先日、優待クロスしたラウンドワンの株主説明会に行ってきました。大阪の会社なので株主総会も大阪(22日)。でも、その後に東京と大阪で別途株主説明会を開催しています。しっかり株主への説明責任を果たそうとするあたり、いい会社ですね。
2割程度はプレゼント目当て
有楽町で開催された株主説明会ですが、参加すると通知封筒と引き換えに500円割引券を追加で8枚プレゼントです。これを目当てに来ている人が、だいたい2割くらい。説明の最中でしたが、配布が始まるとさっさとプレゼントをもらって帰っていました。
郵送されてくる通常の優待は、クラブ会員入会券1枚+500円割引券5枚、レッスン優待券1枚です(100株主)。そこに追加で4000円相当の割引券ですから、さすがにみんなもらいたくなりますよね。
会場大混雑
ただ、会場は大混雑で、開始時間ちょうどに到着したのですが座る席ゼロ。通路や入口付近まで人が溢れていました。人気の具合がわかります。
ボウリングなどアミューズメント業界はまったくの門外漢なのですが、現社長の杉野氏は、ほぼ創業社長なんですね。質問に対する返答も的確明確で、力のある社長だということがわかりました。
思ったとおり、ボウリング業界は衰退産業で、利用者もどんどん減っています。小さいときに経験したことがなければ、大きくなってもボウリングはやらないということで、小中学生無料キャンペーンなども行っているようです。
国内では全都道府県に展開しているラウンドワンですが、国内だけでは固有の地域リスクに対応できないということで、米国へ展開中。数年後には、日本と米国での売り上げを半々にしたいということでした。さらに、中国、ロシア、他のアジア圏への展開を考えているということです。
数字として面白かったのは下記の通り。
- 営業利益率11%
- ボウリング場1つの年間売り上げ高は、約10億円
- 人口100万人に対して1件が適正(日本では約100件を運営)
- ロシアは日本の人口よりも多い
- モスクワとサンクトペテルブルクがそれぞれ2000万人都市なので、20件ずつは作れそう
- 米国の競合は、飲食提供が多く売り上げの半分が飲食(米国ラウンドワンでは3割程度)
- 土日の売り上げと、平日の売り上げがだいたい半々
- 大阪のラウンドワン旗艦店(売り上げ30億)では、3割が外国人客
- ボウリング施設メーカーが新しい機械を作らなくなったので、自社で開発
- アーケードゲームメーカーも作らなくなるかもしれないので、自社開発を進める
衰退業界の大手大企業の魅力と懸念
ざっと決算書の説明なども聞いて感じたのは、衰退業界の魅力と懸念です。国内市場がシュリンクするなか、海外展開なども模索し、徐々にではありますが売上高も増やしてきています。利益も安定して出していますね。
規制産業でもないので、大きく落ち込むというリスクはないでしょうが、人口減とライフスタイルの変化には逆らえないという感じです。原発事故1回で致命的な状況に追い込まれた電力業界や、低金利と人口減のダブルパンチで苦境の地銀業界などに比べると、まだ安定しているとは思います。
一方で、大きな業績の伸びはなかなか期待できないのも事実です。ライフスタイルの変化に対応するのはそうそう簡単ではないということがよく分かります。これは自動車業界もそうですね。
一方で、IT関係業界は、うまくいけばものすごい成長を果たせますが、競争が激しく、脱落するとみるも無残な状態になります。働く場として、また株主として、どちらのほうが魅力的なのか、ちょっと考えさせられました。