最近、太陽光発電については追い風なのか逆風なのか、さっぱり分かりません。今回は、経産省からおどろおどろしい手紙が来たお話です。
発電の9%を占めるようになった太陽光発電
東日本大震災後、原発から自然エネルギー発電への流れがあって、太陽光発電に高額なFIT(固定買取制度)が設定されたのは2012年のこと。それまで発電の3割を占めていた原子力は軒並み停止となり、代わりに天然ガス発電と石炭発電の比率が大きく増加しました。
その間、太陽光発電は急速に普及します。FIT開始から10年経って、自然エネルギーが発電量に占める比率は21.2%で、太陽光発電は8.9%とその中でもトップとなっています。
【速報】国内の2020年度の自然エネルギー電力の割合と導入状況 | ISEP 環境エネルギー政策研究所
批判も増えた太陽光発電
発電量の多くを占める一方で、批判も増加しました。FITの原資となるコストは「再エネ付加金」として消費者に転嫁されていることが突然批判されたり、熱海で起きた土砂災害では上部にある太陽光発電所との関係が疑われました。
もっとも、熱海の災害は太陽光発電所とは無関係だということが、その後の調査で判明しましたが、イメージが悪くなったのは否めません。
先日も、廃棄積立が必須化され、事業家には追加のコストが発生することになってしまいました。インボイス制度のスタートにより、益税が失われる可能性があるなど、制度面からは逆風を感じます。
経産省からお尋ね
イメージが悪くなったから経産省が動き出したのか、イメージを悪くするよう経産省が動いているのか、それは分かりませんが、経産省から下記のような手紙が来ました。
さっさと回答しないと、罰金30万円とか書いてあって、ちょっとイヤですね。EPC業者に連絡すると、「こんな手紙をもらったのは初めてだ。法務とも相談して回答する」というお返事。あら、これレアだったんですね。
ちなみに手紙が名指ししていたのは、山の麓にある木更津発電所。別に山中にあるというわけではなく、山沿いの道に沿った平地にあるので、土砂災害の原因になる可能性なんてなく、逆にもし土砂災害が起きたらぼくの発電所が埋もれてしまう……という場所なのですが、役所は「土砂災害危険区域」に当たっていたら一律で手紙を出しているのでしょう。
紙での回答のほか、ネットでの回答も可能となっています。このあたりは役所もだんだん進歩しているなぁという感じ。
こんな感じで、設計図はあるか、地盤試験データはあるか、などなどを答え、写真などもアップロードを求められました。現地にいったら、各所の写真を撮っておくのも大事なものですね。
さて、提出はしたものの、その後どうだという返信は経産省からはありません。きっと、こうしたデータを取りまとめて、その後、何かの政策決定の参考資料として使われるのでしょう。どうにもポジティブな話ではなく、ネガティブなことにつかわれるような気しかしないのですけれども。