投資でセミリタイアする九条日記

セミリタイアを実現したサラリーマン。ETF投資を中心に、太陽光投資や不動産投資、オプション、VIX、FX、CFDまで使って資産運用をしています。

制度信用を使った配当差額取りをやってみた FPG【7148】

以前、制度信用の配当落調整金にはカラクリがあり、うまく使えば配当の一部タダ取りができるのではないか? という記事を書きました。今回、それを実践してみたので紹介します。

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株価変動の影響なしに、配当の12%を入手する

 前回書いたように、制度信用の配当調整金は、一般信用と違い、配当額から所得税源泉徴収相当額を引いたものになります。つまり、15.315%少なくなります。そのため、現物を持って配当を全額もらい、制度信用で売りを建てて配当落調整金を支払うが、調整金は15.315%少ないので、その分が利益になるという目論見です。

 

ポジションは、下記のクロスになります。権利確定日の26日に約定させて、権利落ち日の27日に現引きでポジションをクローズします。

  • 配当落調整金:配当額−所得税源泉徴収相当額(15.315%) を支払い
  • 現物買い 配当金を取得

FGP(7148)で具体的に考える

 今回、銘柄はFPGで具体的に考えてみます。この方法のポイントは、年間配当利回りではなく、9月末の1回の配当額の大きさに着目することです。株価に対して9月末の配当額が大きい銘柄がないか? それをみたところ出てきたのがFPGです。

 

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9月に配当のある高配当銘柄というと日産自動車などが有名ですが、減配の上、年2回の配当なので9月の配当だけをみると少なくなります。明和産業(8103)の配当利回りがすごいことになっていますが、今回これまで0円だった中間配当を、期末の4倍近い44円に一気に上げたためです。急激な変化なので、需給関係も変化しているはずで、ちょっと怖いので、この銘柄は外します。

 

となると、FPGです。そもそも配当利回りが高いだけでなく、配当金は9月の期末に一回だけ出ます。過去の配当も安定しており、これは狙ってみる価値があるかなと思いました。

 

時価総額が高く、一部の需給で貸株が払底するということもなさそうなのもポイントです。また、一部の証券会社では25日夜の段階で、まだ一般信用の売在庫が残っていました。FPGはそこそこお得な優待も出していますが、一般信用在庫がある状態なら優待狙いの信用売りはそっちに行くようにも思います。

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利益はどれだけ得られるか?

一株あたり予想配当が53円と出ていて、100株で5300円の配当となります。

  • 配当調整金 5300 x (1-15.315%) 4489円の支払い
  • 配当金 5300円の収入
  • 差額 811円

当初、配当金に対して20.315%の所得税が源泉税として取られますが、配当調整金支払いがあるので、合算されると、税金の払いすぎとなり、その分が戻ってきます。実質的には811円に対して20.315%の税金が取られることになります。

 

これは利回りに換算すると、0.71%(税前)。2日間の取引の成果としては、悪くないようにも思いました。 

 

どのようなコストがかかるのか?

コストは、現物買いについては、いちにち信用(楽天証券)からの現引きで無料。信用売りについては、通常378円(楽天証券)ですが、幸いなことに大口優遇を取っているので無料です。というわけで実質的にかかるコストは、年率1.1%の貸株料になります。1日だと、100万円あたり30.13円。

 

日数は、新規に建てたポジションの受け渡し日(約定+2日)から、決済したポジションの受け渡し日(決済+2)までの日数になります。9月末に場合、26日約定なので30日受け渡し、決済は27日なので10月1日受け渡しです。土日をまたがないので両端を入れて2日となります。つまり100万円あたり60.26円ですね。

 

100株あたりで計算すると、1日3.43円。2日で6.86円です。この貸株料というコストは、ほぼ誤差です。 

最大の問題、逆日歩

さて問題は逆日歩です。制度信用の場合、一般信用とは異なり、売りに対して逆日歩がかかるからです。逆日歩日数は、貸株料と同じ日数計算になりますが、両端を入れるのではなく片側だけなので、9月末の場合は1日になります。

 

FPGの日証金規制は、9月25日時点ではなし。株価は1135円、100株単位なので最高両立は2.4円なります。100株で240円ですね。権利付き銘柄なので、自動的にその4倍の960円になります。「注意喚起」が入るとさらに倍ですが、いまのところなさそう。ということは、900株=102万1500円に対して、最大で8640円の逆日歩が付く可能性があります。

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100株あたりの利益が811円、最大逆日歩が960円+貸株料という計算です。最大逆日歩はあくまで「最大」の逆日歩で、オークションの結果、ここまでいかない可能性があります。もし最大まで上がったとしても、100株あたりの損失は149円。これなら大やけどはしません。

 

逆日歩の可能性は?

まずはFPGの過去の逆日歩です。「株主優待を極める」によると、2010年からの過去9年で逆日々が付いた日はありません。また、直近5日間も逆日歩はついていません。

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逆日歩がどうなるかの見方はいろいろですが、日興証券の「逆日歩予報」を見てみました。

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それによると、やはり優待ファクターが高めに出ていますね。そして逆日歩発生確率は24%です。低い?のでしょうか。逆日歩株価比は、

「ある日に当該銘柄のポジションを持ち越した場合、その建玉の評価額に対して何%のコストが発生するか」を把握するための指標

となっています。つまり100株=11万3500円に対して、0.045%、つまり51円のコストを想定する必要があるということになります。100株あたり利益811円に対して、

  • 最良シナリオ 逆日歩0
  • 日興逆日歩予報 逆日歩51円
  • 最大逆日歩 逆日歩960円

ということになります。

 

ちなみに優待拡大を発表して人気のトリドール(3397)の逆日歩予報は下記のようになっています。さすがに発生確率は98%。ただし逆日歩株価比が0.391%ということなので、1011.5円の逆日歩(100株あたり)を予想しているということになります。優待価値よりは小さいが、配当額よりは大きい逆日歩ですね。

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 日証金.comによると、FPGの売残に対する買残の比率を示す貸借倍率も、25日時点で12.55倍。かなりの買残があり、売り不足による逆日歩の可能性は低そうです。 

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というわけで、26日約定のタイミングで、このポジションを建ててみました。逆日歩がつかなければ成功ということになりそうです。