FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

BitcoinもBlockFiでレンディング 1.5%BTC還元のクレカも発表

これまでちょうど1年ほど、GMOコインの「貸暗号資産」サービスを使って、手持ちのBitcoinの一部をレンディングに出していました。当初は6カ月で年利5%だったのですが、次第に利率が悪化。現在は3カ月で年利3%まで減少です。これを機に、Ethereum同様、BitcoinもBlockFiへ移すことにしました。

BlockFiはレンディングプラットフォーム

BlockFiはCeFiのレンディングプラットフォームです。CeFiは中央集権型金融の略。昨今、ブロックチェーン上のアルゴリズムで動作するDeFi(分散型金融)が増加してきており、これに対する用語としてクリプト界隈ではCeFiという言葉が使われるようになりました。

 

CeFiなので倒産リスク、流出リスク、詐欺リスクなどもありますが、リクルートの出資、ピーター・ティールの出資と、ちゃんとしているサービスだということが、出資者の顔ぶれから分かります。

 

ぼくは12月からEthereumを預けていますが、順調に稼働しているので、思い切ってBitcoinも移すことにしました。

www.kuzyofire.com

2.5BTCまでは6%

BlockFiの利息はこちらのページから確認できます*1。USDTやUSDCといったステーブルコインの利率が9.3%/8.6%とすごく高いことが面白いですね。Bitcoinは、2.5BTCまでは6%、それを超える分は3%の利率となっています。

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注意書きにあってちょっとややこしいのは、この利率は複利後の実効利回りだということです。BlockFiは毎月利息が付与され、月次複利で回っていきますが、この月次複利の利回りです。

 

年利3%相当で月次複利で回ると、12カ月後には3.04159%分増加しているはずです。これが3%になるということは、割り戻すと実際には2.9596%だということになります。

ロックなし

GMOコインなどは、貸出中に中途解約するともらえるはずの金利が失われるだけでなく、金利分の10%に当たるペナルティを課されます。一方でBlockFiはいつでも引き出し自由で、さらに1カ月に1回なら引き出し手数料もかかりません(通常クリプトで1回、ステーブルコインで1回の合計2回まで)。2回以上の場合、下記の手数料がかかります。

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一応、一週間で100BTCまでという上限額もありますが、まぁ普通は問題になりませんね。手数料も、0.0004BTC(bitFlyer)、0.001BTC(BITMAX)、0.001BTC(CoinCheck)などと比べても、それほどボッているというわけでもありません。ちなみに、GMOコインは出金手数料が無料なので、それが愛用している理由の1つです。

なぜ国内取引所のレンディングサービスは受け入れ上限があるのか?

こうやって高金利のレンディングサービスを提供する海外事業者がいる一方で、国内取引所が提供するレンディングサービスは、完全に需要過剰です。SBI VCトレードが提供する「貸暗号資産サービス」なんて、84日ロックされ途中解約できず、それでいて年率1.0%(BTC)。XRPなんて0.1%です。ほんと、お殿様商売ですね。

 

最初に書いたように、GMOコインも5%を維持できず、3%に下げました。受け付けは月に1回で、しかも募集状況によって制限するとしています。要は、ごく一部しかレンディングの引受をやっていません。

 

なぜこうなるのでしょうか? これはレンディング関係者に聞いた話で真偽のほどは分かりませんが、取引所はレンディングをビジネスとしてやっているわけではない、というのが理由のようです。

 

取引所は顧客資産保護のために、預かった仮想通貨を基本的にはコールドウォレットで保管しています。しかし、送金や売買のためには必要な額を別途ホットウォレットで用意しておく必要があります。これは、取引所の自己資産で賄うため、取引所はバランスシートの中に仮想通貨が資産として乗る形になります。

 

では、この必要な分をレンディングでユーザーから借りたらどうなるでしょうか。バランスシート上、自己資産がなくなり借り受けた仮想通貨が乗ります。自己資産ではなく負債となるわけです。さらに、自己資産だと仮想通貨の変動が利益に影響を与えてしまいます。ところがレンディングで借り受けたものなら、変動リスクもサービスを利用するユーザーに転嫁できるわけです。

 

こうしたメリットがあるので、年利1〜3%程度のコストは問題ないわけです。一方で、ホットウォレットで管理する必要額以上の仮想通貨を借り受けても、コストばかりが膨らむだけでメリットがありません。というわけで、借入上限をもうけているというわけです。

レンディング市場が成り立っている海外

一方で海外では、レンディングサービスで仮想通貨を預かったら、払い出す利子よりも高い利率で今度は貸し出すのが普通です。DeFiであるCompoundを見ると、貸し出したときのレンディング金利(Supply APY)の横に、それよりも高い利率で貸し出し金利(Borrow APY)が乗っている事がわかります。

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この差がサービス運営者(流動性プールに資金を提供しているユーザー)の利益になるわけですね。

 

同様に、CeFiのサービスでも、裏側では別の業者につながって、払っている金利よりも高い利率で貸し出しを行っているはずです。いわば銀行と同じモデルだということです。

1.5%をBTCで還元するBlockFiカード

このBlockFi、新サービスとしてVisaブランドのクレジットカードも発表しました。これは利用した金額の1.5%にあたるBitcoinを還元するという、シンプルなカードです。表面にBitcoinロゴが書いてあるのがいい感じですね。

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こちらのカード、金属製で、年会費は200ドル。ただし、最初の3カ月間に3000ドル以上の決済をすると、250ドル分のBitcoinをボーナスとして提供するそうです。この春からカード発行予定ですが、現在順番待ちリストへの登録が可能。当初は米国からの提供ですが、他の地域で利用できるようになったら連絡がくるということです。

 

感じからして日本での利用は相当ハードルが高そうですが、クリプト好きの心をくすぐる感じのデザインと内容ですね。

 

www.kuzyofire.com
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*1:なぜかリンクがとても分かりにくいところにありますね。なぜ隠そうとするんだろ?