今回は、子どもの確定申告です。ただその前に、せっかくなのでマイナンバーカードを使ったe-Taxを試してみて、トラブルに陥りました。
スマホでマイナンバーカード読み取り→e-Taxが可能に
2022年に行う確定申告では、新たに「2次元バーコード マイナンバーカード方式」という手法が追加になりました。確定申告は、必要な書面を作成したら、それを送信する方法が複数あります。
(1)郵送は最も古典的な方法です。(2)ID・パスワード方式は、事前に税務署に出向いてIDとパスワードを入手する方法。(3)はマイナンバーカードを読み取ることで送信できる仕組みなのですが、Windows PCと専用のリーダーライターが必要で、極めてハードルが高くなっていました。
そして、今回ついに真打ちの(4)2次元バーコード方式が登場です。これは、スマホを使ってマイナンバーカードを読み取ることで、書類を送信できるという仕組みです。PCで入力作業するので、PC画面に表示された2次元バーコードを、スマホで読み取り、続けてマイナンバーカードを読み取ると、PC側で認証が完了するという仕込みです。
良く出来た仕組み
国のマイナポータルに行くと、サービスを利用するためにログインできるわけですが、この際の認証を、マイナンバーカードと発行時に登録した暗証番号で行えるようになっています。
Webサービスにログインするために、どうやって手元のカードを使うのかというと、画面上の2次元バーコードを「マイナポータルアプリ」で読み取り、続いて暗証番号を入力し、最後にアプリからマイナンバーカードを読み取ると、Web側でログインできるようになっています。
先に読み取るのではなく、先に暗証番号を打つあたり、ちょっと戸惑いましたが、これならばまぁ郵送などよりは使い勝手がよく、セキュリティも高いのではないでしょうか。
国税庁の確定申告アプリでも同じ
流れは国税庁の確定申告アプリでも同じです。最初に、バーコードを読み取ってログインし、名前(の読み仮名)やその他の項目を入力します。
その後、紙のときと同じように情報を入力したら、最後に「e-Tax」送信が可能です。表示されたバーコードを読み取って再び暗証番号を入力し、マイナンバーカードを読み取るわけですが……。
1回目なのにパスワードがロック
え???? パスワードを入力してマイナンバーカードを読み取ったら、いきなり「ロック」のメッセージが。
何?何? どういうこと? と思い、調べると、マイナンバーカードの署名用電子証明書は5回入力を間違えるとロックされ、復帰には役所に行かなくてはならないそうな。でも1回しか入力していないよ……? と思いつつ、別アプリで残り施行回数を調べると、なんと0回! 確かにこれはロックされているということなのかも。
しかし、どうにも腑に落ちません。そこで、子ども2人目も同様に入力してやってみました。すると、またしても1回目で「ロックしています」の表示。うーん。これはおかしいぞ……とTwitterで書いたら、親切に署名用電子証明書の発行について教えていただけました。
マイナンバーカードを使って、確定申告のe-tax提出しようとしたら、
— セミリタイア九条 (@kuzyofire) 2022年1月30日
パスワードロックされたぞ!
しかも、「何度も確認して入力したパスワード」
かつ最初の一回でロック……
しかも、2人続いて同じようにロック!
恐らく、15歳未満は署名用電子証明書が発行できないので弾かれてるのかと思います。
— サム (@sam_invest1985) 2022年1月30日
昨年同じようなことがあり、税務署に行ってIDパスワードを発行してもらうと15歳未満でもetaxで申告できるかも、というところまでは分かりましたが、子供連れて税務署行く必要あるので紙で提出してしまいました
15最未満は署名用電子証明書が発行できない
実はマイナンバーカードには暗証番号が4つもあります。
- 署名用電子証明書用 英数字6〜16文字 e-Taxなど
- 利用者証明用電子証明書用 数字4桁 サイトログインやコンビニ交付
- 住民基本台帳用 数字4桁 役所の転入手続き用
- 券面事項入力補助用 数字4桁 区役所の窓口で個人情報をデータとして提供する際に使用※現在は利用されていない
言葉が役所言葉で分かりにくいことこの上ないのですが、要はログインして情報を引き出す用途なら、数字4桁のものでOK。e-Taxなどは作成した書類が本当に本人のものだと証明するための署名を作るパスワードが必要になるってことです。
そして役所に電話して聞いたところ、署名用電子証明書用は「15歳未満は原則発行していません」ということでした。あれー。発行時にそんなことは言われた記憶がないんだよな。さらに、e-Taxで出そうとしたら、「署名用電子証明書がありません」ってメッセージを出せばいいのに、いきなり「ロックされました」じゃあ、適切なエラーじゃないよね。惜しいところで、致命的な失敗をしている感じです。
というわけで、「署名用電子証明書用は15歳未満には原則発行しないので、マイナンバーカードによるe-Taxは15歳未満は利用不能」だということが分かりました。
役所によると、本人と法定代理人が身分証明書を持って窓口に行けば、即日、15歳未満でも発行してくれるそうです。ぼくは役所に出向いてマイナンバーカードを作ったのですが、「どうして作るときに署名用電子証明書用を作りますか?と聞いてくれなかったんですか?」と尋ねたら、「国から、原則15歳未満には発行しない。ただし、法定代理人から強い申し出があった場合は対応するよういわれている」そうで、だから強い申し出がない限り、確認もしないんだそうです。落とし穴でした。
今回は、結局印刷して郵送したのですが、来年以降を考えると、署名用電子証明書用を作っておきたいものです。どこかのタイミングで頑張って出向こうかな……。