太陽光発電所の発電に最も大きな影響を与えるのは天候です。雨や曇りなら大きく発電量は減りますし、晴天ならばスペック上のマックスまで発電してくれます。では、いったいどのくらいの期間晴れていて、晴れと曇りや雨ではどのくらい発電量が違うのでしょうか。千葉・白子市に設置した発電所のデータから、考察してみました。
白子発電所のスペック
まずは前提の白子発電所のスペックから。低圧発電所(パワコン49.5kWh)でパネルはJINKOの87.42kW。2倍までいかないちょい過積載の発電所です。前面に道を挟んで民家があり、また電柱が正面に立っていますが、全般に日当たりは悪くない感じです。
稼働は1月半ばからなのでフルに発電しているのは2月、3月、4月ですが、月間の発電量は8900kWh、9200kWh、11000kWhと、僕の発電所の中でもなかなかの優等生です。
12時台1時間の発電量
まず天候による影響を見るため、晴れていてば最も発電してくれる12時台の1時間の発電量について、1月〜4月のヒストグラムを見てみます。横軸は発電量、縦軸はその区間の発電を行った日数です。
けっこうな割合でフルスペックである50kWh以上を発電していることが分かります。43%がフル発電です。また、45kWh以上の「ほぼフル」の割合は62%にのぼります。
一方で、10kWh以下という、ほぼ発電していない、つまり大雨とかの日も8〜9%くらいあることが分かります。40kWhあたりまでは、ほぼ同頻度で分布している感じです。
同じ内容を、今度は月別で見てみます。こちらは天候の違いが如実に表れました。2月はやっぱりよく晴れていたんですね。ただ全体として、春になるほど多く発電した日が増えているようにも見えます。
時間帯別に見る
今度は時間帯別に見てみましょう。12時に45kWh以上を発電した日を「晴れ」と定義して、時間帯ごとの発電量の平均を見てみます。期間中116日のうち、「晴れ」に当たるのは72日、それ以外は44日でした。「晴れ」の1日あたり平均発電量は377kWh、それ以外の日の平均発電量は207.0kWhです。
晴れていれば、だいたい10時から14時くらいまではパワコンマックス値の49.5kWh近くまで出ている感じですね。
日の長さを比較する
天候とは別に、発電量の多寡を左右する要素が日のながさです。冬は遅く太陽が昇り、早く沈みます。夏になっていくと、早くから太陽が昇って遅くまで輝いているわけです。これをチェックするために、朝と夕方の発電量をグラフにしてみました。なお、天候状態の変化はノイズになってしまうので、ここでは「晴れ」の日だけを取り出してグラフにしています。
まずは朝5時、6時、7時、8時です。夏に近づくにつれて早朝の時間帯の発電量が増えていっているのが一目で分かります。4月に入ると5時台も少しですが発電を始めています。逆に8時台は4月に入るとパワコン上限値(49.5kW)に達してしまうことも増えてきています。
夕方はどうでしょうか。こちらも同様の傾向です。18時台は5月には行ってもほとんど発電していませんが、17時、16時、15時台は日が長くなるにつれて発電量が増加して行っています。
では日中の最も発電する時間帯はどうでしょうか。11時、12時、13時台のグラフがこちらです。夏に近づいても、ほぼマックスに張り付いていて、変わりないことが分かります。この時間帯は季節に関係なく、天候だけが発電量に影響を及ぼすということですね。
晴天率
最後に、晴れの日の比率です。なるほど、2月は日はまだ短いものの晴天率が75%にも達していました。逆に3月は52%まで下がっています。これが日の長さと相殺されて、ほぼ変わらぬ発電量になった感じです。4月は日も長く晴天率も67%と多めだったので、月間発電量も順調に増えました。
今回は白子発電所に取り付けたエコメガネのデータを使って、時間帯ごとの季節変動状況や天候変化による影響を考察してみました。こんなふうにデータがとれるのが太陽光の面白いところでもありますね。