FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

太陽光 過積載のあまり語られないメリット

太陽光発電は、発電量によって種類が別れます。個人の野立ての場合、50kW以下を低圧、以上を高圧といい、制約の少ない低圧がこれまでメインでした。発電量は50kW、でもパネル自体は95kWなどそれを超える量を載せる。これがいわゆる過積載です。

 

今回は、発電量の変動を抑えることができるという、あまり語られない過積載の特徴について考えてみます。

追加発電分を捨てる過積載

当初は、49.5kWのパワコンに同容量程度のパネルを載せるのが一般的な低圧太陽光だったようです。しかし、次第にパネル価格が低下します。そんな中で、2017年ころから主流になってきたのが、パワコンの容量を超えるパネルを載せる過積載です。

 

朝日が上ってから、昼に発電のピークに達し、夕方沈むまでの発電量を模式化すると次のようになります。

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日中の最も大く発電するタイミングではパネルは50kWよりも多く発電しますが、パワコンは50kWなので、ちょうど線より上の部分は売電されず捨てられることになります。しかし、横のはみ出ている部分をみると分かるように、全体としての発電量は増加します。

パネルのフルパワーは使えなくても、発電容量は全体として増える。これが、過積載のメリットとして言われていることです。パネル価格が安くなったから実現できたことです。

 

 経産省の資料によると、物件全体の過積載率は上昇を続けており、50kW以上で見ても、平均して売電容量の1.3倍程度のパネルが載せられているようです。

過積載の動向について分析したところ、全ての規模で過積載率の 増加が継続しており、50kW 以上全体では、2017 年設置案件で 123%程度 だった過積載率が 2018 年設置案件では 128%程度まで増加した(参考 28)。この過積載率の増加により、同じパワコン出力であっても売電電 力量は約1~2%増加することが見込まれる。 

平成 31 年度以降の調達価格等に関する 意見(案  - 経済産業省

 

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太陽光につきものの上振れ、下振れ 

太陽光は、日照条件などの気象データを元に、発電量をシミュレーションして当初の事業計画を立てます。しかし、その月、年の状況によっては、日当たりが良好だったり不調だったりして、発電量は上振れしたり、下振れします。シミュレーションの精度によっても変わりますね。

 

では上振れしたときに、どうなるか見てみます。まず通常の場合は、上振れしたときの50kW超えこそカットされてしまいますが、昼前後の増分はプラスになります。いわばちょっと過積載したようなものですね。

 

一方で、すでに過積載している場合、上振れした分のほとんどがカットです。それはそうですね。 

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つまり、上振れを想定するなら、過積載より通常のほうが伸び余地があるということになります。

 

一方で、下振れ時は逆に働きます。通常の場合は下振れ分はすべてマイナスとして働きます。しかし、過積載の場合は、そもそもカットされている部分が減るところが多いため、マイナス分も減ります。 

 

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 まとめると、通常量の場合、上振れするとプラスだが下振れするとマイナス。過積載だと、上振れ分も下振れ分も影響が小さくなります。ブレが少なくなるということです。さらに、季節変動の影響も小さくなることが予想されます。

 

そんなわけで、より安定した売電を考えるなら、過積載っていいことあるはずよ、という話でした。 

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