FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

オプションを使って指値売りや指値買いで、約定するまでの時間を利益に変える

「ここまで安くなったら買いたい」とか「ここまで高くなったら売りたい」といった、指値注文があります。当然、思ったように値段が動かなかった場合は買えない/売れないで終わるわけですが、実は買えなかったり売れなかったりした場合も、それを利益に変える方法があります。

プット売りは「指値買い」と同じで、追加のプレミアムがもらえる

指値買いは、例えば「15.5ドルまで下がったら買いたい」という注文ですね。15.5ドルまで値が下がらなければ、買えません。利益も損もありません。

 

ところが、単純な指値買いの代わりに、「15.5ドル権利行使のプットオプション」を売れば、買えなかった場合でもプレミアムと呼ばれる金額をもらうことができます。プットオプションというのは、「ある価格で購入する権利」のことです。これを売るということは、「ある金額になったら買います」という宣言に対して、前金をもらうということです。

  • 15.5ドル以下に下がった 15.5ドルで購入+プレミアム受け取り
  • 15.5ドル以下にならなかった プレミアムを受け取って終わり

一般に、オプションの売りは「危険」と言われています。利益はプレミアムで固定なのに、損失は青天井*1だからです。ただし、もともとその値段で買うつもりならば、リスクはたいへん限定的になります。さらに、追加で売ったオプションのプレミアムも受け取れます。

 

15.5ドルで買うという指値のつもりなので、当然買うための現金=キャッシュは用意しているはずです。このように、いざというときのためのキャッシュを確保した上でプットを売る方法を、「キャッシュ・セキュアード・プット売り」=CSPといいます*2

kuzyo.hatenablog.com

 

カバードコール(コール売り)は「指値売り」と同じで、追加のプレミアムがもらえる

逆に、現物を持っていて「17ドルまで上がったら売りたい」と注文するのが指値売りですね。17ドルまで上がれば売れますし、上がらなければ売れません。

 

こちらも、「17ドルのコールオプション」を売れば、売れなかった場合でもプレミアムをもらうことができます。コールオプションというのは、「ある価格で売却する権利」のことです。これを売るということは、「ある金額になったら売ります」という宣言に対して、前金をもらうということです。

 

もしその金額になったときに現物を持っていればそれを渡して終わりです。現物がなければ、その金額で購入して渡さなければいけません。

  • 17ドル以上に上がった 17ドルで現物売却+プレミアム受け取り
  • 17ドル以上にならなかった プレミアムを受け取って終わり

構造としては、CSPと同じですね。コールを売るときも、固定的な利益となるプレミアムに対して、損失は青天井です。例えば、100ドルまで上昇してしまったら、100ドルでそれを購入して渡さなければいけません。

 

ただし、現物を持っていればどんなに価格が上昇してもそれを渡せばすみます。このように、現物とコール売りを組み合わせた方法を、「カバード・コール」=CCWと言います。

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kuzyo.hatenablog.com

 

オプションを売れる銘柄と取引所は限られる

このように、指値買いや指値売りを追加利益に変えられるオプションですが、取引できる銘柄と取引所は限られています。米国の証券取引所(インタラクティブ・ブローカーズ証券など)では、個別の株のオプションも取り扱っていますが、国内の取引所で個別株のオプションはたいへん限定的です。

 

www.jpx.co.jp

サクソバンク証券では、金や銀の貴金属オプションのほか、通貨のオプションも取り扱っています。なお、国内でも取扱の多いバイナリーオプションではなく、これらはバニラオプション*3と呼ばれます。

www.home.saxo

 

【先日も、CSPとして銀オプションを売りました。年率に換算すると50%超のリターンとなります】

kuzyo.hatenablog.com

 

*1:正確には売りの場合は原資産の価格ゼロのときが最大損失

*2:また指値買いの代わりにオプションを売ることを「ターゲットバイイング」とも言います

*3:バニラとはトッピングのない、プレーンなという意味らしい