「サラリーマンを趣味にする」。なんて魅力的な言葉でしょう。
最近読んだ『 トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』に出てくる言葉です。
お金をためて資産運用をし、生活に必要な額は投資から得られるようにする。その上で、趣味としてサラリーマンをする。そういう話です。
先日、会社の役職を降りて実質的にセミリタイアすることにしたという話を書きました。で、セミリタイアって会社も辞めるのが普通では? と思う人もいるかもしれません。ただ、自分のやりたいことがサラリーマンで実現できるなら、そのままサラリーマンを続けるのもありです。
サラリーマンを続けるメリットはいくつかあります。まず仲間たちとチームを組んで仕事ができるということです。チームで動くことの好き嫌いはありますが、僕の場合は周りに雑談ができる仲間がいることは大きな魅力です。基本的に一人で動く仕事でも、いざというときに周りのサポートを受けられるかどうかは重要です。
オフィスや会議室が無償で提供されるというのもメリットです。自分のオフィスを持ちたければ、別に持っても構わないでしょう。ただ、会社によってはなかなかいいオフィスを提供してくれます。
会社の看板を使って仕事ができるのも大きなポイントです。個人や中小企業とは、アクセスできる先が違い、先方の対応も変わってきます。
福利厚生も意外に重要です。401kや社会保険などは会社側が半分出してくれるわけで、完全にサラリーマンを辞めてしまうとかなりの負担があります。人間ドックや保養所なども魅力です。
あれ、ならなんでセミリタイアするの? そのまま働いていればいいじゃん? と思うかもしれません。会社の必要なリソースは使わせてもらうけど、社畜的労働はしませんよ、という違いです。
基本的に会社員は、会社が求める数値目標やノルマを達成しようと頑張るから辛いのです。上司とのコミュニケーションがたいへんなのも、部下とのコミュニケーションが面倒なのも、この「計画達成に向けてみんなで頑張ろう!」というところにあります。だから、計画達成を自分だけは意識せず、できるところまではやる、無理はしないというのが一つのポイントです。
このようなスタンスだと、出世も望めなければ昇給も厳しくなります。賞与査定も落ちるでしょう。場合によっては給料が減るかもしれません。
「それでもいいよね」というのが、いまのぼくのスタンスです。だって、サラリーマンをしているのは趣味なんですから。
趣味では無理はしません。面白くて楽しくて、寝食を忘れて没頭してしまうこともあるでしょう。でも、誰かに指示されたり、与えられた目標を達成するために何かをするのは趣味じゃありませんよね。自分の内面からの衝動に従って、動くのが趣味です。
幸い、いまの職場は裁量を与え自由にのびのびとやらせる風土があります。AIに代替されるような仕事ならともかく、クリエイティビティが必要な仕事では、ガチガチな管理よりも遊ぶように働いたほうがパフォーマンスが出るものです。そういった考え方が、ある程度根付いています。だからこそ、趣味としてサラリーマンができる環境なのかもしれません。
もちろん、今後、ガチガチに管理するような会社に変わっていったら、改めて趣味でサラリーマンができるような会社に転職するか、会社勤めを辞めてしまうかもしれませんけど。