FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

WealthNavi夏のキャンペーンは年率5%の効果

ロボアドバイザー大手のWealthNaviが「夏のボーナスキャンペーン」を実施しています。入金額に応じて現金がプレゼントされるというもので、最大でリターンは0.8%を超えます。期間は7月31日までとなります。

 

入金からプレゼント回収まで最低2ヶ月間必要なのでえ、年率換算すると5%程度の利回りになります。これはどのくらい魅力的なのか、チェックしてみます。

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預け入れ金額に応じて変わるプレゼント額

今回のプレゼントは、預け入れ額によってプレゼント額が変わります。最小の20万円だと1000円(0.5%)プレゼント、最大の2000万円超だと10万円(0.42%)プレゼントです。

 

いくら入金するのが最も効率がよいか、まとめてみました。なおWealthNaviは預入金額の年率1%相当額を手数料として徴収します。その2ヶ月分を引いて計算しています。

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単純に利回りで見ると、150万円を預け入れる(プレゼント1万4000円)のが最もリターンが高いという計算です。手数料引き後の年換算利回りで見ると5.1%に達します。また、300万円までは比較的利回りが維持されていることも分かります。

 

ただし、絶対額も考える必要があります。20万円入金でも利回りは0.42%ありますが、もらえるプレゼントはわずか1000円です。できるだけ大きな額のほうが、当然もらえるプレゼントも多くなります。

WealthNaviはノーリスクではない

もう一つ考慮しなくてはいけないのは、WealthNaviはノーリスクの投資ではないということです。質問に応じてポートフォリオを組み、米ETFに分散投資します。買い付け手数料などは、WealthNaviに払う1%に含まれているので考慮不要ですが、価格が上下するため、元本割れの可能性もあります。

 

積立投資なしの場合の円建てリターン実績は下記の通りです。最もリスク許容度の低い「1」の場合で、過去1ヶ月で▲2.1%だったことが分かります。なお、ボラティリティは7.9%でした。

 

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価格変動が正規分布する前提で変動率を表すのがボラティリティです。数字は標準偏差(σ)です。現在の価格から1σ上下する確率は約68%、2σだと95%に収まることになります。

 

普通ボラティリティは年率で表します。統計的には、期間がn倍になったときボラティリティは√n倍になるとされています。逆に期間がn分の1になったときは√nで割ればいいわけです。今回は、2ヶ月間なので√6 で、年率ボラティリティを割ってみます。

 

√6は約2.45なので、リスク許容度1のボラティリティ7.9%を割ると3.22となります。つまり、65%の確率で3.2%のダウンに収まり、95%の確率で6.4%のダウンに収まるということです。最悪、2ヶ月間で6.4%のダウンはあり得るという意味でもあります。

ドル建てのほうが低リスク

上記のリターン実績やボラティリティは円建てのものです。実はドル建てだとリターンも向上し、ボラティリティも低いという傾向にあります。つまり、為替リスクの影響が大きいということです。

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上記のリスク水準は、実績ではなく計算から導き出したボラティリティですが、5%まで減少しています。2ヶ月間のσを出すと約2%です。リスクの低下が見て取れます。

 

同額をFXなどを使ってショートすることで、為替リスクをヘッジすることもできます。しかし、その場合、為替ヘッジコストが重く、リターンを大きく毀損します。ヘッジコストはFXを使っても年率で2%前後かかるからです。

ちょっと悩むキャンペーン

さてこうした数字をまとめると、ちょっと悩むキャンペーンです。年率換算で約5%のリターンは得られそうです。期間中のリターンでいうと、0.85%程度です。

 

一方で、期間中、最悪の場合は6.4%のダウンの可能性があります。為替ヘッジすると約4%ダウンですが、確実にかかるヘッジコスト2%は有利ではありません。

 

相場観でいうと、米国株は史上最高値となっていますが、景気後退に入る可能性は高く、かろじてFedの利下げ期待によってふんばっている状況だと見ています。利下げが期待したほどではないだけで、一気に調整に入る可能性があります。このタイミングで米国ETFに投資するのは勇気がいります。

 

一方で、調整に入って大きく下がったタイミングであれば、このキャンペーンにトライするのもありかと。7月末の状況で株価が下がっていたら投資を検討したいと思います。