CFDというちょっとマニアックな商品があります。CFDとは "contract for difference" の略で、日本語では差金決済取引と呼ばれます。FXをイメージすればだいたいあっています。株や指数、貴金属などさまざまな商品がCFDで取引されており、中でも為替を対象としたCFDをFXと呼ぶ感じです。
メリットはいくつかあります。
- レバレッジがかけられる(商品や取引所によりますが、5〜50倍程度のレバレッジが可能です)
- 買いとほぼ同様に売りから入れる
- 決済期限無期限
- (くりっく365では)為替リスクなしで海外商品を取引できる
- 取引時間が長い
- 指数投資に信託報酬不要
- 配当がもらえる
レバレッジは脊髄反射的に「危険!」と思われる方も中にはいますが、レバレッジ1倍になるように現金を口座に入れておけば、リスクは同じです。かけられないよりは、かけられるほうがいいと思います。
普通の株式では、「買う」のが普通で、「売る」ためには信用取引の仕組みを使って売るための株を借りてこなければなりません。株を借りるのは簡単ではなく、需給状況次第で借りられなかったり高い金利がかかったりします。CFDではFXと同じく売ることは特別なことではありません。
さらに信用取引では決済期限があり、期限が来たら決済しなければなりません。CFDでは、FXと同じく自動的にロールオーバーされるため、決済期限なく、ずっと持ち続けることが可能です。
海外の商品を取引するときはドル建てが多いですが、くりっく365でCFDを取引する場合は円建てでの取引になります。別途ヘッジすることなく、買わせリスクを回避できます。
取引所が空いている時間しか取引できない現物株と違い、日経225やNYダウは早朝を除くほぼ24時間取引可能ですし、DAXやFTSE100も取引時間が長いです。
NYダウやFTSE100などの指数は、通常投資信託やETFで取引をしますが、ここには信託報酬がかかります。例えばFTSE100のUBSによるETFだと、年0.2%の信託報酬です。これがCFDだとかかりません。
配当がもらえるのもCFDのメリットです。指数インデックスのETFを買うのとは違い、組込みの個別株式の配当タイミングに合わせて1日単位でもらえます。しかも、レバレッジをかけていてももらえます。つまり、配当利回り2%の商品をレバレッジ10倍で持っていたら、証拠金に対して20%分の配当が出るということです。ちなみに、売りの場合は配当相当額を支払う必要があります。
もちろん、デメリットもあります。これもFXに似ています。
- 投資先の商品によって毎日金利(オーバーナイト金利)がかかります
- レバレッジ倍率によってはロスカットもあります
- 税制が株と違い、株の損益と合算できません(FXと合算できます)
- 取引手数料は安いですが、買いと売りの価格の差、スプレッドがあります
オーバーナイト金利は、通貨を借りて商品を買う形になっているため、毎日発生します。逆に、売りポジションの場合はオーバーナイト金利をもらうことができます。くりっく365株でFTSE100を買った場合、73万円相当(1枚)に対して、月間200-400円程度の金利がかかります(2017年12月18日〜)。FTSE100については1%未満という感じでしょうか。NYダウのほうは金利が高いので注意です。
レバレッジ倍率によってロスカットがかかるのはFXならばおなじみですね。
税金については注意が必要です。FXやCFDは、「先物取引に係る雑所得等の金額」という区分けで税金を計算することになります。株との大きな違いは、特定口座などがないので源泉徴収されず確定申告必須だということ、株式損益との通算ができないこと。株に似ているのは、20%+復興特別所得税の20.315%の税率だということ、損失は3年間繰り越せるということです。
手数料に加えてスプレッドがあるのもFX同様です。このあたりはFXの経験がある方にはお馴染みでしょうが、株だけの方は戸惑うかもしれません。
主なCFD取扱業者と取扱銘柄
最後に、米国は個人から業界まで金融大国で、投資環境がたいへん整っていると言われますが、CFDには規制がかかっており、取り扱われていません。CFDを使えるのは世界でも一部の国だけであり、日本には珍しく有利なツールを使える状況だということを付記しておきます。
CFDを使ってショートできるということはイギリス、欧州、オーストラリア、シンガポール、そして日本の投資家の特権なのであって、それ以外の投資家は現物でやるしかないということです。
後ほど、CFDをどのように活用するのかの例を書きたいと思います。