FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。投資歴20年以上。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

Bitcoin130万円超へ ついに大企業が関わってきた

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Bitcoinの価格が一時138万円を付けました。現在も130万円前後で推移しています。これまでいろいろな出来事が高騰や暴落の引き金を引きましたが、今回はこれまでと少々違う模様です。何が違うのでしょうか?

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大手企業PayPalが引き金

今回の価格上昇の引き金となったのは、米決済サービス大手のPayPalがBitcoinはじめ暗号資産売買に対応すると発表したことです。PayPalのデジタルウォレット(スマホアプリイ)で売買したり、PayPal対応の2600万店舗で決済に利用できることを目指すそうです。いったいこの何がすごいのでしょうか。

 

まずすでに多くのユーザーを抱え、アプリがインストールされているところに、暗号資産売買機能が付いたのが大きいですね。これまでの取引所は、最初に口座を作ってもらうという高いハードルがありました。ところがPayPalであれば、既に世界中に3億人を超える利用者がいます。

 

Dalia Researchの調査によると、インターネット利用者のうち7%が暗号資産を保有しています。日本はその比率が最も高く、11%となっていました。日銀が2019年に行った調査でも暗号資産を手にしたことのある人は7.8%となっており、だいたい整合します。

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ここにPayPalユーザーが加わることで、さらに多くの人が暗号資産の売買を行うでしょう。PayPalは年内は売買手数料を無料とすると発表しており、簡単に、興味本位で売買が行われるはずです。

 

これは日本であれば、LINE PayやPayPayに「ビットコインに交換する」というメニューが出てくるようなものです。PayPalがどの程度、既存のサービスと統合してくるかは分かりませんが、利用者増が期待されます。

2600万店舗での決済利用

もともと中央に依存しないお金の流通方法として誕生したはずのBitcoinですが、さまざまな理由で現在は決済・流通に使われることはほとんどありません。多くの場合、金(ゴールド)のように価値の保存目的、また株式のように値上がり目的で保有されています。

 

ところが今回PayPalは、決済サービスを提供する2600万店舗にも暗号資産での決済方法を提供するとしています。ユーザーは手元のウォレットからBitcoinなどを支払い、店舗側には法定通貨(FIAT)が渡る仕組みです。決済には向かないとされてきたBitcoinが、初めて本格的に決済目的で利用されるかもしれません。

 

ではなぜBitcoinは決済に向かないとされてきたのでしょうか。次のような理由が言われています。

  1. 価格が大きく変動するため
  2. 送金完了に最低10分、通常は30分程度かかるため
  3. 少額決済でも都度税金計算が発生するため

1万円をBitcoinで払おうとしたら、その瞬間にBitcoin価格が下落して足りなくなったとか、払った直後に価格が高騰してしまったというようなことが問題です。こんなに価格が動くもので決済はできないなどといわれます。これを解決しようとしているのが、法定通貨と価格がリンクするステーブルコインですね。FacebookのLibraなどはこれを目指していると見られていましたが、いまのところ発行に至っていません。

 

(2)の送金に時間がかかるのは、Bitcoinの送金技術の根幹に関わる点です。送金指示をまとめて10分おきに1つのブロックとして処理をするため、どんなに早くでも10分は掛かってしまいます。またBitcoinのアルゴリズムは、ブロックが分岐した場合に最も長いチェーンを使うという仕組みなので、1回では送金を確定するのは危険なため、数ブロックの生成を待って確定(ファイナリティ)するのが通常です。手持ちのBitcoinウォレットから、店舗のBitcoinウォレットに送金することで支払いをした場合、これだけの時間がかかってしまいます。

 

Bitcoin以後にうまれた多くの暗号資産では、これらを解決すべき問題として、高速な送金アルゴリズムをウリにしてきました。またBitcoinでも、送金する2者間でペイメントチャンネルというブロックチェーンとは別の経路で接続して、ほぼ即時に送金を終わらせ、そのあとでブロックチェーンに書き込むというLightning Networkなどの技術(一般に、オフチェーン、サイドチェーン、レイヤー2などと呼ぶ)が開発中です。

 

でもよくよく考えてみると、PayPalの決済システムに乗ることができれば、送金の問題は簡単に解決します。PayPalが持つDBの中で、支払ったユーザーのBitcoin残高を減らし、それに相当する額の法定通貨を店舗の売上として、のちほど入金すればいいからです。厳密な意味では決済にBitcoinを使うわけではありませんが、ユーザー体験としては変わりません。いわば、PayPayのバリューのようにBitcoinの残高を使い、Bitcoinの本体はPayPalが管理するという立て付けが容易に想像できます。

 

(3)の税金は、各国の税制に関わるものなので、法律が変わらなければどうしようもありません。それでも、PayPalの仕組みを通じて決済すれば、これも簡易になる可能性が高いでしょう。

 

これまで決済時の税金がやっかいだったのは、Bitcoinを他の仮想通貨や法定通貨、モノやサービスに変えた瞬間に、その時の交換レートで計算して、利益や損失を計算せよ、というルールになっていたからです。1BTC10万円のときにかったBitcoinを使って、1BTC100万円のときに、100万円の買い物をしたとします。その決済の瞬間に、90万円の利益が確定し、納税しなくてはいけなくなるというわけです。こんな計算を、100円のジュースとか1000円のランチで行うのは煩雑過ぎてあり得ません。ところが、PayPalの仕組みを通じて支払うなら、裏側でPayPalのシステムが交換レートを計算して損益を記録して、年末にまとめて「最終的な今年の損益はいくらです」と表示してくれることができるでしょう。これなら、現在の税制のままでもなんとかなります。

インフレ、つまり法定通貨の価値が下落する

もう一つ、いまBitcoinが注目されているのは、法定通貨の価値がどんどん下がると思われているからです。日本に限らず世界各国は、コロナ禍でかつてないほどの金融緩和に踏み切っています。簡単にいえば、どんどんお金を刷ってバラまいています。現時点では必要な措置でしょう。ただ、お金の量が増えるにつれて、行き場を失ったお金は株式などの資産に向かいます。

 

実際、米国でも給付金を受け取った人の多くが、そのお金で株式を買い、ロビンフッターとして話題になりました。機関投資家の間では、現在の株価を買い支えているのはこうした個人投資家だという意見もあります。

 

この金融緩和は、そう簡単には止められません。となると、ますますお金の量は増え、つまり物価が上昇していきます。既に資産インフレに近い状況になっています。このあとはそれが実物に波及して、本格的なインフレになるのではないかという予想がいろいろなところに出ています。

 

インフレとは通貨の価値の下落です。つまり法定通貨で持っているとどんどん価値が下落します。一方で、インフレをカバーできるだけの預金金利も提供されていません。そんな中で、通貨のような流動性を持ちながら、インフレに強いと想像されるBitcoinに資金が向かっているわけです。いわゆるデジタルゴールドとしてのBitcoinです。

 

オンライン決済大手のSquareは、10月8日に53億円あまりのBitcoinを購入して話題になりました。それ以前も、Nasdaq上場のMicro Strategyが400億円超のBitcoinを購入しています。現預金で保有しているよりもBitcoinのほうが安心だという経営判断だったそうです。

 

これまでBitcoinの価格を動かしていた、大口トレーダーではなく、本業を持つ企業が価値の保全の目的でBitcoinを買うようになったというのが、最も大きな状況変化です。ファミリーオフィスの多い欧米では、そうした機関投資家も買っているという噂をよく聞きます。こうした売買が進んでくれば、デジタルゴールドとしてのBitcoinの地位は確立されていくでしょう。

 

次のステップは、普通の機関投資家が、ポートフォリオの中にBitcoinを組み入れることです。これにはさまざまな壁がありますが、例えばBitcoin ETFができて有価証券として購入できるようになれば、組み入れたいという機関投資家も多いはずです。

 

それでもBitcoinなんて怪しい。仮想通貨なんて何の本質的価値もない――。そう思う人もいるでしょう。しかし、株式にしてもさまざまなデリバティブ商品にしても、当時は怪しいものだと思われていたことを忘れてはいけません。いまでこそインデックス投資は、長期の資産構築に重要だという共通認識が生まれてきましたが、バブル期の株式投資は、現在のBitcoin以上に短期トレード、値上がり益狙いの売買が普通でした。

 

Bitcoinは新たなアセットクラスとして定着するかどうか。その可能性は90%程度と見て、後悔のないようにロング継続です。

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