FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

SBIソーシャルレンディングのデフォルト率

maneoでデフォルトならぬ返済不能をくらい、かなり凝りたソーシャルレンディングですが、このご時世で5%超の利回りはそれでも悪くないと思い直し、大手の一つであるSBIソーシャルレンディングに申し込んでみました。

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SBIソーシャルレンディングの規模感

SBIグループが行うソーシャルレンディングということで、一定の安心感はあるものの、その規模感はどのくらいなのでしょうか。大手のmaneoと比べてみます。

 

まずは融資額を見ます。ざっとサイトを見たところ、下記のような記載でした。

  • maneo成立ローン総額       1644.54億円
  • SBIソーシャルレンディング融資残高 415億円

maneoのほうが大きいじゃん! と一瞬思いそうになったのですが、よく見ると、maneoは成立ローン総額で、SBIは融資残高です。SBIの場合、現在貸し出している金額の合計が415億円ということで、maneoのほうがこれまでに貸し出した総額が1644億円ということですね。

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現在見ることのできるmaneoの最古のローンは5年前の2015年です。案件あたりの平均貸出期間は6〜12ヶ月といったところ。案件数が線形で伸びたとして、SBIと比較できる数字を推計してみると、457億円といった感じでしょうか*1。ほぼ規模としては同じか、わずかにmaneoのほうが大きいように見受けられます。

 

SBIソーシャルレンディングの累計貸付総額を計算すると、1366億6900万円で、確かにmaneoのほうが少々大きいことが分かります。

 

利用者数はどうでしょう。こちらは、maneoのほうが1.6倍ほどの大きさになります。

  • SBI   54,313人
  • maneo  87,764人

 

SBIソーシャルレンディングの種類

SBIソーシャルレンディングのファンドの種類は4種類。ただし、「個人向け無担保ローンファンド」は2013年7月を最後に、「カンボジア技能実習生支援ローンファンド」は2019年7月を最後に、新たな設定がありません。実質存在するのは、「オーダーメード型ローンファンド」と「不動産担保ローン事業者ファンド」の2つのようです。

 

オーダーメード型は、さまざまな案件に対して個別に条件を設定して融資するファンド。不動産担保ローンファンドは、月に2回募集を行う常時募集型で、不動産を担保として事業を行う事業者に貸付を行うもののようです。不動産担保ローンファンドについては、パッケージ化されているようで、投資家から資金が集まりすぎた場合、次回のファンドに自動的に繰り越す仕組みになっています。SBIソーシャルレンディングでは、これをロールオーバーと呼んでいます。

 

オーダーメード型はメガソーラーなどのインフラファンド系が多いようで、名目利回りは7〜8%と高め。一方で、不動産担保ローンのほうは2.5〜5%と低めです。

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SBIソーシャルレンディングのデフォルト率

それでは、SBIソーシャルレンディングのデフォルト率を見ていきます。こうしたローンの場合、最初に支払う利息の額と期日を決めて約束します。この約束が守られず、期日に利息が支払われない状態となることが、デフォルトです。

 

まずシンプルに、2種類のファンドについて、累計貸付総額に対してデフォルトした貸付元本の比率を見ます。

  • オーダーメード型  0.17%
  • 不動産担保ローン型 0.00%
  • (参考)カンボジア技能型 0.02%
  • (参考)個人向け無担保 12.87%

不動産担保ローンのほうが、現時点ではデフォルトの実績はないようです。オーダーメード型は0.17%となっており、リターンに比べれば、低いデフォルト率です。

 

上記は金額ベースのデフォルト率でしたが、案件ベースではどうでしょうか。たまたまデフォルトする案件に当たる可能性もあるわけで、規模が大小ある中だと、案件ベースも気になります。

  • オーダーメード型  3.35%
  • 不動産担保ローン型 0.00%

金額ベースよりも、デフォルト率が上がりました。これはつまり、規模の小さい案件のほうがデフォルト率が高かったということになります。不動産担保ローンのほうは、0%なので、逆に不安でもあります。

SBIソーシャルレンディングの利回り

常時たくさんの案件が設定されているmeneoと違い、SBIソーシャルレンディングでは月2回の不動産担保ローンの設定と、随時オーダーメード型が登場するようです。これまでの利回りの傾向を見てみます。

 

まずは2011年8月から現在まで、約10年間のオーダーメード型ファンドの利回り推移です。平均は6.24%。徐々に平均利回りは上昇傾向にあります。

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もう一方の不動産担保ローン型は、2012年9月からの平均利回りで3.65%。こちらも利回りは上昇傾向にあり、4%を超えるものが増えてきています。

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利回りをヒストグラムでも見てみましょう。オーダーメード型は次の通りです。平均に近い、6%、7%台の案件が多いのですが、10%を超えるような案件もちらほらあります。

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不動産担保ローンのほうはばらつきが小さく、3〜4.5%にほぼ収まります。

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運用期間

運用期間はどうでしょうか。不動産担保ローンについては、約14ヶ月で固定のようです。オーダーメード型はばらつきがあります。平均すると、16.4ヶ月。ヒストグラムにすると次のようになります。

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ほぼ11〜13ヶ月に収まりますが、稀に長期の案件があることが分かります。ソーシャルレンディングは、定期預金などと違い、早期解約ができず、一方で、借り手側は早期返済が可能(コーラブル)な融資条件がほとんどです。つまり、信用リスクのほかに、コーラブルのプレミアムもリターンに乗っていることになります。その意味では、長期間におよぶ貸し出しはリスクが高まるといえますね。

 

今回、お試しで、不動産担保ローン(14ヶ月)に申し込んでみました。利回りは未確定で、2.5〜5%となっていますが、昨今の案件を見ると、貸付金利からSBIの手数料1.5%を除いた名目金利で、3.5%前後になるのではないかと見込んでいます。

 

ソーシャルレンディングは、収益が雑所得となり税制的に不利、また資金が必要になっても解約できない、デフォルトを起こした場合、すぐに損金扱いにできないなど、いろいろと不利な点があります。正直3.5%程度の利回りでは割にあわないのですが、これは今後、オーダーメード型で7%超の案件に申し込むためのプラクティスという考えです。 

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*1:過去平均で7サイクル案件が回ったと仮定