FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

ブロードリーフ優待の歴史と権利落ち下落 優待アノマリはあるのか?

12月の目玉優待銘柄といえば、ブロードリーフ。100株あたり1000円の金券を優待として付与することで注目を浴びました。ところが、その利回りの良さから早期に一般信用は枯渇。簡単には優待クロスを行えません。なら、現物で持ったらどうか? 今回はそれを検証してみます。

ブロードリーフ優待の歴史

ブロードリーフが優待制度を導入したのは2016年の秋のことです。当時の株価は、分割調整後で500円程度。優待利回り1.4%にも達しており、発表直後に株価は572円から624円まで9%も上昇しました(それぞれ終値)。

 

翌年の17年は優待額を最大3万円に拡充するとともに、100株あたりの還元額も増加。そして18年には、1万株でなんと10万円分のクオカード進呈を発表し、優待界で大きな話題となります。

  • 2021/10/27 TOYOTA Wallet電子マネー 2万円/2000株
  • 2020/11/4 Visaギフトカード 2万円/2000株
  • 2019/10/18 Visaギフトカード 2万円/2000株
  • 2018/8/3 クオカード 2万円/2000株 10万円/1万株
  • 2017/9/22 クオカード 1万円/1000株 3万円/5000株
  • 2016/11/18 クオカード 9000円/1000株

しかし19年には10万円クオカードはなくなり、進呈はVisaギフトカードに。この頃から、「ブロードリーフはころころ優待を変える」「今年は本当にあるのか分からない」といった声を聞くようになりました。

 

その通り、今年21年はまたしても優待内容を変更。TOYOTA Wallet電子マネーの付与という、これまで聞いたことのない内容としました。

直近の株価

汎用性の高いVisaカードからTOYOTA Wallet電子マネーへの変更とあって、発表のあった10/27 12:30の直後、株価は下落。同日578円の初値から終値は568円へと2%弱落ち込みました。

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しかし、その後、11/8からは上昇をはじめます。減益発表でストップ安となった2月15日以来の高値水準である、599円まで上昇しました。

権利付き日に向けて株価は上昇するか?

ブロードリーフの現状をまとめた上で、本題です。ブロードリーフは12月の権利付き日に向けて株価は上昇するのでしょうか? 優待銘柄の場合、権利付き日に向けて2-3カ月前から株価が上昇し、権利落ち日に急落するというアノマリがよく知られています。

 

当然ですが、これは優待の頻度が少なく、優待の額が大きいほど強い傾向となります。ブロードリーフはまさにこの条件に当てはまるわけですが、実際の株価はどうだったでしょうか?

 

11月に入ってから、12月の権利付き日、権利落ち日までの株価推移はこうなっています(それぞれ終値。ヤフーファイナンスより)。

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好調2017年はともかく、ほかはよく分からないですね。そこで11月初日の株価を1として、年ごとに騰落を見たのがこちら。

 

優待導入前の2015年(点線)は、まぁダダ下がりです。優待導入の16年は、発表の11月18日から急騰していることが分かります。

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その後の各年も、19年は優待発表で急騰しているし、20年も優待発表とともに上昇しています。

  • 2021/10/27 TOYOTA Wallet電子マネー 2万円/2000株
  • 2020/11/4 Visaギフトカード 2万円/2000株
  • 2019/10/18 Visaギフトカード 2万円/2000株
  • 2018/8/3 クオカード 2万円/2000株 10万円/1万株
  • 2017/9/22 クオカード 1万円/1000株 3万円/5000株

勇退発表後の推移を見ても、18年を除けば順調に権利付き日に向けて上昇していることが分かります。だいたい、11月1日比で10〜20%上昇という感じでしょうか。

権利落ち日の下落状況

このブロードリーフの上昇は、優待効果のためだと思われます。そこで、優待権利が付いた直後、権利落ち日の下落状況もまとめてみました。青棒は権利付き日の株価に対する優待利回り、赤棒は権利落ち日の下落状況です。その2つを合計したものが、黄色い棒です。

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このように、11月1日に株を買って保有しても、権利落ち日まで持ち続けていると、権利落ち日の株価下落のほうが大きく、大きな損失になっていることが分かります。逆にいえば、優待がほしいがためにブロードリーフを買う投資家が増えたということでしょう。または、そういう投資家が増えたことを見越して、値上がり益を狙って買う投資家がふえたということでしょうか。

2021年の売り時は

2021年は10/27に、優待が実施されることが発表されました。今回は、VisaギフトカードからTOYOTA Walletへの変更が嫌気されたこともあって一時下落した株価ですが、やはり権利付き日に向けては上昇の兆しを見せています。現時点で、11/1に対して8%ほどの上昇です。

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個別株は当然市場全体の影響も受けますので、日経平均の動向をにらみつつではあるのですが、ペース的にはさらに10%くらい上昇してもおかしくはありません。雰囲気的には、12月頭くらいにピークを付けるイメージでしょうか。

 

ただし、そのまま持ち続けていると、優待を受け取ってもそれを上回る株価下落で損失を被ります。日経平均の状況を見ながら、11月後半から12月上旬のどこかで売却というのが、正しい戦略のようにも見えます。

 

本当ならば、そのタイミングで空売りを建てられれば最高なのですが、さすがにこれから一般信用売り在庫が出てくるのは望み薄。どこかのタイミングでの売却が現実解でしょう。

 

ぼくは優待マックスとなる2000株を2名義で保有中。現時点で、想定される2万円x2よりも高い含み益状態になっています。さっさと売却するか、もう少し上昇を待つか。優待アノマリという意味ではあと2週間くらい待つのもありですが、悩ましいところです。

 

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