FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

マネフォで法人決算のために記帳した経費を精算処理

2018年に設立した第2法人の初年度決算の時期になりました。今回は経費処理として、マネーフォワードMEを活用してきたので、そのやり方をメモしておきます。前回の方法よりも、少々アップグレードしました。

 

www.kuzyofire.com

 

日々の入力について

まず、日々の家計簿と同時に法人の経費入力もしておきます。やり方はこうです。マネーフォワードMEを使うと、クレジットカードや電子マネーの決済を自動的に取り込んで、記帳してくれます。

 

このとき、「これは法人としての活動なので経費だね」というときは、メモ欄に「法人」と記入しておくのです。記入と併せて、領収書をファイルしておきます。

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タイミングとしては2パターンあって、現金で支払ったときは手動入力とともに、メモに【法人】と記入します。また、キャッシュレス決済データをあとから取り込んだときは、領収書をファイリングするとともに、メモ欄に【法人】と追記しておきます。

 

日々の入力はこれだけです。

入力データをダウンロードする

さて、マネーフォワードMEは単なる家計簿なので、このままでは法人の決算に使えません。そこで、PC版のマネフォにアクセスします。

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家計タブを開くと、「月次収支」がまとまっています。ここにあるのは、法人の経費だけではなく、個人の家計支出も含まれていますので、そのままでは使えません。ページの末尾にいくと、「家計簿データの主力」欄があります。残念ながら、この機能を使うにはプレミアム登録が必須なので、必要経費としてお金を払いましょう。

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 ここからデータをダウンロードし、Googleスプレッドシート(Excelでも可)にコピーします。

Googleスプレッドシートで加工

データをそのまま貼り付けたのが下記の表になります。色付きセルの「法人フラグ」はちょっと操作した結果なので、あとで解説します。

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このデータのカラムをそれぞれ解説すると、

  • 計算対象 1はそのまま支出や収入。0は銀行口座→カード支払いなどなので、まずこの0をフィルタして表示から消します。また手動で計算から除外したもの(ATMから下ろした現金など)も0になっています
  • 日付 日付はそのまま日付です
  • 内容 ここには、キャッシュレス決済の場合に決済データからマネフォが取り込んで決済先店舗名や商品名などが記載されています
  • 金額 これはそのまま金額ですね
  • 保有金融機関 は、どんな手段で決済されたかを示しています
  • 大項目/中項目 は、マネフォが自動で仕訳した費目になります。ユーザー側で調整すると、ある程度は学習して以降自動反映されるものです
  • メモ ここに、【法人】と手入力しておくことで、あとから法人データを抜き出します
  • 振替  クレカから電子マネーにチャージした金額などは、振替が1となっています。ここも基本的にはフィルタで0を表示から消します

法人経費のみの抜き出し

加工のポイントは2点あります。一つは、各支払データから法人経費のみを抜き出すこと。もう一つは費目を法人決算向けに変更することです。

 

法人経費の抜き出しは、下記のような関数を使いました。あんまりスマートではありませんが、まぁ動いているのでヨシとします。

 

=iferror(match("*【法人】*",C1224:H1224,0),0)+iferror(match("*法人カード名*",C1224:H1224,0),0)+iferror(match("*法人銀行口座名*",C1224:H1224,0),0)

 

経費データ全体の中から、【法人】が含まれる場合は正の整数を返し、また法人カード名が含まれる場合や、法人の銀行口座が含まれる場合は、同じく正の整数を返してそれを足し合わせます。結果、いずれか法人に関わるレコードについては正の数字が入ることになります。

 

これを「法人フラグ」として、同じくフィルタで表示してあげれば、見事に法人データだけの一覧が表示されます。

法人向け費目の調整

もう一つは、法人向け費目の調整です。中項目の仕分け名に対して、法人で使う費目を割り当てます。法人フラグのカラムの隣に、法人費目というカラムを足し、ここに法人での費目名を記入していきます。

 

道路料金も駐車場も電車代も、法人経費としては「旅費交通費」になるので、それをまとめてあげる作業になります。また「携帯電話」は「通信費」になるので、読み替えもしていきます。

 

まずは、=unique関数を使い、「中項目」全体にどんな費目があるのかの一覧を出します。この各費目に対して、法人費目では何が対応するのかのリストを用意します。

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このリストに対して、=vlookup関数で、マッチした法人向け費目の名称を表示していく形です。

データとビューとアプリケーションを分けるということ

今回意識したのはデータ自体を基本的に加工しないということです。前回は、マネフォのWebから取り込んだデータ自体を削除したり修正したりして決算用の経費データを作ったのですが、これは元データにミスがあって修正などが入ると、連動する全データを手動で直さなければいけないという問題がありました。

 

データはデータ。それを法人経費処理向けに見せるビューは、あくまでデータを関数で引っ張って書き換えて表示するという考え方です。

 

さらに、こうしたデータのビジュアル的な分析も、ピボットテーブルを使って別シートで行います。データを使ったアプリケーションは、ロジックを分けておくという感じです。

 

たとえば、4-9月の費目別経費の状況は下記のようになりました。

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CF表と税務用PLの違い

さてこれだけで経費処理の完成ではありません。CF表とPL表は意味合いが違うからです。

 

マネフォのデータはあくまでお金の出入りを記録したCF表になります。一般的にはお小遣い表ともいいますね。ところが、企業業績の評価や税金の計算に使うのはPL表です*1

 

大きな違いは、キャッシュが出ていっても経費としてカウントしないものがあることです。土地の購入はキャッシュは出ていきますが、資産として計上されて、支払ったお金は経費になりません。太陽光設備のような大型資産は現金で支払いますが、20年に分割して経費にします(減価償却)。

 

さらに、自宅を法人オフィスとしても使っているため、家賃などの一部を家事按分費用として経費に入れ込むことができます。これは、個人と法人を併せたCFから見ると、キャッシュは出ていっているが一部しか経費化しないということであり、法人のCFだけを見ると、キャッシュは出ていっていないが経費にできるということになります。

 

この処理のために、さらに別シートで家事按分リストを作ります。フォーマットは、経費のリストと同じにします。用意したら、それをコピーして経費データに追加します*2

データをどう考えるか

このように、今回の経費処理には気をつけたポイントがいくつかあります。

  • 個人の家計簿と同時に法人経費も付ける。法人経費には【法人】とメモ
  • CFデータのマスターはマネフォにする。現金の出入りがないものは記入しない
  • PLデータのマスターはGoogleスプレッドシートにする。現金出入りがない按分や償却を入れ込む
  • PLデータに流し込むデータはマネフォから引っ張ってくる。ただし加工しない

1年分、この方法でデータを記入してみて、今回集計してみましたが、一回システムを作ってしまえば、意外と楽ちんに運用できそうです。

 

マネフォへのリクエストとしては、データのダウンロード単位が月単位であることを修正してほしいところです。ミスなどがあってマネフォのCFデータを修正した場合、データをダウンロードし直してPLのほうもアップデートする必要があります。このとき、月単位だと、同じ月のデータだけを差し替えるという手間が出てしまうのです。

 

PLデータは、半年単位で集計していくつもりです。これは法人1が3月末決算、法人2が9月末決算なので、半年おきに決算があるからです。CFデータも半年単位でダウンロードできれば、データを一括差し替えすることができます。

 

しかし、4月に第1法人の決算、10月に第2法人の決算、2月に個人の確定申告と、しょっちゅう税金処理をやってる感じです。 

*1:正確には財務評価用のPLと税務用のPLは違いますが、この規模の法人であれば営業利益まではほぼいっしょでしょう

*2:本当はここのデータも分けておいて、=query関数を使って複数シートを統合した上でピボットを使うというほうがスマートでしょう。しかし、今回はそこまでquery関数を使いこなせませんでした