FIer: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIerを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

学歴はどこまでカネで買えるのか

「学歴社会」なんて批判されても、学歴は人生で最も効果の高い「資格」であることは間違いありません。上場企業レベルなら、多くの場合学歴で足切りしていますし、大企業の社長のほとんどは上位大学卒です。

 

そこで親なら気になるのは、カネを出せば学歴は買えるのか? ということ。ここをちょっと考えてみます。

 大企業社長の9割は大卒

東京商工リサーチの調査(2016年)によると、大企業の社長の9割が大卒以上の学歴でした。これは、逆の意味で意外かもしれません。中卒が約0.5%、高卒が8.3%、短大卒も0.3%います。そして調査対象の「社長130万人」の全体でいうと、大卒以上の学歴は55%程度まで減少します。

 

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「130万人の社長データ」調査 : 東京商工リサーチ

ただし、これは時代背景もあるでしょう。社長が20代から70代、80代以上までたくさんいる中で、昔は大卒というのはたいへんレアだったからです。下記の年代別最終学歴を見ると、80歳代以上では大卒は4.4%しかいないのに対し、20代、30代では3割近くに達しているからです。 

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年齢階層別の最終学歴をさぐる(不破雷蔵) - 個人 - Yahoo!ニュース

とくにこれは男性で顕著で、平成22年(2010年)の国勢調査では、15歳以上年齢で、大卒以上が28%にのぼっています。

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統計局ホームページ/国勢調査からわかったこと

日経225採用銘柄の社長の最終学歴も見てみましょう。こちらは2016年の調査ですが、まぁ東大を筆頭に、慶應、早稲田、京都、一橋といった大学が並びます。私大だと、立教、法政、中央、明治、日大あたりが分水嶺な感じです。

東大生の家庭の年収

ではこうした学歴と親の年収の関係はどうでしょうか。なるほど、東大生の家庭の年収の高さは圧倒的です。ざっくり、半分が年収1000万以上の家庭ということになります。 

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「東大生の親」は我が子だけに富を“密輸”する | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 まぁこれも逆に見れば、年収350万円以下でも9%近くが存在するし、年収が低い家庭ならば東大に入れないかといえば、そんなことはないとも言えます。

 

東大生の塾通いの状況を調べた結果を見ると、意外と塾に行かずに入学していることが分かります。これはもう20年も前のデータなので、かなり変わっているとは思いますが。。。1、2年生の場合、塾に行っているのは4割、3年生でも55%です。ただし、その裏には約半数を中高一貫校が占めていることがあります。中高一貫校上位校は、半ば東大に入るための塾と化しているところがあり、高校生活というより一日中受験対策という感じだというのです。

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東大学内広報2001年

 

では、こうした上位高に入るということは、カネで買えるのでしょうか?

年間40万〜80万円の塾代

東京に住んで驚いたのは、地域にもよりますが、けっこうな人数が中学受験をすることです。そして、中学受験は本人一人の努力ではどうにもならず、どこかしらの塾に通うことになります。

 

そしてこの塾代が高いんですね。月謝は月額5万円前後ですが、そこに休み期間の講習がプラスされ、年間で見ると40万から80万円ほどの費用がかかります。さらに、上位塾であるSAPIXなど、「SAPIXの授業についていくための塾」があるとかいわれ、まさにカネで成績を買う状態になっています。 

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中学受験にかかる小学生の塾費用は?|私立中学にかかる費用まで徹底解説

 中学に受かってからも、これは変わりません。例えば、東大合格数で定評のある筑波大学付属駒場中など、入学した子どもの多くが東大専門塾の鉄緑会に入るといいます。筑駒自体は自由でのびのびとした校風だといいますが、その裏では塾で受験指導をガンガン受けているわけです。

 

まさに高学歴を得る裏には、多額のカネがかかった塾が存在していることが分かります。

因果関係か相関か

さて、こと大企業へ就職するには高学歴は重要で、そして高学歴への道として、中高一貫校があり、そこには年間40〜80万円もかかる塾の存在があることが分かりました。問題は、このようにカネを出せば学歴が買えるのか? ということです。

 

塾に入ったから高学歴が得られたのか、もともと優秀な人が塾から中高校一貫に入って高学歴を手に入れたのか、どちらなのでしょうか。上位の塾は入ること自体がけっこうな難関で、そのあと中高一貫の上位高に入る人は塾の中でも上位の子どもです。そこから難関大学に合格するのはさらに上位となります。

 

仮説Aとしては、もともと優秀な子どもがいい塾に入って上位中高一貫校に入って難関大学に合格して高学歴を手に入れたのでは? ということです。その人の優秀さは、生まれと環境の両方が影響すると言われますが、生まれの良い子の親は優秀であり高収入を得ている可能性が高く、だからこそ高額な塾代や私立中高の学費を払えたのでは? という仮説です。

 

仮説Bは、生まれが優秀でなくてもしっかりとした塾と中高一貫校に通えば、難関大学に入れるというものです。両親が必ずしも優秀でなくても、カネの力で環境を整えれば、高い学歴を手に入れられるというものです。

 

正直、実感値としては仮説Aも仮説Bも両方あり得るというものになります。しょうもない結論ですが、もともと優秀な子でも道を外れてしまうことはありますが、塾から中高校へ進む中で環境が整えば、難関大学を目指すことが普通だと思うようになるでしょう。また、東大とは別としても、慶應幼稚舎から慶應大学に進むようなパスは、カネとコネでけっこういけるものだとも聞きます。

 

自分自身を振り返ると、地方の公立高校から、全く塾や予備校に通うことなく大学に進学したので、仮説Aも仮説Bもよく分かりません。先生から価値ある学びを得たという経験がほとんどなく、基本的に独学だけで進んできたので、実感値がないのです。

 

それでも東京の塾の凄さは肌身に感じています。上位の中高一貫校は、東大や医学部に何人合格させるかがスコアになっていて、早慶上智程度なら入って当たり前というような感じなのです。

 

地方の公立高校出身者としては、東大京大に進むのは限られたトップクラスの何人かで、早慶上智もけっこうな上位者です。そういうのとは感覚が違うんだなぁということを身にしみて思うわけです。最後の考察が甘くなってしまいましたが、東京コワイの一言です。上位中高に進めば、東大とかが普通にターゲットになることは分かりましたが、逆に中位校とか低位校に入ってしまったら、東大とかはあり得ないという感じになるのでしょうか。

 

ある程度の企業に入ると、自分の同期が全員少なくとも早慶上智以上という環境になります。そうしたセグメント分けが中学の時点から起こるというのは、東京で子育てすることの善し悪しでもありますね。 

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