高いところに住んでいる人は、過大なリスクを取りがち。そんな研究結果が明らかになりました(The Influence of Physical Elevation in Buildings on Risk Preferences: Evidence from a Pilot and Four Field Studies)。
コンシューマー・サイコロジー・ジャーナル誌に投稿されたその内容によると、オフィスが高層階にある人ほどリスクを取りやすいといいます。ビルの一階と二階でさえ、違いが出るというから驚きです。
その理由はなんなのかという考察も興味深いものでした。
人は高さと権力とを結びつけて考える傾向があり、権力を実感するとリスクを取りやすくなることを立証した過去の調査に基づいている。
文字通り、人々を見下ろす場所に普段からいることは権力を実感するんですね。そういえば、組織図を書くときは必ず上に経営者を書きますし、ボスに相談するのは「上に相談する」となります。社長のオフィスが社員が働くフロアよりも下の階というのはまずありませんし、高層マンションでは上にいくほど値段が高くなります。
原論文をすべて読むことができなかったのですが、高層階に住むとリスクも増える、つまり因果関係があるのではなくて、相関関係があるということのようです。リスクを取りがちな人のほうが収入が多く、だから高層階に住んでいるということもあり得ます。高いリスクを取る人のほうが、権力を握りやすいということもあるかもしれません。もちろん、それは生存バイアスの可能性もあります。
とはいえ、自分のオフィスが何階にあって、自宅が何階にあるのかは、冷静に考えてもいいかも。他人よりも高いリスクをとっているかもしれませんので。