今日は衝撃のニュースが出ました。サンショウウオで有名なオリックスが優待廃止です。
優良優待銘柄
オリックスといえば、豪華な優待で有名な会社です。優待銘柄の多い3月ということもあり、また発行株式数が多いこともあって、けっこうギリギリでも一般信用で残っているし、最後、制度信用で取ってもペイする感じの銘柄でした。
要するに、優良優待銘柄です。それが、「配当による利益還元に集約」ということです。
新たに優待を始める企業もけっこうあるので、優待廃止がトレンドだとは思いませんが、これは驚きました。
優待はあと2回
ただ、さすがに影響を考慮したのか、廃止は2023年3月末が最終となります。つまり、
- 2023年3月末
- 2024年3月末
とあと2回もらえるチャンスがあります。優良優待銘柄が優待廃止を発表すると、株価が急落するということもけっこうあるのですが、約2年後となれば、早めに処分してしまう人もいれば、24年の優待をもらってから売ろうという人もいるでしょうし、下げ圧力は分散されるのでしょう。
優待コストはどのくらいかかっていたのか&配当は増えるのか?
では、優待コストはどのくらいかかっていたのでしょうか。FISCOのデータによると、単元株主数は75万3133名。オリックスは100株保有から優待が得られるので、75万3133人分の優待費用がかかることになります。
カタログギフトのコストは明示されていませんが、短期保有者がもらえるBコースは5000円相当、3年以上保有者がもらえるAコースは1万円相当と言われています。つまり、カタログ費用として、37億6566万円〜75億3133万円のコストがかかっていることになります。
そのほかに株主カードも付いてきますが、こちらはそこまでのコストにはなっていないのではないでしょうか。周りで使っているという話を聞いたことがないので。
さて、この37億〜75億円を配当に回すとどのくらい増配になるのでしょう。オリックスは優待だけでなく高配当の企業としても知られていて、配当性向も継続的に増加させつつ増配を続けています。
直近の配当は85.6円で、配当利回りは3.7%です。配当金は総額で1026億6100万円となっていて、当期純利益3121億3500万円のうち32.8%に当たります。
では、優待に回っていた37億〜75億円が配当に回るとどうなるか。配当金原資が1026億円から増加するわけで、配当は3.6%〜7.3%増えることになります。3円〜6.2円増えて、88.6〜91.8円になるわけです。
うーん。優待を廃して配当がこれだけ上がるのは、果たして嬉しいのかどうか。ちなみに単純計算だと、Bコース相当の人が優待廃止分を配当の増加で相殺できるのは、900株〜1700株以上持っている場合という感じです。