FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

ブログの目的は、金融資産か人的資本か社会資本か 『幸福の資本論』から

なぜブログを書くのか、は人によって全く理由が違うと思います。が、それがお金儲けのためなのか、知識欲のためなのか、ファンづくりのためなのかで分けて、考えるとしっくり来ます。

 

ほえタコ氏のブログにあったように、金融資産か人的資本か社会資本か、これらはトレードオフの関係にあって、どれを優先するかで方針が変わるからです。

hoetako.com

知識のアウトプット=人的資本

ぼくの場合は、ほえタコ氏と同様、完全に知識をアウトプットする「人的資本」の最大化が目的ですね。何かを調べたらり本を読んだりしたとき、それをアウトプットすることで知識は整理され、自分の中で疑問点も解消していきます。

 

あいまいな知識が、実践+ブログ執筆によって身についていく感じです。

 

一応、ブログにはアドセンス広告も貼っていますが、これも「アドセンスってどんな感じでどのくらいの収益になるんだろう?」という知的好奇心がメインで、アドセンスの売上のためにブログコンテンツを作ろう、というつもりはありません

 

書籍を紹介するときに、Amazonのアフィリエイトリンクも設置していますが、これもアフィリエイト収益を増やすためではなく、利便性の提供と、多少の売上があるとうれしいな、くらいのものです。

 

また、投資仲間が増えるといいなぁとは思っていますが、自分のファンをここで増やしてなにかしよう……とも思っていません。

 

橘玲氏の「3つの資本」 

この金融資産か人的資本か社会資本かという考え方は、ほえタコ氏も書いているように橘玲氏の『幸福の「資本」論』に出てくるものです。

幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」

幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」

 

この本は、人にとっての資本を、金融資産/人的資本/社会資本の3つに分けて分析します。書名の印象とは違い、実は資産運用についての話はあまり出てきません。というより、生き方、働き方について、貴重な見方を提供してくれる本です。

 

たとえば、労働とはなにかという考え方です。日本には「サラリーマン」という不思議な職業がありますが、欧米ではバックオフィスかスペシャリストかクリエイターという職種しかありません。

私たちの働き方は「労働とみなす」「キャリアとみなす」「天職とみなす」のいずれかに当てはまるといいます。奇しくもこれは、バックオフィス(マックジョブ)、スペシャリスト、クリエイターという分類にぴったり当てはまります。

というのも、面白い見方です。仕事を「労働とみなす」人は、要するに金のために働いています。「天職とみなす」人は、自分を成長させるものとして仕事を捉え、さらなる収入や社会的ステータスの向上のために働きます。そして「天職とみなす」人は、お金や出世のためではなく楽しいから働いているというわけです。

 

このバックオフィス、スペシャリスト、クリエイターのどれが優れていて、どれがダメという話ではありません。著者がいうように、クリエイターは当たれば膨大な富と名声を手にしますが、大半は鳴かず飛ばずです。スペシャリストは高給で安定していますが、強いストレスがかかります。バックオフィスは安月給ですが、仕事や人間関係で悩むことはありません。

 

ちなみに、経済的独立さえ手にしてしまえば、お金のことを気にせずに、クリエイターとして仕事をするという選択が可能になります。楽しいから仕事をするというわけです。 

お金とテクノロジーで「悟り」を開く

もう一つ、面白かったところを。

究極のソロ充は、恋人や家族とのつながりを捨てる代わりに人間関係が生み出す面倒なこと=煩悩から自由になるわけですから、これは仏教の悟りと同じです。欧米や日本のような先進国では、ゆたかさ(お金)とテクノロジーによって、 いっさいの修行なしに誰でも「悟り」の境地に達することができるようになったのです。

 3つの資本のうちの社会資本は、イコール人間関係です。現代以前には社会資本なしの生活というのはなかなか想像がつきにくかったものですが、現代ではお金とテクノロジーによって社会資本ゼロでも生きていけます。

 

それはつまり、仏教でいう「悟り」の境地だというのです。最近、悟りはニーチェの超人思想に近いように感じているのですが、それがお金とテクノロジーで実現できるものだとしたら、これはまた興味深いものです。