楽天証券の大口優遇を更新しました。手数料に大幅な優遇がなされる「大口優遇」は、これまで1日あたり5000万円の信用取引が必要でしたが、9月28日から3000万円に大幅緩和。資金が少なくても達成しやすくなりました。
大口優遇のメリット 信用取引手数料無料
手数料が優遇される大口優遇ですが、やはり最大のメリットは信用取引が無料になることです。
一度達成すれば、当月+3ヶ月間有効になります。今回10月6日に達成したので、11月、12月、1月末まで大口状態でいられます。次に1月中に再び大口優遇を更新するという流れです。
1月、4月、7月、10月というサイクルで更新していくと、優待銘柄が多い3月、6月、9月、12月のピークを外すことができます。そのためこのサイクルがベストプラクティスです。
大口優遇の達成条件
大口優遇を達成するにはいくつかの方法がありますが、最も容易なのは、1日の信用新規建約定代金3000万円超です。
具体的な手順
では具体的な手順です。まず3000万円分の信用取引を行う銘柄を考えましょう。値動きが小さく、流動性の高い銘柄を選びます。また額面が少なくとも3000円以上の銘柄にします。
今回は、TOBがかかっているNTTドコモを選びました。値動きは小さく、比較的出来高もあるんですね。デイトレードに使われているのでしょうか。
前日か早朝、朝9:00の場が開く前に下記の注文を入れます。
- 約定代金1500万円以上となる、売建注文をいちにち信用で
- 成行で、本日中。寄り付きで約定します
- 今回はドコモ4000株を注文しました
- 約定代金1500万円以上となる、買建注文をいちにち信用で
- 成行で、本日中。寄り付きで約定します
- 今回はドコモ4000株を注文しました
これが9:00を過ぎて約定すれば、見事大口優遇の達成です。
このあと、11:30〜12:30の休み時間中に、それぞれ反対売買の注文を入れます。ぼくは前場中に引けで注文を入れてみましたが、引けよりも寄り付きのほうが注文が失敗する確率が小さいので、不安な場合は休み時間中に寄り付き注文のほうがいいでしょう。
ポイントは、同額で売りと買いの両方の注文を入れて、値動きを相殺する、クロス注文を出すことです。そして売りと買いのポジションを同時に手仕舞いします。これによって、値動きによる損益の影響を受けることなく、取引を完了できます。
いちにち信用は手数料が無料で、信用金利や貸株料も、売買代金100万円以上なら無料で取引できます。つまりこの売買で一切手数料はかかりません。
1点注意点としては、信用売には規制があって、50単元を超える新規売りを注文できません。3000円の銘柄を50単元(5000株)建てると1500万円。つまり、株価が少なくとも3000円以上の銘柄を選択しないと、一回で1500万円を超えることができないわけです。今回はドコモを使ってみましたが、普段は株価6800円程度のトヨタ自動車を使っています。
必要な資金
これまで5000万円の新規建玉を作るために資金が必要なのが、楽天大口のネックでした。ところがこれが3000万円に緩和されたことで、非常に実施しやすくなっています。
達成には、上記の例のように、買い1500万円、売り1500万円を実行する必要があります。信用取引に必要な証拠金は、売買代金の30%。つまり450万円+450万円で建てることができます。
ただしここには落とし穴もあります。成行注文は、値幅制限上限の資金がないと注文できないのです。例えばドコモの株価は3876円で、値幅制限はこのとおり。
このとき、成行注文には4576円×4000株→18,304,000円、この30%で5,491,200円が必要になります。
売り買いそれぞれでこの額が必要なので、1100万円が必要だということになります。
微妙に資金が足りない場合 指し値
微妙に資金が足りない場合、対策は2つあります。1つは成行きではなく指値注文を使うことです。寄り付きの板寄せにおいて、十分に高い値段で指値した買い注文は、成行きと同様に処理されます。例えば、前日の終値3876円に対して、3900円で指値注文をしておけば、3900円以下の初値ならば、その値段で約定します。3900円で約定するわけではないのです。
この場合、3900円×4000株→15,600,000 の30%→4,680,000円と結構額を抑えられます。
この方法のネックは、もし指値以上で寄り付いた場合、約定しないことです。例えば3900円で指値を出しておいて、3905円が寄り付きの価格だと、この注文は失効します。すると、売り注文だけが約定してしまい、クロスが完成しません。これは大きなリスクであり、指値注文の課題です。ぼくも一回この状況になり、危うく大損害となるところでした。
ちなみにこの指値方式は買いのほうにしか使えません。売り注文は指値をしても、値幅上限いっぱいの保証金が求められます。
微妙に資金が足りない場合 2回転
もう1つの方法は、注文を2回に分けて、前場で750万+750万、後場で750万+750万という取引を行い、合計で3000万円を達成する方法です。
この場合、買いに274万5600円、売りに274万5600円、合わせて549万1200円で足ります。さらに買いを指値すれば、さらに額を抑えられます。もっとも節約して509万円くらいでしょうか。
前場の寄り付きでクロスを建てたあと、「引け」でそれぞれ成行き解消注文を出してクロスを解消します。その後、11:30〜12:30の間に、再び後場の寄り付きでクロスを作る成行き注文を出します。そして、後場中に「引け」で成行き注文を出して、15:00に約定させてクロスを解消します。
資金は抑えられますが、課題は約定しないリスクです。寄付はまず間違いなく成行き注文は約定しますが、引けは注文数が少ないと約定しない可能性があるからです。流動性の高い銘柄なら大丈夫だと思いますが、リスクはあるようです。
微妙に資金が足りない場合 代用有価証券
現金がなくても信用取引は可能です。楽天証券口座にある株式や投資信託を代用有価証券として使うことで、評価額の80%を保証金の代わりに使うことができます。
先程の最低額の例でいえば、509万円ほど必要だったわけですが、640万円分ほどの株式や投資信託があれば、それを担保として信用取引が行えます。「入出金・振替」ー「振替実行・代用状況」から、手持ちの株式の評価額と代用有価証券状況を確認できます。
こちらも注意点がいくつかあります。まず対象は国内株式と投資信託で、米国株は代用有価証券にできません。米ドルもダメですね。
2つ目に、「貸株」に設定して貸し出していると、やはり代用有価証券に使えません。楽天証券は、新たなサービスとして貸株を行いながら代用有価証券としても使える「信用貸株」サービスを開始していますが、少し貸株金利が下がります。
3つ目は、マネーブリッジを設定している場合です。楽天銀行と楽天証券をつなぐマネーブリッジはたいへん便利ですが、落とし穴があります。詳しくは下記をみていただきたいのですが、要は代用有価証券を持っていて、前日夜に注文をすると、株価の状況によっては注文が失効する場合があるということです。
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