FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

Tensor搭載のPixel6を買ってみた スマホもコモディティ化だね

f:id:kuzyo:20220113220048j:plainスマホは最も重要なITデバイスだと思っていて、かつApple陣営とAndroid陣営は、その最重要なプレイヤーです。そのため、Apple端末とAndroid端末を定期的に入れ替えて使っているという、不思議なことをしています。

 

というわけで、Googleのかなり気合いの入った端末であるPixel6を、ちょっと遅れましたが購入しました。

Android遍歴

iPhone 3Gの時からのiPhoneユーザーですが、同時に初期からのAndroidユーザーでもあります。iPhoneは、2年おきに買い換えて使っていますが、Androidのほうはだいたい次のような遍歴でした。

  • GALAXY SII  2011年
  • NEXUS 5 (メイン端末) 2013年
  • XperiaZ2 (メイン端末) 2014年
  • NEXUS6 (メイン端末) 2014年
  • XperiaZ5 Compact (メイン端末) 2015年
  • Honor8 (メイン端末) 2016年
  • GALAXY NOTE8(メイン端末)2017年
  • Pixel4 (メイン端末) 2019年
  • Rakuten Mini  2020年

思い出深いのは、Google製端末とファーウェイ端末です。NEXUS5は性能の割に価格が安く、非常にコスパが良いモデルでした。Pixel4は、そこまでのコスパの良さは感じませんが、Android端末としての一つの完成形を感じたものです。

 

またファーウェイ端末のHonor8は、恐ろしいほどのコスパの良さに愕然としました。カメラもいい、CPUも早い、それでいてこの価格。なるほど、これに対抗できるスマホメーカーは、もはやiPhoneくらいしかなく、中国の時代になるな……と思ったものです。

 

ところがまさかの米国のファーウェイ排除で、CPUをTSMCに製造させることもできず、Google各アプリを使うこともできなくなって、スマホ市場からファーウェイは存在感をなくしていくわけですが、これは政治的敗北であって技術的敗北ではありません。

オリジナルチップTensor搭載のPixel6

そして、Pixel6です。このスマホは、GoogleカスタムチップのTensorが最大の特徴です。スマホのCPUは、独自プロセッサを持っているところは限られています。iPhoneのA15とか、サムソンのExynos、そしてファーウェイのKirinなど。そのほかのほとんどのスマホは、Qualcommの汎用スマホプロセッサであるSnapdragonを使っているのです。

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確かにSnapdragonを使ってAndroid OSを入れれば簡単にスマホができあがるわけですが、これでは安く作れても世界トップシェアには到達できません。これまでGoogleのPixelシリーズもSnapdragonを使っていたわけですが、今回初めて独自チップのTensorを搭載したわけです。

 

とはいえ、スマホ向けCPUは基本的にすべてArmベースのCPUであり、そこにSoCとしてさまざまな要素を付け加えていますが、根本的なアーキテクチャは変わりません。そして、ハイエンドの半導体を製造できるのは、米Intelか台湾のTSMCか韓国のサムソンしかなく、Intelのスマホ向けCPUは実質存在しないので、サムソンのCPUはサムソンが作っていますが、そのほかはほぼTSMCが製造している状況です。

 

そんな中、TensorはGoogleオリジナルと言いながらも、製造はサムソンが行い、サムソンのExynosと多くの共通点があるといいます。つまり、AppleのAシリーズチップのようにゼロから開発したというよりも、Exynosに一部の機能を追加した派生チップと見たほうがよいようです。

Pixel6の魅力

で、Pixel6はどうか。ディスプレイ内蔵指紋センサーとかカメラのコンビネーションとかいくつかのポイントはあるにせよ、やはりTensorチップが最大の特徴ではあります。そしてこれが生きているのが、リアルタイム翻訳機能とリアルタイム文字起こし機能です。

 

Pixel6搭載のレコーダーアプリには、音声の録音と同時に文字起こし機能が搭載されていて、Tensorの機能を使ってリアルタイムに文字起こしをしてくれます。実はPixel3以降なら、同様に日本語文字起こし機能が利用可能なのですが、それにはインターネット接続が必須。しかしPixel6はTensorのパワーを使って、オフラインでも利用できるというわけです。

 

そんなわけで、リアルタイム文字起こしを使ってみました。正直、すごい。話言葉なのにガンガン文字にしてくれます。しかし、驚くほどの精度かというと、そうでもありません。やっぱり人間が文字起こしするのには全然敵わない。そんな精度ではあります。

 

ただし、レコーダーとしてかなりよくできています。まず、自動文字起こしされた文字をタップすると、その時点の録音データに飛びます。そこで再生ボタンを押せば、音声が再生される。つまり、不完全だとは言いながら、文字起こしされたデータから「本当はなんて言っているのか」をすぐに簡単に音声で確認できるのです。これは素晴らしい。

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もう1つは、本当に細かなことですが、巻き戻しボタンが5秒戻し、早送りボタンが10秒戻しになっているということ。これは細かなことですが、とっても重要で、初めて文字起こしをする人の気持ちに添ったUIになったと感心したところです。どういうことかというと、巻き戻し10秒では大きすぎるのです。

 

レコーダーで巻き戻しボタンをどんなときに使うかというと、聞き取れなかったのでもう一度聞くというニーズですね。これは5秒がぴったりなのです。でも、こんな当たり前のことができているレコーダーはこれまでほぼありませんでした。ちなみにiPhoneの巻き戻しボタンはなんと15秒も戻ってしまいます。何も考えていない例です。

確かにサクサク動くけれども

さて、レコーダーアプリはよく出来ていると思いましたが、全体としてはどうでしょう。実は、6.4インチという大きな画面とはいえ200g超という重量は重いなぁなんて思いつつも、7万円少々という価格からすると、いずれも妥当な感じで、特に素晴らしいと思うほどのことはありませんでした。

 

ファーウェイのHonor8のように、このパフォーマンスが3万円台で!というほどのコスパの良さも感じません。

 

確かに、AppleのA14 Bionicに比べると、体感速度は多少上。サクサク動く感じはします。とはいえ、A14を載せたiPhone 12 miniがもっさりしているかというとそんなこともありません。

 

なんというか、あんまり変わらないなぁ……というのが正直な印象です。

 

Honor8の頃までは、新しいスマホを買うと、OSの進化も相まって、おお!こんな機能が付いた、こんな速くなったと感じることがありました。ところが、ここ数年は、新しく買い換えても、特段良くなったという感じがしません。スマホの進化が止まったとはいいませんが、まさにコモディティ化してきたんだなとしみじみ感じるのです。

 

こんな感じならば、同じスマホを3年とか4年とか、セキュリティパッチがあたるのであれば5年くらい使い続けても、あまり問題ない時代になってきたというようにも思います。それだけ完成されたデバイスになってきたということです。

 

スマホがなくなる未来は現在のところ想像できないし、2年より買い換えサイクルは長くなるにしても、クルマよりは短いスパンで買い換えざるを得ません。となると、大したイノベーションが無かったとしてもスマホは継続的に売れ続けるでしょう。ただ、大きな値上げを許容できるような革新的な機能が盛り込まれるとか、ユーザー数が一気に拡大するような仕掛けが入ってくるとか、そういうことはもはや考えにくい。

 

価格とデザインとマーケティングで勝負する、まさにコモディティ化してきたんだなと思うところです。

 

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