FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

SBIと三井住友カードも開始 クレカ投信積立の攻略法

SBI証券と三井住友カードが、かねてから告知していたクレジットカードによる投信積立の詳細を発表しました。サービス開始は6月1日、決済金額の0.5%のVポイントが貯まります。

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これでクレカを使った投信積立サービスは、楽天証券(楽天カード)、tsumiki証券(エポスカード)、セゾンポケット(セゾン/UCカード)に続き4つ目。そして、実はマネックス証券(マネックスカード)も、クレカ投信積立を予定しています。特徴と攻略法を考えてみます。

クレカ決済でポイントが貯まるのが最大の特徴

クレカで投信を積み立てると何がいいかというと、ひとえにカードのポイントが貯まることです。楽天証券/楽天カードなら、積立額の1%がポイント還元されます。いってみれば、リターンが1%上乗せされるわけで、これは美味しいですね。

 

実際、楽天証券の口座数増大、投信積立額増大の原動力の1つは、このクレカ積立。月間約350億円の積み立てのうち、7割は楽天カード決済だといいます。つまり、ここだけで2.5億円を還元しているわけで、けっこうすごい話です。

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クレカ投信のルールは基本同じで、分割払い不可/積立投資のみ/月間5万円です。これは金融庁の規制によるものです。上限10万円なのに、月間5万円なのは引き落としのタイミングによって2ヶ月分がまとまってしまう可能性があるからです。

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金融庁

ただし、保有残高に対するポイント付与も考慮すると、各社の仕組みは少々複雑です。

SBI証券/三井住友カードの場合

まず、クレカのポイント付与は0.5%。ただし、「投信マイレージ」という仕組みがあり、投信の月間平均保有金額に対して、毎月0.1〜0.2%(年率)のポイント付与があります。

 

5万円ずつ毎月積み立てると、積立時の250ポイントx 12に加え、60万 x 0.1% ÷ 2の300ポイントが年間で追加で付与されることになります。さらに、この投信マイレージは残高が増えるほど増加していきます。1000万円を超えると、2万ポイントが付与されるわけです。別の言い方をすると、投信のリターンが0.1〜0.2%増加するということになります。

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ポイントの付き方は今回ちょっと変わっていて、既存のSBI証券の口座を持っている人はTポイント、今回三井住友カード経由で口座開設するとVポイントが付きます。さらに、今後、Vポイントで投信を買い付けられるようになり、現金相当のポイントといえるでしょう。

楽天証券も残高に応じてポイント

意外に知られていませんが、楽天証券でも投信保有残高に応じてポイントが付与されます。これは「投資信託資産形成ポイント」と呼ばれ、次のようなルールです。

  • 50万円以上~200万円未満:50ポイント
  • 200万円以上~400万円未満:100ポイント
  • 400万円以上~600万円未満:150ポイント
  • 600万円以上~800万円未満:200ポイント
  • 800万円以上~1000万円未満:300ポイント
  • 1000万円以上~2000万円未満:500ポイント
  • 2000万円以上:1000ポイント

ちょっと分かりにくいのでグラフにすると次の通り。50万円ピッタリの場合、0.12%。また階段が切り替わるタイミングでは0.06%まで上昇。だいたい0.05%くらいの感じです。

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ただ、こちらの「投資信託資産形成ポイント」はマイナーケースです。というのは、楽天銀行の「マネーブリッジ」に登録して「楽天銀行ハッピープログラム」に登録すると、ハッピープログラムのシステムが適用になるからです。

 

こちらは、投信残高10万円ごとに毎月4ポイント。つまり、年率で0.048%が付与されます。

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長期ならSBI有利?

購入時に1%、さらに保有している限り、残高の0.048%のポイント還元。SBIと比べると次のようになります。

  • 楽天 購入時1% 保有残高の0.048%
  • SBI  購入時0.5% 保有残高の0.100%(残高1000万以上で0.2%)

これをグラフで比較してみましょう。毎月上限の5万円ずつ積み立てた場合、120カ月(10年)で、どれだけのポイントが付与されるかの計算です。

 

まずは楽天から。やはり積み立て時1%付与は大きく、ハッピープログラムの影響は軽微です。10年間で、積立時6万ポイント、ハッピープログラムで1万4400ポイントを得られる試算になります。

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ではSBIはどうでしょうか。光景がちょっと変わります。積立時は付与が0.5%なので10年の累計でも3万ポイント。一方で、保有ポイントの比率は残高が増えると大きくなり、10年の累計で3万200ポイントとなる試算です。積立時ポイントを逆転します。

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当然、もっと額が大きくなればSBIがどんどん有利になります。残高が1000万円を超えれば、年間で2万円がポイント付与されるわけで、4800ポイントしか付かない楽天証券とはかなり差が付きます。

ちょっと期待のマネックスカードとクレカ積立

実は、マネックス証券はアプラスと提携して、この春にマネックスカードを発行予定です。こちらは、ショッピング100円につき1ポイント(1円相当)が貯まるカードで、カードを使った投信積立サービスも予定しています。ショッピングについては1%還元ということです。

 

もしも、投信積立でも1%が付与されるなら、楽天証券/楽天カード並み。さらにマネックスは、投信保有残高に対して0.08%が付与される「投信保有ポイント」サービスを提供しています。この対残高付与率は、楽天の約2倍で、SBIに迫ります。

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もし、積立で1%が付与され、保有で0.08%が還元されるなら、合計すると、楽天もSBIも凌ぐサービスになるかもしれません。もっとも、フタを開けてみたら、クレカ積立は0.5%還元とかなる可能性もあるので、分かりませんけど。

 

www.kuzyofire.com 

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