FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。投資歴20年以上。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家。ロジックとエビデンスを大事に、運と不確実性を愛しています。

GAFAの議会証言とデュオポリー

7月29日、GAFAの4人のCEOが米議会に呼ばれ証言しました。4社が「独占的な地位を利用して、適正な競争を妨げている」という批判に対して答える内容です。

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解体か制約か

各社の記事によると、議会の主張は4社が力を持ちすぎているというもの。対していずれも、「競争相手は多く独占ではない」「米国の雇用に貢献している」「アメリカにとって良いことをしている」と主張しました。

ちょっと面白かったのは、プライバシー問題やLibraなどで厳しい風向きが続くFacebookが、自社についてGAFAの中でも後塵を拝していると言ったことでした。

「米国で最も普及しているメッセージサービスは『iメッセージ』、最も伸びているアプリは『TikTok(ティックトック)』、最も普及している動画アプリはユーチューブ、最も伸びている広告プラットフォームはアマゾン、最大の広告プラットフォームはグーグルだ。米国での広告費1ドルのうち、われわれに使われるのは10セント未満にすぎない」 

 Googleは中国との関係を問われ、AmazonはAlexa製品が反競争的だとされ、Appleはスクリーンタイム機能において競合を締め出したとされました。

 

こうした巨大企業による独占、という話を聞くと、思い出すのがMicrosoftが1998年に司法省に独占禁止法で訴えられたことです。98年といえば、Windows 98が出た年。当時のAppleは瀕死の状態で、世の中でコンピュータといえばWindows。さらに、仕事でなくてはならなくなったオフィスソフトも急速にMicrosoft Officeが独占しようというさなかでした。さらに当時急速に普及しつつあったインターネットにおいても、OSに統合されたブラウザであるInternet Explorerが、競合排除ということで大問題になりました。

 

2000年には連邦地裁から、OS部門とアプリケーション部門の分割命令が出、ついにMicrosoftも解体か? というところでしたが、2001年に高裁で判決が差し戻され、和解に至っています。

 

このときのMicrosoftは、たしかにまさに独占というにふさわしいものでした。MicrosoftとIntelを併せて「Wintel」と呼ばれ、競合はいないとさえ感じられる状況でした。でも、だからこそ、EUはじめ米国内でも独占禁止法の対象になったといえるでしょう。

Duopoly状態のGAFA

一方で、現在のGAFAを見ると、各社は勝ちすぎない微妙な舵取りをしているようにも思います。

 

例えば、「検索市場」といえばGoogleの寡占状態ですが、これを「ネット広告市場」と読み替えると、GoogleとFacebookの2社による「Duopoly」状態なのが分かります。決して独占ではないというわけです。さらにここ数年、この市場でAmazonが猛攻しています。

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モバイルOSではどうでしょうか。こちらもGoogleのAndroidが7割、AppleのiOSが2割というDuopoly状態です。

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AmazonはすでにEC企業からクラウドサーバ企業へと変貌しつつありますが*1、クラウドサービスのシェアも、AmazonのAWSが32%、MicrosoftのAzureが17%、Google Cloudが8%と、こちらはまさに競争環境にあることが分かります。

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つまり、「独占ではない」というのはGAFA各企業にとって一部本音であり、ただしそれはどこか小さな企業と争っているというよりも、GAFAの各企業同士で激しい競争をしているということです。

 

各社のコアビジネス――Appleのスマホ、Googleの広告、Facebookの広告、Amazonのクラウドを見ると、1社で支配的な状態とはいいにくいですね。ただし、GAFAでまとめてみたら、ものすごい独占状態ですけど。

 

これを見ると、GAFA各社は負けるわけにはいかないが、1社単独で勝ちすぎないように気をつけているのではないかとさえ感じます。

対中国を気にせざるを得ない

さらに米議会は適正な競争という点でGAFAを追求しましたが、彼らが「米国の企業だ」「米国の役に立っている」という点は、議会も考慮せざるを得ないでしょう。米国は目下、さまざまな点で中国との競争にさらされており、そこで民間企業として対決しているのもGAFAだからです。

 

中国には、GAFA同様、BATと呼ばれる巨大IT企業があり、これにスマホ市場でシェアトップに立ったHuaweiを加えると、ちょうどGAFAと対峙する構図になります。

  • スマホ Apple:Huawei
  • 検索 Google:Baidu
  • SNS Facebook:Tencent
  • EC/Cloud Amazon:Alibaba

米国、そして自由主義陣営からすると、これからますます国家の後押しを受けて中国ハイテク大手が伸びていく中で、自国のテックジャイアントを攻撃していいのか? という話になります。

 

この一社独占ではなくデュオポリー、そして対中国の点から、このような歴史的な議会証言があっても、実質的に4社の力は削がれることなく、君臨し続けるだろうというのがぼくの見立てです。

株価に見る強いGAFA

30日に発表となったGAFA各社の決算を見ても、Googleが広告不調で売上が前年割れした以外は、各社好調。コロナショックどころか追い風になった形です。決算発表後の株価を見ると、Google(Alhabet)だけが2%程度の下げ、ほかは5〜10%程度の上昇です。

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Googleの決算が微妙だったといっても、長期で見るとコロナをものともせず、各社の株価が絶好調です。下記チャートは過去1年の株価推移ですが、ほんと、コロナは何だったんだろう? という感じです。Appleを持っていないぼくとしては、あまりのAppleの強さに嫉妬してしまいますが、本当にGAFAは強いですね。

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*1:売上こそ過半はECですが、利益の大半はAWSです