FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

700万円から大暴落したBitcoin これまでとこれから

 Bitcoinの暴落がすごいですね。「このまま1000万まで行く」と言っていた人たちも、「下がったときが買い時」と言っていた人たちも、最高値から50%も下落するとさすがに声が小さくなってきているようです。総悲観状態? という感じでしょうか。

 

希望から急速に値が上がり、そして暴落したBitcoinの流れをイベントとともに振り返って、今後を考えてみましょう。

第一章:1年前。100万円から過去最高値更新まで

思い起こすと、1年前のBitcoin価格は100万円を切っていました。じりじりと上場し始めていましたが、上昇のきっかけとなったのは、米国企業の動きです。

  • 2020年8月 マイクロストラテジーが現金の代わりにBitcoinを購入
  • 2020年10月 スクエアがBitcoinを購入
  • 2020年10月 PayPalがBitcoinの取り扱い開始f:id:kuzyo:20210524181749j:plain

その後11月6日には急騰し、160万円超え。ちょうど米大統領選挙開票のタイミングでした。その後、11月18日に190万円を超え、時価総額ベースで過去最高水準に達します。

 

そして12月1日に、3年ぶりに200万円を超えました。ドル建てでは過去最高。この過去最高値までの相場は、日本が主導した17年のバブルとは異なり、米国主導。しかも、個人投資家ではなく企業や機関投資家がBitcoin買いに走ったのが特徴です。

 

報道も、この頃から円建てではなくドル建てで表記することが増えてきました。12月17日には円建てでも過去最高値となる230万円を突破。幸福の中で、2020年は幕を閉じました。この過去最高値更新までが、Bitcoin復活の第一章でした。

第二章: 半年前。新高値700万円まで

過去最高値を突破してからのBitcoinの価格上昇はすさまじいモノがありました。とはいえ1月はかなりの乱高下があり、足踏みします。一次430万超えまで上昇するも、1月12日は340万円まで下落。高値から20%超の下落でした。

 

この頃から国内投資家の間でもBitcoinが再び注目され始めます。仮想通貨取引所の預かり資産は軒並み上昇し、17年のバブル期超え。これまで株式メインで仮想通貨には目もくれなかった人たちが、「Bitcoinいいかも?」と参入してきた頃です。

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2月8日には、テスラがBitcoinを1600億円分購入したことを明らかにしました。これを受けて価格は急上昇。24時間で18%も上昇する急騰で、価格は480万円を超えます。

 

初期にBitcoinに投資したマイクロストラテジーなどと同様に、インフレ対策をうたい、またテスラ車をBitcoinで購入できるようにするなど、決済面でもサポート。カリスマであるイーロン・マスクがかなり前向きな発言をTwitterで繰り返したこともあり、仮想通貨業界は熱狂です。

 

その後2月12日にはMastercardもBitcoin取り扱いを発表。Bitcoin価格は500万円を突破します。この頃マイクロストラテジーは転換社債を発行してそれでBitcoinを購入しており、企業価値の多くがBitcoinと連動する、まるでBitcoinファンドのような状況になってきました。

 

3月15日には6万ドルを超えます。時価総額は1.1兆ドルに達しました。1兆ドル超えというのは象徴的な数字で、GAFAなどの時価総額に近づいたということを意味します。この頃から、新たなアセットクラスとしての見方が定着し、仮想通貨投資家の間では幸福感が広がっていきました。

 

そして4月にはついに700万円を突破します。ほぼ同時に米Coinbaseがナスダックに上場し、時価総額7兆円規模と、三菱UFJフィナンシャルHDと同規模だと話題になりました。同時期に、アルトコインの急激な上昇も始まりました。

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Bitcoinが700万を超えた4月から、Bitcoinは下がり続けています。一方で、アルトコインはここから暴騰し、XRP、ETH、BNBなどは2倍以上に上昇しました。Bitcoinに続いてアルトコインのターンが来るというのは、17年のバブル期にも見られた現象ですね。

第三章:イーロン・マスクの心変わり。暴落

こんな熱狂のさなかにあった仮想通貨ですが、5月にムードは一転します。Bitcoin積極派とみられていたテスラのイーロン・マスクが13日に突如、「環境に悪いのでBitcoin受け入れを停止する」と発表したのです。

 さらに、時を同じくして中国政府が仮想通貨の取り締まりを強化するという報道があり、それが下落を後押ししました。特に名指しされたのがマイニングで、中国に集中していたマイナーにとって、これはかなりのリスクです。

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Cambridge Bitcoin Electricity Consumption Index (CBECI)

こんな出来事が重なり、5月半ばからBitcoin価格は急落。600万円で推移していたものが、一挙に400万円を切るところまで暴落することになりました。

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第四章:これから

最高値の700万円超えからすると半減してしまったBitcoin価格。現在はかろうじて400万円を回復していますが、さて今後はどうでしょうか。一つ覚えておかなくてはいけないのは、下落したとはいえ、400万円はまだ2021年初頭の価格だという点と、17年バブル期の最高値である200万円のさらに倍だということです。

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これは21年に入ってから仮想通貨を購入した人にとってはがっかりな結果であることには違いありません。しかし、現在含み損とか大きな損失を出しているのは、21年に入ってから購入した人と、トレードに明け暮れていた人だけ。20年に買った人は大幅な利益を出している状況なのです。Bitcoin価格の急落と同時にアルトコインも急落しました。ただしそれでもまだ4月時点から比べてプラス圏であることにも注意です。

 

これはそれぞれがさらに下落する可能性があることも意味していますね。一方で、このあたりで下げ止まるという可能性もあります。改めて17年のバブル期の上昇と崩壊を見てみましょう。

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17年11月から急上昇したBitcoinは12月にピークとなる220万円を付け、年が明けて急落しました。最高値からだいたい半値となり80万円前後です。ただしこの価格は、急上昇直前の11月くらいの価格です。夏頃は20万〜30万円くらいだったことを忘れてはいけません。

 

数年スパンで見れば、Bitcoin価格はジリジリと上昇しており、間に急騰と急落が入ったために「バブル」などと言われたわけですが、その部分をさっ引いてみれば、たんたんと上昇してきたわけです。

 

Bitcoin長期チャートを見てみましょう。チャートは素人なので正しいトレンドラインの引き方は分からないのですが、着実にBitcoinの価格は上昇していることが分かります。チューリップバブルのように、過去の価値をすべて失ってしまうバブルもあれば、暴騰と暴落を繰り返しながらも、基本的には価値を増大させていくものもあります。

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そしてBitcoinは明らかに後者。今回のバブルの余波で「仮想通貨はもう終わりだ」くらいのムードだったりしますが、全然そんなことはありませんね。適正な価値が果たしていくらなのかは相変わらず分かりませんが、明らかにBitcoinの価値は増加し、多くの人が企業が、新たなアセットクラスとして認めるようになりました。

 

引き続き、HODL。また3年後には今度は1000万円を超えて上昇するでしょう。それが仮想通貨に関する基本的なスタンスです。

 

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