FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

不合理な命令からの「心の自由」

 精神的に所属する場所が変わると、世界の見方が一変することがあります。セミリタイアを実行してから1年半が経ちました。このくらい過ぎると、全身の細胞が新陳代謝で入れ替わるように、心にこびり付いていた考え方も入れ替わっていきます。

資産がもたらす心の自由

FIRE/セミリタイアの最大のメリットは、生きるために働かざるを得ないという、肉体的な時間拘束から開放されることでしょう。身体的に自由を得られるということです。働きたければ好きなだけ働けばいいし、働きたくなければ働かない。そうした自由を手にできます。

 

自由が得られるのは身体的な話だけではありません。心にも自由が訪れます。これはどういうことか。

 

認知的不協和という言葉を知っているでしょうか。

認知的不協和(にんちてきふきょうわ、英: cognitive dissonance)とは、人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語。アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された。人はこれを解消するために、自身の態度や行動を変更すると考えられている。(Wikipedia)

考えていることと、実際の行動に矛盾があるとき、そこに認知的不協和が生まれます。人はこれを解消するために、さまざまな行動を取ります。例えば、コレステロールを医者から注意されているのに、飲み会の後、油っぽいラーメンが食べてしまった、という人がいます。彼は、次のような方法で認知的不協和を解消します(フェスティンガー – モチベーション・マネジメント協会)。

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これを厳しい会社勤めに当てはめてみましょう。新入社員のときは、「なんでこんな働き方なんだ?」「なぜ上司はこんなに威張っているんだ」などと素直な疑問を持つものです。しかし長く働くうちに、これが当たり前だと感じるようになっていきます。

 

これは「馴染んだ」とか「一人前の社会人になった」とか言われることもありますが、要は認知的不協和を自分の認知を変えることで解消したという話です。こうして、会社や社会のあり方について自分を納得させ(協和的な新情報)、組織の一員になっていくのです。

 

しかし、当然もともとあった不協和はなくなったわけではありません。環境が変われば、埋没していた疑問が噴出します。違う言い方でいえば、不協和の解消のために抑えつけられ、変容を強制されていた認知のあり方がもとに戻るのです。これをぼくは「心が自由になる」と呼んでいます。

不合理な命令を受けることの不協和

組織で働くことにはいろいろなメリットもありますが、最大の不合理は、不合理な命令を受けることでしょう。「??なぜこれをやるの?」というような意味不明な命令を受けて、戸惑った人もいると思います。

 

こうした命令を受けたときに、「いやそれおかしいでしょ?」とは思うものの、「でも組織とはこういうものだ」「きっと深い意味があるに違いない」などと、自分の中で不協和を解消しようとしてしまうものです。これが人間の性です。

 

ただし、資産額がある程度になってくると、こうした命令が続いたときに、もういいわ、と言うことができるようになります。自分の認知を変えて不協和を解消しなくても、心が自由なら素直に変でしょ?と思えるわけです。

 

もちろん、どっちが精神的に辛いかは人によります。自分の認知を変えて不協和を解消できるなら、それはそれで楽なことです。「会社のいうことだから仕方ない」で済ませられるわけですから。

 

ところが心が自由になってしまうと、もうそんなふうには思えなくなります。自分は自分の主人でいたい。そう思ってしまうわけです。 だから、この方が楽かといえばそうでもありません。安全安心な奴隷でいると、厳しくても自由でいるか。これはお金のことだけではなく、心についても同じことが言えるんだなぁと思っています。

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