FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

ゴールド 金投資の方法 ポートフォリオ紹介(4)

不定期連載のポートフォリオ紹介、第4回はゴールド(金地金)です。ぼくのポートフォリオの中で4番目に大きなシェアを持っています。

  1.  S&P500 ETF IVV
  2. Amazon テンバガー銘柄
  3. 新興国 ETF EEM
  4. ゴールド 金
  5. 全世界株式VT
  6. 総合債券ETF BND
  7. 未来の勝者Google
  8. 今でもチャレンジャーFacebook
  9. 孤高の高配当 ARCC
  10. 北米除く先進国インデックスのEFA
  11. ワールドコンピュータ、Ethereum

金(ゴールド)になぜ注目したか

ぼくが金(ゴールド)を購入したのは2019年9月です。なぜゴールドに着目したかというと、レイ・ダリオの「オールウェザーポートフォリオ」の影響があります。

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このポートフォリオは、次のようなアセットアロケーションを取っています。株式の比率はわずか30%、半分以上が債券です。そして、金と商品(石油など)が15%を占めています。

  • 株式         30%
  • 中期米国債(7-10年) 15%
  • 長期米国債(20-25年) 40%
  • 金          7.5%
  • 商品         7.5%

これはちょっと驚きですね。なぜ株式以外のアセットクラスを組み込むことが重要なのでしょうか。

金(ゴールド)の過去10年のパフォーマンス

下記は、金(ゴールド)の価格推移です。青線が金、赤線がS&P500です。金価格そのもの代わりに、金 ETFのGLDを使いました。2005年からのパフォーマンスを見ると、多くの期間で金が勝っており、直近もコロナ禍を受けて金が勝っています。

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この期間のリターンを見ると、CAGRで9.28%。一方でS&P500は8.80%です。これは配当再投資を入れたリターンになります。ベストイヤーは株式にわずかに負けていますが、ワーストイヤーは株式のほうが悪く、最大ドローダウンも株式のほうが悪い数字でした。

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注目すべきは、「US Mkt Correlation」(US株式市場との相関)です。これが0.08。つまり、ほぼ無相関ということです。現代ポートフォリオ理論は、互いに相関の低い資産を併せて持つことで、リターンを保ったままリスクを低減できることを示しています。

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これは、アセットクラス別の年ごとのリターンの状況を見てもわかります。下記は、モーニングスターが出している資産クラス別のリターンです。金は、2010年はトップでした。2011年、2016年、2017年、2018年、2019年はトップ5に入っています。

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ちなみに「先進国株式」がトップだったことはなく、トップ5に入ったのは2010年、2012年〜2017年、2019年です。

 

実際、金50:S&P500 50のポートフォリオ(赤線)は、リターンで金100%や株式100%を超えるだけでなく、ボラティリティも3ポイント程度低下しました。このようにアセットクラスによってリターンに違いがある中では、相関の低い資産を持つことでリスクあたりのリターンを小さくできるわけです。

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こうした金(ゴールド)の特徴については、下記の記事も参照してください。

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購入のきっかけは消費増税

こうした金の特性は理解していたのですが、実際に投資したのは2019年の9月でした。なぜこのタイミングか? 実は10月から消費税が10%に上がるというのがきっかけでした。

 

実は金の現物の売買には消費税がかかります。1万円の金を買うには1万1000円必要ですが、その金を売るときにも消費税が支払われるので、1万1000円で買い取ってもらえます。つまり、消費税8%のときに1万円分の金を買うと、支払いは1万800円、それを買い取ってもらうときは1万1000円となり、増税2%分の利益が生まれるというわけです。

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ちょうどこのタイミンで金価格は上昇しており、買うならこれがチャンスだ!と思って購入に至りました。金のETFや投資信託では、この消費税による2%実質ディスカウントは受けられないので、検討したのは金地金です。売買価格差を大手数社で検討し、実際に買い付けを行いました。

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丸の内の三菱マテリアルに行き、その場で契約。支払いは振り込みで行い、消費寄託を選択して預けました。これは株式でいう貸株のようなもので、三菱マテリアルの倒産リスクを負う代わりに、保管料はゼロで、0.03%のボーナスを受け取れます。ボーナスは入会月に年一回もらえるということです。ただし、「マイ・ゴールドパートナー」の年会費が880円かかるので、少額の金地金の場合は現物を手元に持っておくのもいいかもしれません。

 

ほぼ1年経って、買い付け時の単価は、5650円/gでしたが、現在の時価評価は7022円/g。+24%と悪くない投資になっています。この評価額には消費税が入っているので、2%が上乗せされているのも忘れてはいけません。

三菱マテリアルで買うなら株主優待

そして実は買い付けてから知ったのが、三菱マテリアルの株主優待です。下記のように、購入時にgあたり5円割引、売却時も5円割引です。当時の価格水準で見ると、0.088%なので、そこまで大きな差ではありませんが、あったほうがいいですね。売買スプレッドは60〜70円程度なので、売買合わせて10円スプレッドが縮まる効果は大きいと思います。

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さらに、この優待、単元の必要がなく、端株でOKです。現在なら株価は1981円。年間配当80円を出しており、配当利回りは2.14%です。

思い切って買える、金の強み

いざ金を買ってみて思ったこと。実は歴史的に見て、金のボラティリティは株式よりも大きいのです。しかし、株式と違い、なぜか金には安心感があります。別に株式だってインデックスだったら価値がゼロになることはありえないし、配当だってもらえるのだから金より安心してもいいはず。なのに、金の安心感というのは確かにあるんですね。

 

数字で見て合理的に考えようとしているぼくでさえこう感じるのですから、一般には金に対する信頼感はとても強いのではないか? そんなふうにも思います。つまり安くなれば誰かが買うし、通貨への信任が減れば金に替えておこうという動きが高まるという見立てです。

 

今回は、ポートフォリオ内で4位に入るほどの金を一気に買い付けました。いろいろな資産に分散して投資しているので、全資産の4.6%でしかありませんが、それでもぼくにとっては大金です。

 

消費増税が契機だったので、一回で全額を買い付け、その後、売却も買い増しもしていません。金と同じようにインフレヘッジ、株式との相関がない資産としてクリプト(暗号資産)も保有しているので、総資産の3-4%という比率は、ちょうど心地よいというのもあります。

 

今後、場合によっては一部を引き出して、現物のインゴットとして自宅に置くかもしれません。盗難リスクはあるのですが、他の資産の多くがペーパーアセットでデジタルな数字でしかないの対し、実際に目で見て持てる資産というのは貴重なものだからです。考えてみれば、指輪以上の金の塊を保有したこともないので、憧れもありますね。

 

各国政府が金融緩和をしている限り、またインフレ率が上昇したあと下降するまでの間は、金の効果は続くと見てホールドです。確信度は90%以上になります。

 

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