FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

Bitcoin再び600万突破 時価総額でGoogleや銀に迫る

Bitcoinが再び600万円を突破し、円建てで過去最高値を更新しました。いやぁ強い。今回は上昇の背景も含め、前回2017年のバブルとは違いますね。現状をまとめてみます。

Bitcoin、再び600万円突破

下記はbitFlyerによる直近1ヶ月の円建てBTCのチャートです。2月20日に一時600万円を超えましたが、その後下落。2月末には500万円を切るところまで落ち込みましたが、再び上昇して、本日3月12日には620万円を超えてきました。

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この数ヶ月であった、大きな出来事をまとめるとこんな感じです。やはり目立つのは、大手企業によるBitcoinの購入ですね。

  • 香港「Meitu」 1万5000ETH、379BTCを購入
  • ノルウェー「Aker」 1170BTC購入
  • 米取引所Coinbase 時価総額1000億ドルでまもなく上場

ArcaneReserchのレポートによると、こうした大手企業が保有するBTCは、14万3000BTCにのぼります。81億3600万ドル、8621億円相当です。別の観点から見ると、Bitcoinの最大発行枚数は2100万枚で、現在1865万1275枚が採掘済みです。計算すると0.76%が上場企業によって保有されているという計算になります。

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Bitcoin on the Balance Sheet? Corporate Buying Might Become a Global Trend - CoinDesk

現在Bitcoinは、5万6900ドルですので、MicroStrategyは簿価の倍に資産が増加しています。このような上げ基調の中、遅れるまいと各社が購入している様子が伺えます。

 

大規模にBitcoinを保有しているのは上場企業だけではありません。ビットコイン投資信託を運営するグレイスケール・ビットコイン・トラストは、2013年にスタートした世界最大のビットコインファインドです。グレイスケールの運用資産残高は421億ドルだといわれています。逆算すると、約74万BTCを保有している計算です。こちらはBitcoin全体の3.96%に及びます。

時価総額1兆ドル超え

Bitcoin全体の時価総額は、昨日ついに1兆ドルを超えました。つい先日、仮想通貨全体の時価総額が1兆ドル超えという記事をまとめたばかりでしたが、速い上昇ですね。この1兆ドル超えというのがどういう規模感かというと、株式や貴金属で1兆ドルを超えているのは世界に8つしかありません。

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Assets ranked by Market Cap - CompaniesMarketCap.com

すでにFacebookやTencentを超えており、次に迫るのは時価総額1.4兆円のGoogleや、同じく1.4兆円の銀です。BTC価格が1000万に到達すると、Googleや銀を超えることになるでしょう。もしBitcoinが「デジタル・ゴールド」と呼ばれるとおり金に肩を並べるなら、その価値は現在の10倍まで増加することになります。

ストック・フローモデルで考えてみる

ではBitcoinは金価格まで到達するのでしょうか? いろいろな考え方がありますが、流通量と生産量を比較したストックフロー比率(S2F)を見てみましょう。Bitcoinの採掘済み量1865万1275BTCに対して、マイニングによって生み出される数は32万8500BTC(1日あたり900BTC)です。S2F倍率だと56.7倍、逆数であるインフレ率は1.76%です。

 

金はどうかというと、採掘済みの金の総量は約18万トン、年間採掘ペースは約3000トンと言われています。S2F倍率だと60倍、インフレ率にすると1.66%。現在、金とBitcoinのS2F比率は近しいことが分かります。

 

ところが、金が採掘難易度が上がるにつれて徐々に採掘量が減少するのに対し、Bitcoinには半減期があることが違います。マイニングによって採掘できるBTCは、約4年ごとに半分に減ります。すでに3回の半減期を迎えており、現在のマイニング報酬は6.25BTC(1ブロック、約10分)。

 

次回2024年となる4回目の半減期ではマイニング報酬が半分になるため、S2F倍率は2倍に、インフレ率は半分になるわけです。これは希少性という観点でいえば、金よりも希少ということになり、市場もそれをある程度折り込みつつ、価格付けを行っているようです。

ほかの仮想通貨に波及

長期的にはさらなる上昇が期待できると踏んでいるBitcoinですが、足元の価格は?というと、ちょっと高いと考えています。というのは、Bitcoinの上昇は他の仮想通貨にも波及しており、より暴騰しているものがたくさんあるからです。

 

下記は、直近1年のBTC、ETH(Ethereum)、BNB(BinanceCoin)のチャートです。一番下の青線がBitcoinでわずか1084%しか(!)上昇していません。その上の水色がEthereumで1572%、BinanceCoinに至っては2964%もの上昇です。  

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この3つはいずれもぼくが保有しているクリプトなわけですが、比較的大型のこれらの仮想通貨でさえ、この上昇です。もっと時価総額の小さい銘柄では、さらに短期間で急騰したものも多数あります。

 

つまり、コロナ禍→給付金→金余り&経済回復期待→株高、Bitcoin高→他の仮想通貨も上昇、というサイクルにあって、いまやその仮想通貨がどういう意味合いを持っているのかなんて関係なく、材料があれば物色される感じです。

 

ちなみに、現時点でのコイン別時価総額ランキングは次の通り。狙い通りというか、結果オーライというか、手持ちの3銘柄が時価総額上位3つとなりました。

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このBinanceCoinは別格としても、Bitcoin以外の仮想通貨もおしなべて値が上がっています。過去1年間の時価総額の推移を見ると、次のようになっています。

  • 仮想通貨全体 1433億ドル→1兆7280億ドル 12倍
  • Bitcoin 925億ドル→1兆0584億ドル 11.4倍
  • Bitcoin以外 508億ドル→6696億ドル 13.1倍

つまり、Bitcoinはたしかに凄まじい上昇を見せたのですが、実はそのほかの仮想通貨はそれ以上に上昇したわけです。仮想通貨全体に占める、各コインの比率(ドミナンス)を見るとそれが分かります。

 

Bitcoinは仮想通貨全体の4割を占めますが、その割合は少し減りました。そして直近でいうと、BinanceCoin、Cardano、Polkadotなどがグラフで帯になるレベルまで伸びてきていることが分かります。

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保有コインをどう見るか

現在はバブルといえばバブル。ただし、投機対象ではなく、価値の保存先としての役割を果たしつつあるのが現在のBitcoinです。そして、第2位のEthereumは、DeFiやNFTをはじめ、ブロックチェーン上でプログラムを動かす際のプラットフォームとしてのポジションを堅固なものにしました。2020年11月のタイミングでXRPとLTCを売却してETHに替えたのですが、良かったのかどうか。

 

現在のところ、この期間の上昇率はETH(377%)、LTC(294%)、XRP(94%)なので、まぁ替えておいて正解という感じです。それにしても不調のXRPでさえ2倍くらいにはなっているのですからスゴイものです。

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BinanceCoin(BNB)は、もともとERC20トークンとして登場し、Bainanceでの手数料をセーブできるユーリティリティトークンでした。ところが9月に独自のブロックチェーンであるBinance Smart Chain(BSC)のメインネットが稼働し、そちらへ移行。ETHの手数料が高騰するなか、第2のスマートコントラクトのプラットフォームとして取引が増加しています。もともとBNBは定期的なバーンによって流通量が減る仕組みになっていて、これもあって価格がじわじわと上がってきていたのですが、このBSCのブレイクで一気に高騰しました。

 

今後でいうと、すでに時価総額が6位まで上がってしまいましたが、Polkadot(DOT)は興味深いソリューションだと思います。ぼくは、価格が上がるかどうかではなく、それが世の中にどんな価値や影響を及ぼすかで選定するタイプなので、こうした取り組みを注視しています。

 

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