前回に引き続き、銀オプションプット売りのポジションがどんな損益になったのか見ていきましょう。
まずはポジション損益からです。銀価格は16.55へとさらに0.1ドル上昇しました。結果、買い戻すためのプレミアムは-77.2ドルまで減少し、今回ポジションをクローズした場合の損益は、手数料の20ドルを払っても-1.4ドルとなりました。
グリークを見ていきましょう。デルタは前回の303XAGから142XAGへとさらに減少しました。これは銀価格が上がったことでさらにOTMになったことが影響していると考えられます。ここまでデルタが減少すると、銀価格が1上がっても、プレミアムの減少は7%(2000/142)程度ですので、だんだん銀価格の変化がプレミアムに影響しにくくなってきます。つまり、このまま銀価格が上がり続けても、プレミアムはそこまでは減少しません。
ボラタリティは昨日とほぼ変わらずです。セータは、OTMになるほど小さくなること、また満期までの日数が減るほど小さくなるため、昨日の10ドルから7ドルまで減少しました。
最後にチャートです。今回は日足にしています。振り返ってみると、価格が大きく下がったところでプットを売ったことになります。行使価格は16ドルですので、まだこのあと行使価格を下回る可能性はあります。デルタの数字を見ると、その可能性は7%と予測されているようです。
ちなみに、「ボラタリティ」と特に説明なく使っていますが、オプションにおけるボラタリティとは、IV:インプライド・ボラティリティ Implied Volatility を指します。ボラタリティとは、価格の上下変動の可能性の大きさを指すのですが、過去の変動履歴を元に計算したものをヒストリカル・ボラティリティといい、オプションの売買をしている人たちが「いまこのくらいのボラティリティが妥当だろう」と考えているボラティリティをインプライド・ボラティリティといいます。
実際には、オプションのプレミアム価格を元に、逆算して出したのがインプライド・ボラティリティです。IVを見れば、オプション参加者がボラティリティをこのくらいだと見ているというのが分かるわけです。
↓翌日のポジション状況はこちら。
↓前回までの銀オプションプット売りの経緯はこちら。