コロナショック後のリバウンドはまだまだ不思議な感じで進んでいます。7月のトピックは、止まらないGAFAの株価上昇と、金とクリプトの上昇ですね。これらの恩恵を受けて、総資産はやっと年初来プラスへ転換しました。
- 全体は月次で+4.4% 金のクリプトの大幅高
- セグメント別リターン
- 株式セグメント+6.7%
- 債券セグメント+1.77%
- リアルアセット▲1.79%
- ヘッジセグメント+16.6%
- オルタナティブ(現金)は+1.53%
- インカムの状況
- 今後の方針
全体は月次で+4.4% 金のクリプトの大幅高
資産全体では月次で+4.4%。ベンチマークとするS&P500が、この一ヶ月で約5%のアップですので、それには劣るものの、約25%の現金を抱えてなので悪くはないでしょう。良くも悪くも、ガンガン増やそうというアセットアロケーションを止めて、ボラティリティの小さい安定したポートフォリオに移行してきた中では、よい一ヶ月です。
コロナショックを完全に取り返し、年初来でプラスに入りました。ふと振り返ると、この資産額は、セミリタイアを実行した2018年9月以来の高値。このときのポートフォリオは9割が株式という超ハイリスクな構成でした。現金比率はわずか4%。
国内小型株が30%ほどを占めており、このボラティリティの大きな銘柄の動向しだいで資産額が急変する状況でした。ここから相当組み替えてきたなぁとしみじみ感じます。
さて、年初来プラスといってもわずか1.53%。コロナの傷跡を乗り越えたとはまだ言えませんね。
セグメント別リターン
+4.4%の内訳を、5つのセグメントごとに見てみましょう。ちなみにこちらは、入出金を加味して補正をかけています。まず見て分かるのは、金・クリプトのヘッジセグメントが大幅高だということ。月次で+16%超となっており、年初来では+25%近い成績です。
株式は6.7%上昇して、年次でも7%超の増加。悪くありません。厳しいのは債券で、今月は1.7%戻したものの、まだ年初から6%のマイナスです。リアルアセットは太陽光ですが、こちらは未稼働部分がほぼ簿価、稼働発電所はDCFで計算しているので、年次リターンの計算はあまり意味がないかもしれません。
アセットアロケーションは次の通り。太陽光2基目の土地の決済を済ませたり電力負担金の支払いを済ませたりしたため、現金がリアルアセットに移動しています。
株式セグメント+6.7%
株式セグメントの大きな上昇を牽引したのは、グロース株、つまりGAFAです。整理した結果、現在はGoogle、Amazon、Facebookですが、こちらが月次で11.85%も増加しました。また、戻りが遅れていた途上国株式も堅調。6.3%増加して、いい感じです。
一方で、足を引っ張ったのは日本株。コロナ後の戻りでは早い印象でしたが、コロナ第2波が現実のものとなり、さらに悪い決算が続いたせいか、大きく減少です。あれ、こういうのって盛り込んでなかったの? っていう感じ。もっとも日本株にはほとんど期待しておらず、ピュアな日本株は株式の中の4%くらいなのでほとんどダメージはありません。
買付は、引き続き楽天カードを使った投信自動買い付けの「楽天バンガード全世界株式」と、新たに始めたtsumiki証券での「ひふみ投信」の自動買付だけ。バンガードは堅調、ひふみプラスはかろうじてプラスというところです。
気持ち悪いほど伸びているのがGAFA、特にAmazonです。年初来で+71%。コロナ前にAmazon株とFacebook株を半分売却して、いいタイミングで利益確定できたとほくそ笑んでいたのですが、結果論としては完全に裏目ですね。
債券セグメント+1.77%
株式の堅調を背景に、BDCのARCCと優先株式のPFFがやっと月次でプラスになりましたが、ARCCはまだ年初からは▲24%。こちらが回復するにはやはり1年くらいかかりそうです。
ARCCについては信念を持って保有しているのでいいのですが、どうもこのところパットしないのがPFFです。現在の価格に対して配当利回りは5.72%。含み損を足し戻した投資金額に対して5%超の配当は毎月得ているものの、悩ましいといえば悩ましい感じです。米国長期債を検討すべきかもしれません。
リアルアセット▲1.79%
リアルアセットはわずかに減少です。この資産の内訳は、次のようになっています。
- 稼働中発電所のDCF評価(割引率6%)
- 法人預金(現金)
- 未稼働発電所の初期投資済み額(ほぼ土地などの簿価)
この中で重要なのは、やはり稼働中発電所の時価評価と、CFを示す現金の推移ですね。今回これをまとめてみました。推移は、木更津発電所が稼働した4月からになります。
木更津発電所は10年ローンなので、ほぼキャッシュフローが出ていません。つまり発電量が多いかどうかに口座状況が連動します。7月に口座残高がそこそこ減ったのは、別の発電所案件の初期コストを支払ったせいもあります。
ヘッジセグメント+16.6%
ヘッジセグメントはものすごい伸びです。これはまず金が急上昇し、それに釣られる形でクリプトも上昇したためです。金は2000ドル(@オンス)近く、7000円(@グラム)超えとすごい上昇ですが、それでも月間で+7.9%。
対してBitcoinは24.8%も上がり、Ethereumに至っては53%もの上昇です。出遅れていたLiteCoinも40%超の上げとなりました。
こちらはドル建てですが直近1年の金の価格推移です。コロナでいったん売られ、このときはみんながドルに向かいました。が、その後の金融緩和でドルの価値が落ち、急上昇です。
こちらは直近1年の、BTCとETHの値動き。連動しているようにも見えますが、BTCはデジタルゴールドとして、ETHはDeFiブームのために買われていると言われることが多いです。
オルタナティブ(現金)は+1.53%
現金を中心に短期投資に利用するオルタナティブは+1.53%でした。正直こちらのセグメントは毎回計算に難儀しています。というのも、株式を買ったり配当を受け取ったり法人に貸付をしたりしたときの入出金を全部加味して計算しなくてはならないからです。そして今回、その計算式に誤りを発見してしまいました。改めて、年初からのオルタナティブセグメントの月次パフォーマンスはこうなります。
この数字には納得感がありますね。こんな感じだと思います。この直近5カ月のリターンの累計は5.55%。オルタナティブセグメントは年間のリターンのターゲットが2%ですので、十分すぎる成果だといえるでしょう。
インカムの状況
最後はインカムです。配当と貸株を足しています。7月は毎月恒例のPFFとBNDに加え、ARCCが入りました。ARCCは株価14.1ドルに対し、0.4ドルの配当です。基本年4回なので、この額が続くなら1.6ドル。利回りは10%を超えています。
7月までの受け取り配当金累計は、総資産の0.43%となりました。このペースなら、やはりちょうど1%程度のインカムが期待できそうです。
今後の方針
さて今後の方針です。今後あり得るシナリオとしては、コロナ第二波の拡大による株価下落ですね。以前に世界大恐慌のときの株価推移をみましたが、下落直後に回復したもののその後ずるずると下げ続けました。
横軸の長さに注目です。恐ろしく長い間、下げ相場が続いたことが分かります。コロナの場合、こうはならないと踏んでいますし、実体経済銘柄が業績不調の中、IT銘柄は絶好調。二番底が来る確率は30%程度と踏んでいます。
もしそうなったら、オルタナティブセグメント(現金)の中で23%を占める、寝ている米ドルの出番です。株式への追加投資を行っていきます。
いまポートフォリオの中で売りたい銘柄は、XLPとPFFくらい。しかし円高基調のために円転はしばらく控えたい。一方で、太陽光発電所の2号基、3号基の稼働は見えており、そこそこ日本円が必要になりそうです。そして年内には不動産も取得したい。
そこそこ豊富なキャッシュを持っていると自負していましたが、生活費のために取り崩しにも入りつつあるので、バランスを考えていかなくてはなりませんね。
なお、各セグメントは下記の目論見書に従って運用します。
また計算上の注意点は下記です。
- このポートフォリオには、生活防衛資金、401k、各種貯蓄性保険、年金、家族の資産は入れていません
- 株主優待は現金化したもの以外、資産計算していません。取得コスト分だけ資産にマイナスの影響が出ています(ここは今後検討です)
- 含み益も資産として計算されているので、ここから税払いが発生する場合があります
- 法人と個人の資産を合算しています
【前回6月のポートフォリオ】