2020年が始まりました。19年は、インデックス、グロース、オルタナティブ、リアルアセットの4セグメントで運用方針を決めてやってきました。ただし、グロースセグメント比率を大きく減らしたのと、金のようなほかと性格の違う資産を購入したこと、優待クロスを始めたことで、キャッシュの扱いが変わったこともあり、20年は方針を変更したいと思います。
全体目標は絶対リターン4%
まずセミリタイアしたこともあり、資産運用によるリターンの目標をおきます。ずばり税引き前で4%です。これは総資産から4%で運用できれば、ほぼ生活費をまかなえるという水準になります。
実際は、セミリタイアしたとはいえ給与収入で生活費はまかなえていますので、この分が資産増加となります。この4%運用が順調に回せれば、問題なく生活できることになります。
4%が高いか低いかというと、これまでの運用実績からいうと半分以下という水準になります。ただし、これはリターンを低めに見積もるというよりも、債券や現金などのローリスク資産の比率を上げることで、ポートフォリオ自体のリスクもリターンも低く抑えるということを意図しています。
株式、債券、ヘッジ、オルタナティブ、リアルアセットの5区分に
この4%運用という目標に向けて、資産の区分を変えて、株式、債券、ヘッジ、オルタナティブ、リアルアセットの5区分とします。
株式はそのまま株式です。日本および米国、先進国、新興国のそれぞれに投資するインデックスのほか、米国ハイテクITのAmazon、Google、Facebookへの投資分があります。個別株は株式の中で約4割を占めます。
債券は、国債および公社債、さらに信用リスクを取ったハイイールド債、モーゲージ債、優先株式、BDCを組み込みます。株式と併せて分散効果をもたらす、ポートフォリオのメイン資産です。株式と債券で50%超となります。
リアルアセットは、基本的に太陽光発電所です。レバレッジを掛けていること、そして買取保証があって安定したリターンを生むのがポイントです。また法人を用意しているため、節税の箱としても使えます。今後、状況を見て不動産もここに入れ込む予定です。
ヘッジは、今後のインフレリスクに備えた資産です。市況としては全資産が上昇しており、中央銀行の利下げ含む金融緩和が続いています。各資産の上昇で恩恵は被っているものの、やはり怖いのはインフレです。これへの対策として、金地金(インゴット)と暗号資産(仮想通貨)を保持します。
オルタナティブは、キャッシュポジションを含む短期投資資産です。よくよく考えたところ、現金を現金のまま寝かせておくのはたいへんもったいないんですね。そこで、ほぼ現金同等といえるFXのスワップアービトラージや、優待クロスで現金を運用しています。このときのベンチマークは、全キャッシュを含めた全額に対してどれくらいのリターンを上げられたか。というわけで、これをオルタナティブセグメントと仕切り直します。
5区分の比率と期待リターン
さて5区分を決めましたが、それぞれの比率はどうなっているでしょうか。下記のとおり、現金ポジションを含むオルタナティブセグメントが約3割を占めていますが、ほかはほぼ株式と債券でトラディッショナルな資産クラスで固めています。ヘッジ資産を6%というのは少し多めかもしれませんが、太陽光は唯一インフレに弱いということ、また長期的に暗号資産の隆盛を確信しているため、このくらいあってもよいかと思っています。
ではこのアセットアロケーションの場合の期待リターンはどうなるでしょうか? それぞれのセグメントの期待リターンを下記のように置くと、合計の期待リターンは4.3%となります。
債券の期待リターンが5.4%というのは高すぎると思うかもしれませんが、これは債券クラスの中に、信用(クレジット)リスクを取ってクレジットスプレッドが大きい、ARCCやPFF、ハイイールド債が50%ほど含まれているからです。
そういう意味では、インカムゲイン狙いのセグメントではありますが、株式との相関が高く、資産の分散という意味では不利な可能性もあります。このあたりはのちのち考えていきます。
ヘッジアセットは、敢えて期待リターンを0%としました。実際は、金も仮想通貨も上昇を期待していますが、ロジカルにリターンが生まれるアセットではないからです。
オルタナティブセグメントは現金を含めて2%という想定です。今後、実際にはどうなのかをチェックしていきたいと思います。
2020年の方向性
そんなわけで、2020年の運用方向性は決まりました。それぞれのセグメントごとに、期待リターンに対する実績がどうだったのかをチェックしていきたいと思います。