1520億円ですが、メタプラネット自身の株価から導かれる時価総額は1兆円を超えています。倍率は7倍以上です。

 

ビットコイン保有企業の価値は、基本的には保有しているビットコインの価値になるはずで、その7倍以上の値段がついて株式がやり取りされているのは過剰評価にしか見えません。メタプラネット自身も、ここについては説明が必要だと考え、「なぜ当社(メタプラネット)はNAV(保有BTCの価値)に対してプレミアム(割高)で取引されるのか」というスライドをIR資料で公開しています。

これによると、将来もBTCを取得する計画だから、それが上乗せされている(時間分は割り引かれて)という説明です。うーん。言わんとすることは分かりますが、「将来ビットコインを買う計画だから、それが現在の株価に織り込まれている」と言われても、なかなか納得しがたいようには思います。

ビットコインの寡占という問題

もう一つ、ちょっと面白いのは、こうしたビットコイン戦略保有企業が、株式市場で資金を調達してビットコインを買うことで、急速にビットコインの保有量を増やしていることです。まぁ正確には59.2万BTCも保有しているストラテジー社です。

 

下記は世界の上場企業が保有するBTCランキングです。1万BTCを保有するメタプラネットが9位に入っているのも凄いことですが、何より注目すべきはストラテジーでしょう。

  1. Strategy, Inc. (MSTR) 米国 592,100
  2. MARA Holdings, Inc. (MARA) 米国 49,543
  3. XXI (XXI) 米国 37,230
  4. Riot Platforms, Inc. (RIOT) 米国 19,225
  5. Galaxy Digital Holdings Ltd. (GLXY.TO) カナダ 12,830
  6. CleanSpark, Inc. (CLSK) 米国 12,502
  7. Tesla, Inc. (TSLA) 米国 11,509
  8. Hut 8 Mining Corp. (HUT) カナダ 10,273
  9. Metaplanet Inc. (3350.T) 日本 10,000
  10. Coinbase Global, Inc. (COIN) 米国 9,267
  11. Block, Inc. (SQ) 米国 8,584

ストラテジーが保有する59.2万BTCというのは、他の企業すべてが保有するBTCの合計の2倍以上になります。それどころか、これまで供給されてきたビットコイン総量のうち2.82%を占めているのです。これまで発行されたビットコインは、サトシ・ナカモトの持分が100〜110万BTCといわれ、ビットコインETFを運用するブラックロックが63.6万BTCを保有し2位。そして3位には顧客預かり資産を持つBinanceが62.9万BTCで3位とされています。

 

ストラテジーの保有量は、それに次ぐ4位。カストディとしての保有ではなく、単一の意思決定者が動かせる保有量としては世界1位だといえるでしょう。2.82%という比率を「寡占」というべきなのかは分かりませんが、ストラテジーの保有量は、今後のビットコインの動向を左右するレベルになってきています。

 

ストラテジーは、2025年の計画として、株式で420億ドル、債券で420億ドルを調達し、それをすべてビットコイン購入に充てる計画です。合計840億ドル=約12兆円のBTCを購入すると、現在のBTC価格のままならストラテジーの保有BTC量はほぼ倍増することになります。

このペースで投資家から資金を集め、ストラテジーがビットコインを買い集めていったら、ビットコインの価値の源泉である分散化は失われてしまうのではないか? といった懸念も囁かれる中、今後の動向が注目されるところです。

 

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進化し続けることの価値、Ethereum ポートフォリオ#6

九条が保有する銘柄=ポートフォリオに関心をお持ちの方も多いということで、連載的に、保有する投資先の中で、評価額が大きい順に連載的に紹介していきたいと思います。「どんなナラティブを信じて保有しているのか」というメタトレンド的な解説が中心になります。

 

第6回は、ここ数日急騰しているEthereum。「変わらないこと」が特徴のビットコインに対し、イーサリアムは「変わり続けること」が価値です。

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4年前より価格が低いEthereum

上記のグラフでは金(ゴールド)のインゴットに抜かれてしまっていますが、当初6番目のシェアを持っていたのがEthereumでした。2021年=4年前にポートフォリオとしてのEthereumについて記事を書いたときの価格は2800ドル。現在は2439ドルで、なんと減少しています。

 

上昇を続けるイメージのあるBitcoinとは違い、2021年末につけた4600ドルの高値をいまだに超えられていないのがEthereumなのです。

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でも、ならEthereumがBitcoinに比べて微妙なのかというとそんなこともありません。チャートは、どの部分を切り取るかによって全く違った顔を見せるのですが、次のように過去5年間を比較すると同じような増え方(どちらもだいたい+1000%=11倍)をしています。

 

上がり続ける……とは全く言い難いEthereumですが、ではどんなナラティブを信じて保有し続けているのでしょうか。それは変わり続けるということです。

変わり続けることの価値

同じ仮想通貨といっても、Bitcoinの価値は「変わらないこと」にありました。これは時代が変わっても世の中が変わっても、その価値を保ち続けるという意味で魅力的な資産です。

 

一方でEthereumの価値は「変わり続けること」にあります。これまでのメジャーなアップデート=ハードフォークをまとめておきましょう。

  • 年    アップデート名    主な変更点    影響
  • 2013    ホワイトペーパー    スマートコントラクトのコンセプト発表    イーサリアムの基礎を築く
  • 2014    イエローペーパー    EVMの技術仕様詳細記述    技術的基盤確立、技術基盤の確立
  • 2014    Etherセール    BitcoinでEther購入可能に    資金調達とコミュニティ形成
  • 2015    Frontier フロンティア    開発者向けベーシック実装、ガスリミット5,000    最初のライブバージョン
  • 2016    Homestead ホームステッド    プロトコルとネットワーキングの変更    公式リリース
  • 2016    DAOフォーク    DAOハック対応、資金回収、Ethereum Classic分岐    セキュリティ強化とコミュニティ分裂
  • 2017    Byzantium ビザンチウム    マイニング報酬3 ETHに、難易度ボム延期、Layer 2スケーリング    効率化とスケーラビリティ向上
  • 2019    Constantinople コンスタンチノープル    マイニング報酬2 ETHに、EVMコスト最適化    マイニング効率化
  • 2019    Istanbul イスタンブール    EVM効率化、DoS耐性向上、Layer 2強化、Zcash相互運用    EVM効率、DoS耐性、レイヤー2強化、Zcashを併用、スケーラビリティとセキュリティ強化
  • 2020    Beacon Chain Genesis ビーコンチェーンジェネシス    PoS移行開始、16,384の32 ETHステーク必要    PoSへの第一歩
  • 2021    London ロンドン    EIP-1559導入、トランザクションフィー改革    ETH供給減少とユーザー体験向上
  • 2022    The Merge マージ    PoWからPoSへ移行、エネルギー消費99%削減    歴史的な転換点
  • 2023    Shanghai 上海    ステーキングETH引き出し可能、バリデーター報酬自動スイープ    ステーカーの利便性向上
  • 2024    Dencun デンクン    Proto-DankshardingでLayer 2コスト削減、バリデーターチャーン率制限    スケーラビリティ向上
  • 2025    Pectra ペクトラ    バリデーター残高2,048に、ユーザー体験とステーキング効率化    進行中のアップデート

この中でも最もドラスティックなアップデートはThe Mergeでしょうか。もともとEthereum2.0と呼ばれていたもので、この移行を見たときは「仮想通貨はこれほど根本的な変化を実現できるものなんだ」と驚きました。当時下記の通り記事も書いています。

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そしてつい先日、5月7日に行われたのがPectoraアップデートです。この成功を受けてEthereum価格は急伸。約20%上昇し、日本円で33万円を回復しました。

Ethereumの各アップデートの狙いと背景

これまでのアップデートの狙いと流れを簡単にまとめると次のようになるでしょう。2015年のFrontierから稼働するようになったEthereumは、ワールドコンピューターとしての第一歩を踏み出しました。

 

ところが2016年のハッキング「The DAO」事件でEthereumコミュニティは重大な判断を迫られます。ブロックチェーンの不変性・改変不能性を重視するのか、ハッキング以前までチェーンを巻き戻すかという選択肢です。結局、Ethereumはチェーンの巻き戻しを選択し、アルゴリズムが法なのではなく、コミュニティのコンセンサスによって過去の状態を変更できるというガバナンス的カルチャーが共有されました。

 

2016年〜21年は、EVMの強化がメインの改良でした。ビザンチウムやコンスタティノーブル、イスタンブールなどがそれにあたります

 

続いて取りかかれたのがプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行です。Londonによって手数料の仕組みが変更され、ETHのバーンを可能にしました。これによりETHは流通量が増え続けるインフレ的資産から、流通量が減るデフレ資産への可能性をひらきました。合わせて、メインチェーンと並行して稼働していたのがPoSのBeacon Chain Genesisです。これが一つにまとまったのが2022年のThe Merge。BitcoinのようなPoWから、PoSに移行し、エネルギー消費が99.95%削減されました。インフレも止まり、より持続可能性の高いチェーンへと移行したのです。

 

PoWへの移行は段階的に進みました。PoSのためのバリデータノードになるのは32ETHをロックする必要がありますが、これによる報酬の受け取りは2023年のShanghaiまで待つこととなったのです。

 

2024年からの開発のメインはL2の強化です。Ethereumはスマートコントラクトプラットフォームとして最大手のポジションを占めていますが、最大の課題は処理速度とコストでした。そこに高い処理能力と低コストをウリにしたSolana、BSC、Avalancheなどの競合が登場します。2022〜2023年のDeFi-SummerでEthereumの手数料は高騰し、ユーザーはこうした代替チェーンに流出しました。2024年にはSolanaは日次アクティブユーザーでEthereumを上回るほどでした。

 

Ethereumは速度強化のアップグレードにも取り組みましたが、なかなか成果は出ず、世間の認識はL1(レイヤー1)ではSolanaなどに勝てないというところです。EthereumはL2(レイヤー2)で処理速度アップを狙う流れになりました。L2とは、本線とは別のバイパスのことで、本線の堅牢性は保ったまま、その上で高速な処理を行うという考え方のものです。

 

現在EthereumのL2には、Arbitrum、Optimism、zkSync、StarkNet、Polygon zkEVMなどの複数のソリューションが存在し、それぞれが独自の技術や特徴を持っています。これらのL2ソリューションは、取引速度、ガス料金、低コスト化などの面で競争関係にあり、切磋琢磨しています。

 

しかし、Ethereumの戦略はこれらを単に競わせるのではなく、Optimism Superchainのような共通の標準を通じて統合する方向にあります。ウォレットやアプリが「どの L2 がいま空いていて一番安いか」を自動で選んでくれる設計が進行中で、数年後には 送金ボタンを押すだけで裏側で最適な L2が選ばれ、本線へ安全に記録される——利用者はチェーン名を気にしなくなる可能性が高いといわれています。

 

また2024年春の「Dencun」アップグレードで、L2 がイーサリアム本線に情報を書き込むコストが100倍ほど安くなりました。2025 年以降、イーサリアムはさらに“道路合流レーン”を広げる計画があるので、数円→ほぼ無料レベルまで下がると期待されています。これによって、別チェーンに引っ越す理由が薄れると期待されています。

ワールドコンピューターとしてのEthereumはデータセンターを超える

このように、世界最大規模のスマートコントラクトプラットフォームでありながら、根幹から作り変えるような大規模な進化を続けているのがEthereumです。

 

生成AIの発展もあり、現代はデータセンターが非常に重要なインフラとなっていますが、ワールドコンピューターとしてのEthereumはある意味でデータセンターを超える規模になっています。

 

Ethereumのネットワークは、世界中に分散された約1.4万のノードで構成されています。それのノードは世界中に分散しており、地理的な多様性と耐障害性を備えています。極めて堅牢な仕組みが根幹にあります。

 

Ethereumのブロックチェーンは、毎日約150万件のトランザクションを処理しており、スマートコントラクトの実行によって生成されるデータはペタバイト級に達しています。これは、大規模なデータセンターのデータ処理量に近づいています。例えば、Googleのデータセンターは1日に数十ペタバイトのデータを処理しますが、Ethereumも分散型ネットワークとして同様に膨大なデータを扱っています。

 

2022年の「The Merge」以降、EthereumはProof of Stake(PoS)に移行し、エネルギー消費が大幅に削減されました。年間のエネルギー消費は約2.62テラワット時で、これは大規模なデータセンター(Googleの年間約12テラワット時)に比べて非常に効率的です。

 

コンピュータ資源で見ると、イーサリアムは「中堅〜大規模データセンター1サイト分」程度のサーバー台数で、世界最大級のスマートコントラクト基盤を回しています。しかも電力は たった1棟のDC並みで済む ――PoSに切り替わったおかげで、エネルギー効率は通常のクラウドより桁違いに高いのです。そしてデータは PB(ペタバイト)級を全ノードが丸ごと持ち合うため、可用性は“クラウドの多重バックアップ”をさらに上回ります。

 

最近は「◯◯をブロックチェーンで」と言われることが本当に減りましたが、使い所によっては唯一無二なのがスマートコントラクト。その可能性はまだまだこれから花開くと思っています。

  1. Bitcoinのナラティブを考える ポートフォリオ#1

  2. VT=リスクプレミアム・コレクション ポートフォリオ#2

  3. 初めての不動産は東小岩のアパートだった ポートフォリオ#3

  4. IVV―もっとも透明なインデックス ポートフォリオ#4

  5. オルカンはまさに日本の投資家のリーサル・ウェポン ポートフォリオ#5

  6. 進化し続けることの価値、Ethereum ポートフォリオ#6

  7. 金のインゴットを持っている理由 ポートフォリオ#7

 

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ビットコイン急回復、1300万円に デジタルゴールドとなるか

トランプ関税の影響で、金を除くほとんどの資産が下落しましたが、ビットコインは一足早く回復が始まっています。4月頭には一時1000万円台まで下落しましたが、円高が進む中でも回復が進み、1300万円を超えてきました。

1400万→1000万→1300万

下記は、ビットコインの直近6ヶ月のチャートです。1月に1700万円近い史上最高値を付けたあと下落、トランプ関税の影響もあって4月頭に急落しましたが、一足早く回復を始めています。

下記は直近1ヶ月のビットコイン、ゴールド、S&P500のチャートです。トランプ関税ショックで株とビットコインが下がる中、ゴールドは順調に上昇しました。そしてそれを追う形でビットコインも回復しています。

リスクアセットからデジタルゴールドへ

直近のビットコインの動きを見てきた人は、株式と連動するリスク資産だと考える人が多いのではないでしょうか。しかしデータを見る限り、株・債券・ゴールド・ビットコインは別のアセットクラスだと考えるほうがよいと思っています。

 

「株式と連動するビットコイン」というのは、この1年ではあまり間違っていません。下記はSPY=S&P500とビットコインの相関(赤線)を見たものです。ほぼ0以上でつまり株価に連動してビットコイン価格が動いていたことが分かります(30日移動平均相関)。

 

ただこれはいつもそうだというわけではなく、株価が不調気味だった2023年はこのように0を下回る逆相関がかなり出ていました。

長期で見るとこの通り。株式とビットコインの相関は0以上と0以下を行ったり来たりしています。これまでの株式とビットコインの相関は、S&P500で0.27、NASDAQ100=QQQで0.33。そのくらいの数字です。

では、ゴールドとの相関はどうかというと、こちらが6ヶ月間の相関です。直近は急速に相関が増していて、冒頭に示したようにゴールドと連れ高になりつつあります。

直近1年について、ゴールドとS&P500の両方に対する相関を並べてみると、直近は確かに株式との相関が高く、ゴールドはたまに逆相関のタイミングがあることが分かります。

ちなみに長期で見るとこんな感じ。正直、あまりに揺れていて何にどう相関しているのか分かりにくいですが、実はゴールドとの相関は0.68と株式よりも高いのです。

仮想通貨分析会社サンティメント(Santiment)は、株価が荒れる中でもビットコインが回復し始めていることを指摘、マクロ経済の逆風にもかかわらず、ビットコインが2022年の弱気相場時ほど株式市場に依存していないことを示唆している」と分析しました。

insights.santiment.net

マルチアセットの効果

株式は長期保有する場合に最も高いパフォーマンスが出ると考えられていますが、必ずしもほかのアセットクラスが株式に劣後するとは限りません。

 

直近数年を見ると、最もリターンが大きかったのはビットコインで次はゴールドでした。株が大きく上がったという印象を持っている人も多いと思いますが、実はそうでもないのです。

Diversifying with bitcoin, gold, and alternatives | BlackRock

 

特にビットコインは、誕生からこれまで、常に株式を上回るパフォーマンスを見せています。またコロナ禍後のインフレの中で、金は継続的に上昇してきました。

互いに相関の小さい複数のアセットクラスを保有することで、リターンは平均化されますがリスクは減少します。株式に加えてビットコインを保有することは、その高いリターンを享受するという意味だけでなく、互いのリスクを打ち消し合ってリスクを減少させる効果もあるというわけです。

リスク資産を見られがちだったビットコインですが、このところは再びデジタル・ゴールド色を増しているのかもしれません。

 

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Bitcoinのナラティブを考える ポートフォリオ#1

九条が保有する銘柄=ポートフォリオに関心をお持ちの方も多いということで、連載的に、保有する投資先の中で、評価額が大きい順に連載的に紹介していきたいと思います。「どんなナラティブを信じて保有しているのか」というメタトレンド的な解説が中心になります。

 

第1回は、実は保有資産の中で最大のシェアを持つBitcoinです。

Bitcoinナラティブ

もともとの投資額は100万円にも満たなかったBitcoinですが、2016年から保有しているだけあって、そこそこの資産額となっています。複数回売却しており、初期投資額はもちろん、けっこうな利益も確定させていますが、それでも現在総資産の9%超がBitcoinです。

ぼくはメタトレンドに沿った投資法を採っています。それは10年、20年といった長期で世の中がどのように変化していくか、それを牽引するものはなにかを考え、そこに投資する方法です。

 

例えばインターネットの普及期、2000年代にはGoogle(現Alphabet)Amazonに投資し、スマホとSNSの勃興期にはFacebook(現Meta)に資金を投じました。GPT-4が登場しAIの進化が確定的になった2023年にはNVIDIAMicrosoftにも投資しています。

 

いずれもその当時すでにブームであり、割高だと言われた投資先ですが、この企業が担いでいる技術、戦っている市場は急速に拡大し、世界を一変させるというメタトレンドへの合致から、長期に投資することができました。

 

では、Bitcoinにはなぜ投資し、どうして長期保有しているのでしょうか。それはデジタル・ゴールドです。

インターネット通貨というナラティブ

メタトレンドには、その技術がどうやって生まれ、今後どのように世界を変革していくのかという物語=ナラティブが欠かせません。ナラティブが強力ならば、信者と呼ばれるような熱狂的なアンバサダーが自発的に登場し、世間を啓蒙していきます。そして人びとが改宗するにしたがってさらにナラティブは自己強化され、世界に浸透していくわけです。

 

Bitcoinの場合、大きく2つのナラティブがあります。1つは法定通貨に代わる、発行体もおらず中間にある金融機関を信用する必要のない、決済・送金手段だというものです。Bitcoin登場まで、海外送金というのは銀行間のバケツリレーであるSWIFTを使うのが普通で、極めて高コストで時間がかかるものでした。また送る方も受け取る方も銀行口座を必要とし、日本では想像できませんが、銀行口座を開くのが難しい地域では、送金自体のハードルも高かったのです。

 

Bitcoinはインターネットに接続したコンピュータがあれば1分もかからず口座(ウォレット)を用意でき、世界中のどのBitcoin口座へも10分少々で送金できます。口座は匿名で作成できるため、送金も匿名で行えるというメリットもありました。

 

この「インターネット時代に即した送金・決済手段」としてのBitcoinナラティブは、非常に分かりやすく、急速に広まった感があります。しかし、時を経るとともに廃れていったナラティブでもあります。

 

1つは匿名で送金できるという利点が、逆に犯罪関連に悪用される点です。武器や麻薬などの取引をBitcoinで行えるシルクロードというサイトは摘発され、運営者は逮捕、過剰な罪状で投獄されました(第2次トランプ政権で恩赦)。

 

コストとスピードも課題です。Bitcoinが1万円くらいの価格だった頃は、国際送金の手段としては格安でしたが、すでに1000万円を超えている今、日常の取引にかかる手数料としてもとても高額に感じるようになってしまいました。10分に1回ブロックを生成するという仕組み上、送金速度が10分以上かかるのもネックです。数日かかる国際送金と比較すれば速いものの、日常の決済では銀行振込よりも遅いというレベルです。

 

送金に特化した改良版Bitcoinもたくさん登場しました。より高速でより低コストで送金できるという仮想通貨が多数登場し、送金用途においてはBitcoinの出る幕はありません。

 

一応、レイヤー2と呼ばれるBitcoinの上に決済専用のネットワークを重ねる仕組みを使い、Bitcoin送金を低コスト高速化するLightningネットワークなどの仕組みも開発されていますが、とても市民権を得たとは言えない状況です。

デジタル・ゴールドというナラティブ

もう一つのナラティブは、デジタル・ゴールドです。太古から希少で保存性が高い金は富の象徴でした。価値の保証を政府によらないという点でも、価値の保存手段として非常に優れていたわけです。

 

Bitcoinは、発行枚数が厳密にアルゴリズムで決められている希少性が非常に高いコインであり、その価値の源泉を政府に寄っていないという点で、非常に金に似ています。さらに持ち運びが容易で多額の送金も一瞬でできるなど、金を超える価値も持っています。

 

Bitcoinの開発者であるサトシ・ナカモトは、政府が勝手にマネーを増減できる現在の法定通貨の体制に疑問を抱いていたのではないかと見られています。Bitcoinの最初のブロックには次のように記録されています。

「The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for bank」
「英財務大臣、二度目の銀行救済目前」 

これは人為的に貨幣量をコントロールできる体制が逆にバブルや大不況を引き起こしていることを揶揄しているのではないかと推察されたわけです。

 

実は、政府が通貨量を増減させられる体制になったのは1931年のことで、それまでは各国の通貨の価値は金と紐づいていました。すべての通貨には金の裏付けがあり、保有する金以上の通貨は発行できなかったわけです。これを金本位制といいます。

 

金本位制においては、通貨の価値を保証するのは政府の信用ではなくあくまで金です。金は新たに生み出すことができず、掘り出せる量も極めて少なく、世界全体の金の量は50mプール4杯分だといわれるくらいで、基本的に希少性が担保されているからです。

 

経済学者の一部には、人為的に金融緩和が可能でバブルを引き起こせたり、金融引き締めの失敗で大不況をもたらす中央銀行制度よりも、金本位制のほうが望ましいと考える人達もいます。自由主義経済の考えかたをピュアに持つこうしたオーストリア学派の人たちです。

 

ただ世界各国が、もう一度金本位制に戻るのは現実的ではないでしょう。ではどうしたら、勝手に通貨量を変動させられる中央銀行制度から、通貨量を安定させることができるのでしょうか。金本位制が難しいなら、金の代わりにデジタル・ゴールドであるBitcoinを各国が準備金として保有すればいいのではないか。これがBitcoin=デジタル・ゴールドの終着地点です。

 

世界各国がBitcoin本位制に移行した世界では、すべての通貨はBitcoinを裏付けとして発行されます。保有するBitcoinの額以上の通貨は発行できないわけです。Bitcoinは政府が厳重に保管し、通貨はその預り証という位置づけになるといってもいいでしょう。

 

ここにおいて、Bitcoinはアルゴリズムで希少性が担保され、一度もハッキングされたことがないというブロックチェーンの信頼性が軸となります。実際に送金に使われたり決済に使われるのは、Bitcoinの預り証である法定通貨であり、Bitcoinは法定通貨の価値を保証するためだけに使われる世界です。

 

登場から17年、技術オタクのものだったBitcoinは次第にイノベーター層にナラティブが浸透し、2020年にはBitcoinを保有する企業が現れ、2024年にはBitcoinをラップした上場投資信託(ETF)も登場。Bitcoin自体を触らなくてもBitcoinのナラティブを信じ保有する人たちが増加しました。また2021年、エルサルバドルのBitcoin法定通貨化を皮切りに、政府によるBitcoinの活用が増加。2025年にはついにトランプ大統領がBitcoinの備蓄化を行うことを宣言しました。

 

決済や送金に使うものではなく、デジタルゴールドとして価値の担保となる存在へ。このBitcoinのナラティブは着々と歩みを進めています。このナラティブが生きている限り、ぼくはBitcoinを保有し続けるでしょう。

  1. Bitcoinのナラティブを考える ポートフォリオ#1

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  6. 進化し続けることの価値、Ethereum ポートフォリオ#6

  7. 金のインゴットを持っている理由 ポートフォリオ#7

 

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トランプ砲 米国の戦略備蓄構想で仮想通貨が爆上げ

Bitcoinが乱高下を見せています。2月28日には8万ドルを割り、1月に付けた最高値10万8000ドルから25%も下落しました。ところが3月に入り、トランプ大統領が国家備蓄構想を掲げると急騰。9万ドルを回復しています。

トランプ関税、BybitのETH流出

12月、1月と最高値を付けてきたBitcoinですが、2月に入ってからは低調。トランプ大統領が公約の関税を進めるという見方が広がり、日米の株価とともに大きく下落しました。仮想通貨については、2月22日におきた史上最大のハッキングも影響しています。

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結果高値から25%程度下がって2月を終え、仮想通貨全体に悲観ムードが漂う状況でした。

仮想通貨の戦略備蓄

ところが2月2日にトランプ大統領が、仮想通貨の米国戦略備蓄構想を発表すると、各仮想通貨は急上昇をみせます。

米国の仮想通貨準備制度は、バイデン政権による長年の腐敗した攻撃を受けてきたこの重要産業を発展させるだろう。そのため私のデジタル資産に関する大統領令では、大統領作業グループに対し、XRP、SOL、ADAを含む仮想通貨戦略準備制度の整備を進めるよう指示した。私は米国が世界の仮想通貨の中心地となるよう確実にする。我々は再びアメリカを偉大にする!

この発表が市場に与えた影響は劇的でした。ビットコインは10%以上上昇して約9万4千ドルに達し、イーサリアムも13%上昇しました。特筆すべきはXRPの30%以上、SOLの25%超、そしてADAの驚異的な60%以上の高騰です。数時間で仮想通貨市場全体の時価総額が約40兆円も増加したとされます。

 

ただし、この政策の実現には課題が山積みです。まず、大規模な仮想通貨購入のための財源確保には議会の承認が必要です。1970年代の戦略石油備蓄(SPR)創設時と同様に、法改正や予算措置が求められるでしょう。

 

実のところ、トランプ大統領はどうやって戦略備蓄を行うのかについては話していません。現在、司法省には市場価格で210億ドルの約20万トークンが保管されているといいますが、市場の期待は政府が市場から仮想通貨を購入することでしょう。

 

ワシントンで出回っている最も具体的なビットコイン準備金の提案は、個人的に5枚のビットコインを保有する親クリプト派の共和党上院議員シンシア・ルミス氏によるものだそうです。ルミス議員の法案では、財務省が年20万BTCを5年間購入し、連邦準備銀行の預金・金保有益を資金源とする計画ですが、この法案はまだ議会で審議が進んでいません。

 

特に気になるのは、政策の持続可能性です。エンクレイブ・グループの共同設立者でアドバイザリー・サービス担当副社長のアダム・ブルンバーグ氏が指摘するように「次の選挙で別の政権が誕生し、債務や社会保障費の支払い財源が必要になれば、蓄えたコインを売却してしまうだろう」という懸念もあります。4年ごとに激しく揺れ動く米国政治において、一貫した長期的仮想通貨戦略を維持できるのか疑問です。

おもちゃになるクリプト

そして最も懸念するのは、今回のトランプ氏の投稿に前後して、インサイダーと見られるアカウントが大量の仮想通貨を購入し売り抜けたらしいことです。

株式のように規制されていない仮想通貨では、いわゆる風説の流布とか株価操縦に当たるような罪はありません。しかし、世界最大の国家、米国の大統領が仮想通貨の政治的な方針を打ち出して、そのタイミングで売買を行って利益を得るというのは、まったくもって褒められたことではないでしょう。

 

まさに仮想通貨は今、米国政権のおもちゃにされているように感じています。仮想通貨の本当の価値に関係なく、トランプが煽れば価格が上がるというような状況は、将来において仮想通貨の価値に禍根を残すんじゃないかとさえ思うのです。

 

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Bybitに史上最大のハッキング ただしクリプトは暴落ならず

2月22日、仮想通貨取引所のBybitから14億6000ドル≒2200億円がハッキングされ流出しました。これは、マウントゴックスの4億7000万ドル、コインチェックの5億3000万ドル、ローニン・ブリッジの6億ドルなどに比べても高額で、史上最大規模のハッキングになります。

Bybit CEOは「損失をカバーする」

犯行は北朝鮮系ハッカーと見られ、マルチシグのコールドウォレットがハッキングされました。DMMビットコインのときと似たような状況で、ソーシャルハッキングの可能性が取り沙汰されています。

 

幸いなことに、Bybitのベン・チョウCEOは「Bybitは、このハッキングの損失が回復されない場合でも、すべての顧客の資産は1対1でバックアップされており、損失をカバーすることができます。」と、すぐさま顧客資産の保証を発表しました。

Bybitは2018年に設立された仮想通貨取引所で4500万人を超えるユーザーを抱えています。日本でも頻繁に名前があがる取引所ですね。CoinMarketCapのランキングでは、B inanceに続く2位となっています。

coinmarketcap.com

 

この迅速な対応の背景には、Bybitの高い収益力があります。Flashbotsのストラテジーリードであるハス氏はXで「Bybit の年間収益は 14 億ドルをはるかに超えています。ETHに関しては問題ではありません。Bybitは顧客のETH債務を履行し、資産を買い戻すからです」と投稿しました。

ETHは4%ほど下落したが急回復

ETHは42万7000円からハッキングを受けて急落。8%近い39万1200円まで落ち込みました。しかしBybitが顧客資産補填用にETHを市場から買い集めるという報道で上昇。現時点で41万8000円まで値を戻しています。

ハッカーが奪取したアドレスは厳重に追跡されていて、主要な仮想通貨取引所でブラックリストに登録されています。こうなると、ハッカーがETHを法定通貨に替えるのは困難です。

「盗まれた資金はすでにマークされており、ハッカーが使用することはきわめて困難。盗んだ資金を主要な取引所に送金しようとしても、即座にブロックされる」と、StealthEXのマリア・カロラ(Maria Carola)CEOはCoinDeskに語った。

ハッカーはおそらく資金を利用できないため、一部のアナリストは、ハッカーが保有するイーサリアムは「実質的には消滅した」と指摘している。

イーサリアムが上昇、Bybitが購入開始との報道で | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)

Bybitが保有するウォレットの資産額は、169億ドルから112億ドルに減少していて、ハッカーが盗んだ14.6億ドルのほか43億ドル程度を顧客が引き出したようです。それでも危機は落ち着きを見せ始めています。

 

コインチェックのハッキングの際には、大規模な仮想通貨のクラッシュが引き起こされました。今回も信用不安によって同様のことが起きる懸念もあったわけですが、現時点では状況は安定しています。吹けば飛ぶような仮想通貨業界だったわけですが、このような事故がおきても回復力がついてきたわけで、とても成熟を感じます。

 

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BlockFiのKYCにやっと成功 英文の住所証明書の作成方法

破綻した仮想通貨のレンディング事業者「BlockFi」に、忘れるにはちょっと額の大きい債権を持っています。先日、半分くらいがやっと戻ってきて、残りの半分も変換手続きが進んでいるのですが、ネックになっているのがKYCでした。これをやっと通すことができました。

これまでの経緯

BlockFIが破綻して失われたステーブルコインが、破産手続きの処理の末、一部回収できたという話を下記に書きました。いろいろ手続きはあったものの、8000ドル程度を回収。そして残りは……というと、これが少し進捗しているのです。

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その後の推移を簡単にまとめると次のようになります。

  • 2024年5月31日 BlockFiのWebがシャットダウン
  • 2024年7月 債権全額が受け取れると連絡が
    • 米国在住者はCoinbaseアカウントに分配
    • 海外剤儒者は長い時間がかかる
  • 2024年11月 バミューダ規制対応のため2025年5月15日までにKYCを行え

 

下記が、債権全額が返還されるというメール。

 

ただし、海外在住者はKYCを行え、と。

 

仕組みとしては「Persona」のeKYCを使う。

何度やっても通らないKYC

さて、日本ではとんと聞きませんが、海外ではメジャーっぽいeKYCサービスのPersona。最初にパスポートをスキャンして、次に顔写真を撮影し、さらに「住所が掲載されている書類を提出せよ」ということです。

まず最もポピュラーな免許証を撮影しました。が、機械認証のタイミングでエラー。不適切な書類と出てしまいます。何度トライしてもダメ。こりゃダメだろうなと思いながらマイナンバーカードなどでもやってみますが、こちらもダメ。どうやら英文の住所でないと通らないのではないか? とあたりをつけました。

 

では英語の住所が記された書類はどこかにないのか? 公共料金の請求書でもいいし、銀行などの書類でもいいと書かれています。だいぶ書類の制約はゆるい感じ。ただ、普通の日本人に英語で書かれた住所の書類なんてありませんね。

英文住所の公式書類を求めて

なんかいい方法はないか? と思ってXで聞いて見ると、いろいろと教えていただきました。

  • イオン銀行の残高証明書 コールセンター経由、費用は1650円
  • 新生銀行の残高証明書 フォームから新生 費用は1100円
  • クレカの海外健康保険証明書 電話で申請 費用は無料(DL)
  • GMOあおぞら銀行の残高証明書 Webで出力可能 費用は無料 ※住所は和文

イオンと新生はかなりまともな証明書のようですが、手続きがちょっと面倒なのと紙を郵送してもらうのでコストも期間もかかります。GMOあおぞら銀行はWebからPDF出力できてナイス!英文も選べるのですが、「住所は英字で記載されません」の注が。なんてこった。

もう一つ、クレジットカードの海外健康保険証明書というのが目からウロコでした。こちら海外旅行保険について海外の病院に提出する証明書なのですが、下記のWebから入力してPDFで無料出力できます。

www.smbc-card.com

ちょっと面白いのは、下記の書類のように名前も住所も英文で入力したとおりに出力されること。つまり自由な名前と住所で英文証明書の作成が可能です。

さて、もう一つ。ぼくが実際に使ったのは、住信SBIネット銀行の英文残高証明書です。こちらの何がポイントかというと、名前は自分で英文を入力することです。ここで名前の後ろに住所を入れてあげると……。

下記のように住所が付記された書類が出来上がるというわけです。なおAccout holder nameにはカタカナで口座名義人の名前が入るので、名前を詐称しても見る人が見れば分かります。

PersonaのKYC無事に通過

今回は住信SBIネット銀行に英文をちょっとハックした住所入りの証明書を使い、PersonaのKYCにトライしてみました。1回目はこれまでと同じように弾かれたのですが、2回目で無事成功。

 

なんとか残金を回収するためのKYCをクリアした次第です。なお、もう一つ提出書類としてW-8BENという書類をPDFで記入する必要があります。W-8BENとは「アメリカ合衆国における源泉徴収のための受益者の海外における地位についての証明書」で、これを提出しないと源泉徴収対象になるっぽい。海外在住者が米国の金融機関からお金を引き出すときには必須の書類のようですね。こちらもいくつかサイトをチェックして提出しました。

 

ここまで長い時間がかかりましたが、果たしてちゃんとお金は戻ってくるのか……。そもそもBlockFiのサイトは閉鎖されてしまいましたが、あずけたステーブルコインはどんな通貨で戻ってくるのでしょう。ステーブルコインの引き出しに、一銘柄あたり50ドルも手数料がかかったのですが、これがドルでの送金とかなったらいくら手数料を取られることか。まぁ少しでも戻ってくるならマシなわけですけどね。

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時価総額2兆円のTRUMPミームコインは”バブル”そのもの

仮想通貨に前向きなトランプ次期大統領ですが、当然のように自身のコインの売却も開始。80%を自身で保有して売り出すコインは、一時時価総額2兆円に達しました。ぼくは仮想通貨にポジティブですが、こうしたミームコインは良く言ってもバブルであり、利益相反であると考えています。

ミームコインとは何か

ミームコインとは

ミームコインとは、暗号通貨のことで、ミームに基づいているか、ミームと同じようにジョークとして作成されたものである。

meme coin Meaning & Origin | Slang by Dictionary.com

のことを指します。インターネットミームの代表格は、下記のDOGE。そして、このDOGEをモチーフとして作られたミームコインがDOGE COINです。

はっきり言って出発点は冗談で、技術的にも経済学的にもほとんど見るべきところはありません。発行上限も現在は無制限だそうで、論理的には価値がどんどん失われてていくはずのコインです。

TRUMPコインが急上昇

そんなミームコインの世界に新たに登場したのがTRUMPコインです。1月17日にトランプ氏が自身のSNSで発表したこのコインは、急激に価格が上昇しました。

当初0.1ドルで販売されたというTRUMPコイン、仮想通貨に前向きとされるトランプ氏自身の発行したミームコインということで、価格が急上昇。CoinMarketCapに記録されている価格でいうと、1月18日に約7ドルで取引所での取引が始まり、わずか数日で72ドルまで価格が上がりました。現在も60ドル程度で取引されています。数日で600倍。これがTRUMPコインフィーバーです。

時価総額は現在86億ドル。一時は149億ドルに達し日本円にして2.2兆円もの価値となりました。わずか2日で2.2兆円の値がつけらたコインが誕生したわけです。

 

ミームコインは現在4強という感じで、7位に元祖ミームコインのDOGEが入り、17位に柴犬をモチーフ(DOGEの柴犬ですね)のShiba Inuコイン、そして19位にTRUMPコインが入っています。

  • 7位:Dogecoin 532億ドル
  • 17位:Shiba Inu 120億ドル
  • 19位:OFFICIAL TRUMP 86億ドル
  • 25位:Pepe 66億ドル

ちなみにDOGEコインもトランプ当選の報とともに急上昇しました。↓

ミームコインはバブルそのもの

今回のTRUMPコインは、最大供給量10億枚のうち80%をトランプ氏の関連団体が保有していて、3年かけて市場に放出される計画だといいます。つまり、トランプ氏はその知名度と次期米国大統領という立場を利用して、自身の名前を関したコインを作り、2兆円あまりを無から生じさせ、人々に売っているというわけです。利益相反にも程がある資金集めです。

 

すごくポジティブに見れば、これは有名な人であれば、有名であるというだけで、コインを発行して買ってもらい、莫大な収益をあげることができる手法が生まれたということでもあります。知名度をダイレクトにお金に替えられるわけです。

 

ただし、これだけの時価総額が生まれる背景にあるのは、こうしたミームコインになんらかの価値があるということではなく、単に「もっと高く買ってくれる人がいる」という期待感からです。これはバブルの構造そのものです。

 

価値の保存手段であれ、決済手段であれ、Dappsの実行インフラとしてであれ、ビットコインを始めとしたさまざまな仮想通貨には、従来の金融ではできなかった価値の提供がありました。ところがミームコインには、まったくそうした価値がなく、無意味であることが本質的な意味となっています。

 

無価値なものにみんなが群がって、2兆円超の時価総額となる。これは確かに壮大なジョークでしょう。今をときめくイーロン・マスク氏は、ドージコインのラベルを付けた砂嵐が「グローバル金融システム」を飲み込もうとしている画像を投稿するなど、ドージのミームがお気に入りの様子。

jp.cointelegraph.com

マスク氏はトランプ政権下での新組織、政府効率化省の名称をDOGEと名付けています。マスク氏にとっては、こうしたさまざまなものもジョークの一つなのかもしれません。

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保有ビットコインの5%を売却した

久しぶりに保有ビットコインの一部を売却しました。売却単価は1535万5222円。なぜ売却したのか、売却してどうするのか。そのあたりを、今の気持ちと合わせて記録しておこうと思います。

保有ビットコインの4.8%を売却

売却したのは12月13日。保有ビットコインの4.8%です。現在コインチェックでビットコインを保有しているのですが、そこで7回程度に分けて指値注文を出し、約定させました*1

なぜ売ったのかというと、2つの理由があります。1つはあまりにビットコインの比率が大きくなってしまったのでリバランスのため。2つ目は今年も終わりということで益出しのため。それぞれ見ていきます。

クリプトの比率は17%超に

下記のチャートは、総資産に占める仮想通貨の比率の推移です。国内の最初のバブルからコインチェック事件を経た2018年3月、その比率はわずか3.8%でした。ところがビットコインが初めて700万円を超えた2021年末には15%を越えるところまで比率は上昇しました。

 

そして再びビットコイン価格が200万に近づくにつれて、クリプト比率も5%程度へ。そして今年、半減期後の上昇とトランプ再選が重なり、価格が急上昇したことで再び15%を超えてきたのです。

ちょっと面白いのは、これは仮想通貨の絶対額ではないということ。下記の通り、総資産は2018年当時から2倍以上になっていて、仮想通貨は14倍に増えているのです。

正直、2025年を見ても、仮想通貨、特にビットコインの値上がりには期待材料ばかりです。ビットコインを買いまくるMicrostrategyはNASDAQ100やS&P500への組入が取り沙汰されているし、

www.bloomberg.co.jp

ビットコインを準備資産化しようという動きは、まさかの米国で盛り上がっています。複数の国がビットコインの購入に動いており、国レベルのFOMOというすごい状況です。本当にそのように進むとはさすがに思えませんが、そんな議論が本当に出るようになったというのには驚きです。

www.bloomberg.co.jp

このように、ポジティブな材料ばかりだし実際価格は上がるでしょうが、あまりに比率が高まったアセットクラスは一部売却してリバランスしなくてはなりません。そのために、久々に売却したわけです。

最適な税率の中で売却する

2つ目の理由は利益確定です。というのも、ビットコインは総合課税雑所得で累進課税のため、一気に売却すると高い税率が課されるからです。しかし逆にいうと、少ない額なら税率も下がります。

 

下記は所得税の超過累進税率です。この表の見方は次のようになります。給与から各種控除を引いた所得が194万以下なら、そこから329万までの税率は10%+住民税10%の20%になります。

つまり、給与ー各種控除が194万円ピッタリなら、135万円分だけビットコインの利益を出しても、その税率は20%だということです。株式の税率以下でビットコインを利確するなら、このように給与などの額とにらめっこしながらいくら売るかを決めることになります。

 

ぼくは昨年の秋に退職したため、所得を年間通してコントロールできるのはこの2024年が初めてになります。そして自営業としての所得は、いろんな経費も使えるので極めて小さくできるんですね。例えば、自営業所得がゼロなら、ビットコインの税率が20%を越えるのは427万7000円からです。

 

また小規模企業共済などの所得控除は、雑所得に対しても適用になることにも注目です。つまり自営業所得ゼロで年間84万円の小規模企業共済を掛けていれば、年間511万円のビットコインを利確しても、株式と同じ税率だということになります。

 

このようにどのくらいの税率を目指すかを見据えながら、ビットコインを利確していくわけです。

 

今回は保有ビットコインの5%弱を売却して利確しましたが、このペースだと全体を利確するのに20年もかかります。また今後ビットコインがさらに値上がりしていくことを考えると30年、40年かかる可能性も高いです。そしてビットコインと同額程度のイーサリアムも持っているので、こちらも利確することを考えると相当な年月が必要になりますね。

 

DIE WITH ZEROを目指すぼくとしては、ほかの資産と足並みを揃える形でクリプトもしっかりと売却して現世の消費に使っていきたいと思います。

 

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*1:コインチェックで売るときは、決して販売所で取引してはいけません。手数料がかからない取引所で売買しましょう。コインチェックで現金化すると、日本円の出金手数料に407円もかかります。SBI VCやGMOビットコインなら無料なので、そうした取引所に移管したいところなのですが、なんと移管のコストは0.0005 BTC=7674円。これは小さくないコストです。

税額コントロールの実際 ビットコインを利確しふるさと納税する

今年2024年も残すところ1ヶ月。毎年頭を悩ます税金コントロールの季節がやってきました。今年は税金をいくら払うのか、またふるさと納税の上限額がいくらにするのか。方針を固めてアクションを実行していきたいと思います。

税金はコントロールできる

「税金はコントロールできる」なんていうと、なんだ、脱税の話? とか思うかもしれませんが、極めて合法な話です。会社員の場合、給与は決まっているし賞与を自分でコントールすることはできません。そして控除できる経費とかも「給与所得控除」って形で固定ですね。

 

ところがフリーランスのような自営業とか、法人経営者は異なります。

 

まず売上をコントロールできます。といっても「今年は売上がかなり多かったから12月はセーブしようか」とか逆に「12月で駆け込みするか」程度の話ですが、売上を増やしたり減らしたりが可能です。費用(経費)もコントロールできます。「今年は儲かったからPC買っとくか」とかですね。

 

その上で、操作できる変数はさらにあります。まずサラリーマンの場合でも使える技として、医療費控除をどうするか?です。医療費控除は家庭内の費用を合算して、誰にでもつけることができます。自分につけるのか妻につけるのかで、費用を調整できるわけです。今年は歯科矯正の費用などがあったので、軽く100万円を超えていて、このコントロールは重要です。

 

小規模企業共済の費用もコントールに使えます。年間最大84万円を控除できるのですが、なんと2025年分の年間掛け金を12月に支払えば、2024年分の控除にできるからです。まぁこちらは年間→月間の調整は少し前に締め切られてますけど。

 

法人を持っていると、特定の事業に対応していない経費について、法人Aに付けるか法人Bに付けるか個人事業に付けるかをある程度はコントロールできます。

 

投資家の場合は、収入のコントロールも可能です。最も大きいのが仮想通貨ですね。仮想通貨は売却すると含み益が確定利益になり、それが雑所得として給与などと合算されて総合課税されます。つまり、個人の所得額をいくらにするかはビットコインをいくら売るかで決められるわけです。

 

株式もそうです。源泉分離課税で個人の所得とは切り離して税払いが完結するのが基本ですが、配当控除を行ったり損益通算のために株式の利益を確定申告すると、それが個人の所得を押し上げます。

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何を目的としてコントロールするか:税率

収入も費用もある程度コントロールでき、所得を合法的に操作できることは分かりました。では、何のためにコントロールするのでしょうか。

 

一つは税率のコントロールです。日本の税制では、所得の額によって税率が変わります。中小法人の場合は、

  • 課税所得400万円以下    21.366%
  • 課税所得400〜800万円以下 23.173%
  • 課税所得800万円以上    33.583%

となっていて、400、800を超えた部分の税率はアップします*1

 

一方の個人は、このようになっていて、ここに一律10%の住民税が足されます。つまり所得900万円を越えると43%になるので、個人の所得にするよりも法人の所得にしたほうが税率が安いということです*2

また、所得が極端に少ない場合、損失の繰越も考慮すべきファクターです。法人や個人の青色申告事業部分は赤字を翌期に持ち越せます。ところが青色申告事業と合算した個人全体については、赤字という概念がなくゼロになってしまいます。つまり基礎控除や生命保険料控除、小規模企業共済等控除(iDeCo含む)が無駄になってしまう可能性があるのです。

 

そのため、法人・個人トータルで考えた場合に赤字になるなら、個人はピッタリゼロか少しプラス、法人を大きな赤字にするほうが合理的だと思っています。

何を目的としてコントロールするか:ふるさと納税

もう一つ考えておかなくてはならないのがふるさと納税です。ふるさと納税の上限金額は、個人の支払う住民税と所得税率で決まります。概算の計算式は、次のようになります。

  • 住民税額 x 0.2/(0.9-所得税率)+2000円

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ふるさと納税は、2024年の税額によって上限が決まり、さらに2024年内に寄付を済ませる必要があるので、課税所得を推測しつつ上限額までふるさと納税するというけっこうなパズルになるわけです。

2024年のぼくの具体的な解放

では実際にぼくがどんなことをしているのか。まずは売上です。

  1. 個人事業の売上を推計する(12月分は見込み)
  2. 給与所得は確定
  3. 雑所得はビットコインをいくら売るかでコントール可能

続いて経費をコントロールします。

  1. 個人事業の経費を推計(12月分は見込み)
  2. 家事按分経費を推計(12月分は見込み)
  3. 給与所得からは給与所得控除と社会保険料控除をする
  4. 雑所得からはひも付きの経費を控除する

そして3つの個人事業+給与+雑所得を合算して、さらに下記の控除を行います。

  1. 基礎控除 48万円
  2. 小規模企業共済等控除 84万円
  3. 生命保険控除 8万円
  4. iDeCo 27万6000円

すると、課税所得が出ますので、その10%が住民税*3、金額をテーブルに当てはめて所得税額を出します。合計税額を出して実効税率を計算します。

 

まずこの実効税率が法人の実効税率よりも高くなっていないかをチェックします。法人より税率が高いなら、法人につけられる費用がないか検討すべきだからです。また妻の課税所得を横目で見ながら、医療費控除をどっちにつけたほうが全体として有利かをチェックします。

 

逆に実効税率が法人の実効税率よりもあまりに低いなら、もう少し課税所得を上げることを考えます。低税率で仮想通貨の利益を確定させるチャンスだからです。そのため、ビットコイン売却益を増やしてみて、税率の変化をチェックします*4

 

ついでにふるさと納税ではない通常の寄付の控除もチェックします。寄附控除は課税所得額の40%と上限が決まっていて、さらに寄付額と所得税率によってオトクな寄附控除方法が変わるからです。

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このようにして税額を確定させたら、ふるさと納税の上限額も確定します。ちょうど今、楽天がスーパーセールをやっているので、まさにふるさと納税日和。また今日は5日なので、楽天カードのポイント4倍の日でもあります。

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このようにして、実際の確定申告前に課税所得を出して、自分で税額を計算してコントロールし、ふるさと納税までつなげるわけです。

 

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*1:400、800を越えると全部がアップするのではなく、超えた部分であることには注意。これは個人の累進課税も同じです。

*2:所得が変化すると社会保険料も変わるのでそこも考慮、と言われることがありますが、社会保険料は給与のみで決まるので、給与額を変えなければ影響はありません。

*3:正確には住民税の基礎控除は43万なので補正する。

*4:なお、これまではビットコインは売らずに益出しだけやっていましたが、あまりに資産全体に対する比率が増えたので、リバランスのために今年は少し売ろうと思っています。

1300万突破のビットコイン、その本質的価値を改めて考える

ビットコインの勢いが止まりません。一時9万ドルを超え日本円では1300万円を突破。過去最高値を更新中です。久しぶりに大ブレイクの兆しが見えてきましたが、改めて「ビットコインもとい仮想通貨には本質的な価値はあるのか?」という問いについて、考えてみます。

1300万超えて止まらないビットコイン

ビットコイン価格が止まりません。きっかけとなったのは11月5日にトランプ氏が大統領選挙に勝利したこと。仮想通貨推しを選挙期間中に宣言していたことを受けて、その期待から急上昇です。

ビットコインの本質的価値は?

こうなると再び普通の人もビットコインに注目します。そして、古くからある「仮想通貨には本質的な価値がない」議論が出てくるのです。

 

以前は金融関係者を中心に、「ビットコインはゴミ」「ビットコインには価値がない」という発言が飛び交っていたのですが、さすがにBlackrockなどの最大手運用会社がビットコインETFを組成するようになった今、仮想通貨は詐欺だ!なんていう人もかなり減った気はします。

 

それでもまだ「本質的価値」について腹落ちしている人は少ない様子。今回は僕なりに納得しているビットコインの価値について考えてみます。

日本円に価値はあるのか?

ビットコインの価値を考える上では、みんなが必死になって集めている日本円にはなぜ価値があるのかを考えるのが早道です。いったい、なぜ日本円には価値があるのでしょう。

 

モノが買える? いえビットコインだってモノは買えます。歴史が長い? もうビットコインの歴史も17年になろうとしています。17年では価値がないけど、20年なら? 50年続けば価値があるのでしょうか。みんなが持っているから? 確かにビットコインを持っている人はまだ少ないですが、日本の暗号資産口座数はこの4月時点で1000万を超えています。もはやFXなどよりメジャーな資産なわけです。

 

そうした中、多くの人は日本円の価値についてこう言うでしょう。「日本政府が保障しているから」。そう。日本円は日本政府が発行し、税金として受け取り、法律でみんなが受け取るよう強制しています。日本政府の約束こそが、日本円の価値なのです。

 

しかし日本円には致命的な欠点があります。それは日本政府(日銀)がいくらでも発行できることです。どんなものであれ供給量が増えれば価値は落ちます。ぼくは労働や運用の対価としてしか1万円を得られませがん、政府は何もしなくても1万円を無から作り出せます。そりゃあ価値が落ちるはずです。

紙幣発行による国家破綻

国家が無制限に通貨を発行することで、通貨の価値が暴落し、国家が破綻するというのが世界の通貨の歴史です。ローマ帝国では、戦争や公共事業のために財政が悪化し、支出を賄うために通貨を増発しました。この結果、貨幣の価値が急速に下落し、インフレーションが進行。物価が急騰し、経済が混乱に陥りました。

 

14世紀の中国・元(モンゴル帝国)でも、モンゴル帝国の統治下で初めて全国規模の紙幣が発行されました。しかし、財政難や戦争の負担を賄うために、無計画に紙幣が増発されるようになり、急激なインフレーションが発生しました。

 

フランスでは、無制限な通貨発行とインフレーションによる経済破綻の代表例として、1715年から1720年にかけての「ミシシッピ計画」が有名です。ルイ14世の戦争で財政難に陥ったフランス政府は、ジョン・ローに通貨改革を委ねました。ローは「バンク・ジェネラル」を通じて紙幣を発行し、「ミシシッピ会社」でフランス領ルイジアナの開発を推進しました。これにより株価が急騰してバブルが発生しますが、紙幣の大量発行によりインフレーションが進み、最終的にバブルが崩壊し、株価と紙幣の価値が暴落しました。

 

無制限な紙幣発行によるインフレーションやバブルの崩壊を繰り返したことで、各国は通貨の価値を安定させる必要性を痛感し、金本位制へと向かう道を歩み始めました。

 

金本位制は、通貨の価値を一定量の金に裏付ける制度で、政府が発行する通貨量を金の保有量に制限することで、過剰な通貨発行とインフレーションを抑えることができると考えられました。こうした制度は、まず19世紀にイギリスが採用し、その後、他国も追随しました。金本位制によって通貨の価値が国際的に安定するようになり、貿易や投資も活発化しました。

金本位制って何だろう? マネー乱造に歯止め、復権機運も(木村貴の経済の法則!)金本位制の間は、物価が安定していたことが分かる

金本位制の廃止

こうした金本位制も100年経たずに廃止されます。発端は、またしても戦争でした。お金を刷るだけで戦費が賄える誘惑に各国は耐えられず、金本位制は放棄されます。

 

第一次世界大戦が勃発すると、各国は戦費を賄うために多額の支出を必要としましたが、金本位制の下では通貨の発行が金保有量に制限されていました。そのため、戦争中に一時的に金本位制を停止し、戦後も多くの国が金本位制に戻ることができなくなりました。

 

さらに1929年の大恐慌で経済が深刻な打撃を受けたことで、各国は金融政策を通じて景気回復を図ろうとしました。しかし、金本位制の下では通貨供給を自由に調整できないため、経済政策の柔軟性が制限されました。このため、アメリカを含む多くの国は、経済を立て直すために金本位制から離脱しました。

 

このように”柔軟な経済政策”の名のもとに、人の判断で通貨供給量を調節できる仕組みが今も続いています。しかしこれは人の判断で通貨の価値を毀損できる仕組みでもあるということです。

金の本質的な価値とは

日本円の本質的な価値は、日本政府が保障しているところにありました。では、金の本質的な価値はどうでしょうか? 金の価値はどこの政府も(今は)保証していません。にもかかわらず、金は本質的な価値を持っているように見えます*1

 

その昔、錬金術という他の何かから金を生み出す技術が盛んに研究されたように、金には足りないからといって新たに作ることができないという希少性があります。金の採掘済みの量は、現在おおよそ20万トンとされています。これはオリンピックプール約4杯分にしかなりません。地球上にまだ推定で5万トンから6万トン程度の金が未採掘で残っているとされていますが、これも採掘のコストや技術的な難易度が高く、容易に手に入るわけではありません。

 

量が限られていて、かつ簡単には生み出せない(採掘できない)ことが金の本質的な価値を担保しているわけです。

アルゴリズムで規定されたビットコイン

では翻ってビットコインはどうでしょうか。ビットコインの最大にして最強の特徴は、アルゴリズムで制御され、供給量も最大2100万BTCと決まっていることです。これはどのようにしても増やせません*2。つまり、金以上に希少性が担保されているのがビットコインなわけです。

暗号資産(仮想通貨)の発行枚数と価格の関係 横軸のブロック1つが半減期。現在4回目の半減期が終わっており、これまでに約1939万枚が発行されている。これは全体の92%に相当する。最終的にすべてのビットコインが発行されるのは2140年頃の見込み

 

日本円の価値は、日本政府が保障していることにありました。ところが政府はいくらでも円の供給量を増やすことができ、つまりインフレを起こすことでその価値を下げることが可能です。というよりも、2%程度のインフレを継続的に起こそうとしています。

 

一方、どんな団体も保障していない天然資源である金は、その希少性が物理的に担保されていることに本質的な価値があります。日本円と金、どちらが長期的に価値を保存できるでしょうか? 

 

その答えを考えたとき、金以上にデジタルなアルゴリズムと暗号の力で希少性が担保されているのがビットコインです。さらに極めて巧妙な仕組みによって、かかわる人たちにとっても根幹のアルゴリズムを変更できないようにする仕組みが取られています。このデジタルゴールドとしての価値が、ビットコインの本質的な価値だといえるのではないでしょうか。

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*1:確かに産業用にも金は使われますが、その価値が金の値段を保障しているわけではないことはあきらかでしょう。

*2:もちろん、ビットコインにも開発者コミュニティがあるので、開発者とトランザクションノード運営者、そしてマイナーがすべて合意しないとアルゴリズムを変更できません。3者の直接的インセンティブは互いに相反しており、全員が納得するような変更は難しいのです。さらにビットコイン保有者は、ビットコインの根幹が変わらないこと自体が価値だと考えているため、最大供給量を増やすような変更を行ってもそれをビットコインだとは認めないでしょう。こうした4すくみの関係から、ビットコインの根幹のアルゴリズムは実質的に変更不能となっています。→こちらを参照のこと。ビットコインの予言の書 書評『ビットコインスタンダード』