FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

ロンパチ、ロンフィク FXの時間帯 書評『ロンドンFX』

FX関係の書籍というと、チャートを見てどこが買いのタイミングだとかそういうものが多くて敬遠していたのですが、ふと手に取った『ロンドンFX』が濃い内容のいい本でした。 

松崎美子のロンドンFX (金融の聖地で30年暮らしてわかった 日本人が知らない為替の真実)
 

ファンダメンタルズでFX

本書は、ファンダメンタルズでFX取引をするという元トレーダー、現役FX個人トレーダーの方の著書です。ブログ「ロンドンFX」でも知られています。

 

先日のFRBパルエル議長の言動は、株価、債券価格、特にVIXには大きな影響を及ぼしましたが、こうした金利変動が最も影響するのが為替です。こうした各国の政策をもとに、大きなトレンドを踏まえてFX取引するのがファンダメンタルズです。

 

まさに経済そのものというダイナミクスにもひかれましたが、ちょっと面白かったのが、株の中心はニューヨークだが、為替の中心はロンドンだということ。だから、もろもろはロンドン時間で動くのです。

ロンドン時間のロンパチとロンフィク

FXは、月曜の朝から24時間、土日を除いて常にどこかの市場が開いており、取引されているのは有名です。でも、中心がロンドンなので、ロンドンの時間帯で見ると、どこで取引が盛んになるのかも分かります。

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以下、本書から要点を抜粋します。

日本時間16時(冬時間17時)からの3時間

 ロンドンの始まり。ロンパチ。流動性の厚い欧州市場に、待っていた玉が流れ込む。大きく動く

日本時間21時30分(冬時間22時30分)からの1時間

 ロンドントレーダーがランチを終え、米国の経済指標発表がある。米国も朝ミーティング終えて元気。ロンドンと米国の両方が開いており、最もFX取引が盛んな時間帯です。

日本時間23時(冬時間25時)前後

ロンドンの16時でロンドン・フィックス。東京市場の9時55分の仲値発表と同様の役割。仲値に向けた値動きやポジション調整が入る。 

日本時間7時〜9時

 NY市場の終わり〜東京の開始。落ち着く市場。

仲値発表の世界版、ロンドン・フィックス(ロンフィク)

仲値とは、銀行が通貨取引をする際の基準レートです。常に為替レートは動きますが、それでは取引がやりにくいので、主に実需向けに1日のレートを固定するために発表されます。いわゆるTTM(Telegraphic Transfer Middle rate)です。

 

このTTM(仲値)をもとに、外貨を買うときのレートであるTTSや、外貨を売るときのレートTTBが決まります。銀行で両替をしたり、外貨預金をするとき、輸出入取引、クレジットカードの外貨決済のときにはこのレートを使うことが多いですね。

 

日本では、このTTM(仲値)は朝9時55分に決まり、10時に発表されます。

 

ところが、世界中で使われるドルの仲値は、ロンドンの16時に決まります。これをロンドン・フィックス(ロンフィク)といいます。例えば、金のドル建て価格などはこのときのドルレートで決まるそうです。

 

そのため、為替が大きく動くのだとか。

 

ボラティリティを取りにいくならこういったタイミング。逆に、アーブポジションを取るときには、こうした時間帯を避けるのがいいですね。

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