資産管理法人で太陽光、不動産、さらには株式投資などを行ったときに、問題となるのが法人に貯まった資金の移動方法です。すべて法人名義で済ませるという手もありますが、僕の法人は残念ながら信用取引の口座が開けられていないので、余剰資金はできるだけ個人に戻す必要があります。
しかし、法人の銀行口座では振込手数料無料というのは極めてまれで、単に資金を動かすだけで費用が発生してしまいます。これをどうしたらいいでしょうか?
現在の銀行口座の状態
まずは、ぼくの法人Aと法人B、そして個人の銀行口座の状態を、簡単にまとめたのが下記の図です。これは主要な口座を書いただけで、ほかにも個人のPayPay銀行やゆうちょ銀行、新生銀行、プレスティア(三井住友信託銀行)、法人側でもみずほ銀行や信用組合など、大量の口座があるのですが、比較的メインに近い利用を想定しているものだけを抜き出しました。
個人側の銀行口座状況
まずは上部の個人の口座状況の解説から。まず昨今、銀行と証券会社は銀証連携といって、特定のグループで結びついています。連携すると、自動的に資金を行き来できたり、即時移動できたりと大変便利なわけです。楽天ならマネーブリッジ、SBIならハイブリッド預金ですね。
で、昨今の証券会社は、数多くの銀行から無料かつ即時に入金が可能になっています。上記の証券会社と銀行で問題なのは、日興証券とGMOあおぞらネット銀行です。
まず日興証券は三井住友銀行からしか即時入金、即時出金できません。さらに他行からの入金は振り込みが必要です。他行への出金は手数料無料で可能ですが、こちらは即時にはなりません。
GMOクリック証券は、さまざまな銀行と即時入金可能、かつ手数料無料で出金が可能なのですが、問題はGMOあおぞらネット銀行です。楽天証券もSBI証券も、GMOあおぞらネット銀行からの即時入金は対象となっていません。
これが何を意味するか。楽天証券への即時入金が可能な銀行ならば、とりあえず楽天証券に入金してしまえば、その日の夜には楽天銀行に自動的に残高が移ります。ぼくは楽天銀行を資産管理のメイン銀行としているので、楽天証券へ入金さえできれば、それは手数料無料でかつほぼリアルタイムに楽天銀行に資金を移せることを意味するわけです。
しかし、GMOあおぞらネット銀行については、この手が使えません。回数に制約のある振り込みを使って他行に送金するか、いったんGMOクリック証券に入金して、クリック証券から手数料無料で好きな銀行に出金するという流れが必要になります。
実は無料ではない法人口座の同行宛て振り込み
では、そんな制約がありながらなぜGMOあおぞらを活用しようと考えているのか。その謎を解くには、今度は下側の法人の箱を見る必要があります。法人にため込んだ資金は、できるだけ安価なコストで個人に送金できるようにしたいわけですが、銀行の法人口座は、個人よりもコスト高なのです。
これまで、法人口座であっても同行内の資金移動なら手数料無料で行えるのが、GMOあおぞらネット銀行と三井住友銀行でした。法人Aでは三井住友銀行の口座を活用して、日興証券に入金するという技をよく利用しています。
楽天銀行も住信SBI銀行も、同行内なら手数料無料で即時振替というイメージがあると思いますが、法人口座からは同行宛てであっても、これまでは手数料がかかっていました。ところが、住信SBI銀行も、10月1日の振り込み手数料改定で、ついに法人からの同行宛て手数料が無料に。まだ10月以降の振込手数料を発表していない楽天銀行ですが、こちらも無料となることが期待されます。
さらに、法人口座は振込手数料無料回数というのが存在しません。唯一の例外は、住信SBIネット銀行で、特定の条件をクリアすれば振り込み無料回数が付与されます。
というわけで、法人から個人口座へ手数料無料で資金を移動できるのは、下記の3つ。そして楽天銀行に期待ということになります。
- 三井住友銀行
- GMOあおぞらネット銀行
- 住信SBIネット銀行(10月1日から)