普通、雑所得は「最悪の税金」だと言われています。総合課税の累進課税で、給与所得などと通算ができず、損失の繰越もできないからです。ただし、利点が1つだけあります。法人ほどではありませんが、雑所得を得るためにかかった経費は控除できるという点です。
- 何が雑所得の経費になるのか
- パソコン、スマホ代は雑所得の経費に
- 交通費だって経費にできる
- 図書費はけっこういける
- 家賃地代は果たしていけるのか?
- 複数の雑所得の収入と経費は合算できる
- 今年の雑所得をどうするか考える
何が雑所得の経費になるのか
給与所得の場合、基礎控除以外の経費はまず認められません。株式についてもほぼ経費は無理と思っていいでしょう。となると、個人の場合は経費化しようがあるのか? というところですが、雑所得はやりようがあります。
基本的には、その収入を得るためにかかった支出を経費にできます。そのため、下記のようなものが経費化できると一般に言われています。
- パソコン代
- スマホ代
- 交通費
- 図書費
- 家賃地代
- その他
パソコン、スマホ代は雑所得の経費に
雑所得の種類にもよりますが、パソコンやスマホ代は経費化可能です。例えば仮想通貨は雑所得ですが、当然この取引にはパソコンやスマホが必要です。ということで経費化です。
ただ、取引をほとんどしていなかったり、プライベートと共用の場合は、認められなかったり、家事按分といってプライベート5割、仮想通貨5割など、按分する必要が出てくるでしょう。
また10万円以内なら一括でコストとして計上できますが、以上だと固定資産になるのに注意です。新品iPhoneは10万円超えで危険ですね。
交通費だって経費にできる
仮想通貨や貸株の収入に対して、交通費を経費化するのはたいへんだと思います。が、例えばセミナー講演の謝礼などは当然交通費を経費化できます。ブログ執筆のために移動が発生した場合は、それを交通費として経費化できそうですが、必然性がなければ厳しいでしょう。
ぼくの場合は、自家用車を法人に貸し出して収入を得ていますので、自動車の維持費用が経費になります。もちろん、自家用車なので費用全額ではなく按分しています。
図書費はけっこういける
図書費はけっこういけるでしょう。ブログ執筆のために必要だからです。ただしぼくの法人は、金融商品取引も定款に入れているので、けっこうな図書費は法人の経費としています。
実はそこまで図書費ってかかっていないんですね。
家賃地代は果たしていけるのか?
法人ならば、家賃を按分して事務所費用として計上するのは問題ないのですが、雑所得の経費としては悩むところです。一般常識として難しいでしょう、という声と、家賃や通信費も按分してください、という声の両方を聞きます。このあたりは一つのカベですね。
家賃や光熱費、通信費は額がそもそも大きいので、仮に10%でも経費化できればかなり大きくなります。次回の確定申告では、ちょっと入れてみようかなと思ったりしています。
複数の雑所得の収入と経費は合算できる
雑所得は他の所得との通算ができないというデメリットがありますが、逆にいうと雑所得内なら複数の所得と経費を合算できます。つまり、下記のような計算です。
- 雑所得A 収入10万 経費2万
- 雑所得B 収入2万 経費10万
- 合算 収入12万 経費12万
仮想通貨や貸株、ソーシャルレンディングなどで収入が増加する場合、ブログ側で収入を超える経費があっても無駄にならないということですね。
実態のあまりない副業で大量の経費を使い、それを事業所得として給与所得と合算する……という技が話題になることがありました。これは税務署が何も言ってこなかったとしても、まぁお目溢しでしょう。
でも、雑所得の合算は、特に否認されるようなポイントはないように思います。ブログ側で収入がゼロなら微妙ですが、収入も発生しているわけですし。
今年の雑所得をどうするか考える
というわけで、今年の雑所得の考え方です。まず、どのくらいの経費を使うかざっくり計算します。そして収入を計算します。プラスになるようなら、法人につけるつもりだった経費を、上記の範囲で個人に回すのがいいですね。
逆に、大きくマイナスになるようなら、法人への自動車の貸付などで雑所得を作るのも検討です。ただし、当然ですが、こうした雑所得の額が一定でなく、理由もなく変化しているようだと、調整していると思われてアウトでしょう。将来を見通した額にしておくのが重要ですね。