FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

4%を超えた米ドル金利を受け取る5つの手法

世界はインフレで話題騒然ですが、日本にいるとインフレはまだまだマイルドで、インフレに端を発した円安のほうがダメージを感じますね。そんななか、「ドルを持つのはいいよ」とは聞くものの、すでにドルの短期金利が4%を超えていることは実感がないかもしれません。今回は、ドルを持つことで4%を超える金利を得る方法について。

急速に上がったドル金利

米FRBは急速に利上げを進めていますが、それはつまりドルに付く金利が増えるということでもあります。では、どのくらいの金利が付くのでしょうか。下記はFRBが政策金利(FFレート)を上げ始めてからの2年〜30年もの金利の推移です。ちなみに2年金利というのは、2年もの国債の利回りのことをいいます。

Fidelity International

これを見ると、政策金利の上昇に合わせて短期金利も長期金利も上昇してきたことがわかります。今年1月の時点では政策金利は0.125%で、2年金利が0.870%、30年金利が2.110%でした。ところが直近は、政策金利が+3.0%ポイント、2年金利が+2.74%ポイント、30年金利が+2.09%ポイントとなったのです。

このグラフの軸を入れ替えて、長短金利が年月でどう推移したかが下記のチャートです。1年前は期先ほど金利の高い順イールドで全体に低かったのが、次第に上に膨らむとともに、2年もの、3年ものが最も金利が高い逆イールド状態になってきていることがわかります。

米国債金利推移 - イールドカーブ(1ヶ月~30年米国債) - 現在(2022-06-22,2021-09-23と比較)

これが意味しているのは、米ドルで2年資金を固定するなら4.2%、30年固定なら3.61%の金利が得られるということです。けっこうすごくありませんか?

外貨定期預金の状況

ではどうやってその金利を享受しましょう? まずは下記の楽天銀行を見てみましょう。うーん。6ヶ月ものでやっと1.00%、2年で1.70%。国債のイールドカーブでは2年もの金利が4.2%あるのに対して、ちょっと微妙ですね。

米国債を直接買ってはどうか

では金利そのものである米国債を直接買ってはどうでしょうか。下記は日興証券の既発債販売リストです。既発債なのですでに発行された国債を中途購入することになります。ただし、ざっくりと残存年数に応じて同じような利回りになるように価格が調整されるのが国債。新規債と大きな違いはないといってもよさそうです。

 

こちらを見ると、5年11カ月残のストリップス債が3.92%。これは悪くありません。もう少し短い年限なら4%超えでしょうか。

下記は昨晩見たときの日興証券の既発債リストをグラフ化したものです。短い年限の国債が利回りが高く4%を超えていて、年数が長くなると多少は落ちますが、それでも3%台後半の利回りです。

国債ETFは?

生の国債は利回り確実で、元本が固定して保証されているというメリットはあります。一方で、中途売却の際のスプレッドは比較的高いと聞きます。聞きますというのは、売買した人に聞いた話で、ぼくが実際に売買したことがないからです。

 

ならば価格は変動するものの、流動性が高い国債ETFはどうでしょうか?短期国債(1年未満)ならSHV、長期国債(7-10年)ならIEF、超長期国債(30年)ならTLTというETFがあります。こちらの分配金利回りをまとめたのが下記のチャートです。

直近の分配金は9月1日だったので、まだ利回り上昇が反映され切っていないのかもしれません。それでも、1年未満債券のSHVで1.76%とは恐れ入ります。ETFでは、まだ逆イールド状態にはなっておらず、超長期債のTLTの利回りが2.7%と最も高くなっています。

 

それにしても、いずれも直近の利上げをまだ反映されていない感じの利回りではあります。

ドルMMF

そうそう、もう一つお手軽なドル投資がありました。証券会社のドルMMFです。楽天証券では2種類のドルMMFを用意していて、GSが1.844%、日興が2.075%の利回りです。こちらは国債ではなく短期のCPがメインのはずですが、それでも2%を超えてきています。

ちなみにゴールドマン・サックスの目論見書は7月1日、日興MMFは6月1日付けです。

FXのスワップは?

もう一つ、FXでドルのロングポジションを持てば金利分のスワップが付きます。これはどのくらいの水準でしょうか。FXの場合、業者によってかなりスワップが異なります。

最も高いのがくりっく365で138円。利回りに換算すると3.49%に達しました。これだけのリターンがあるなら悪くありません。しかもFXはレバレッジが効くので、レバ2倍なら約7%、レバ4倍なら約14%ものスワップが付きます。

 

そう考えると、みんなが寄ってたかってドルを買うのもよく分かりますね。現在のドル高はイールドカーブを見ても、短期が特に高くなっていることが分かります。長期で利回りを固定させるよりも、短期で高い金利を享受するほうが合理的でしょう。

 

そしてFXでロングポジションを取り、レバレッジをかければ年率で10%以上の金利(スワップ)が得られます。しかもしばらくはトレンドがまだ円安方向であり、為替自体でも利益を出せる可能性があります。これが金利差が開くことでドル買いが進む理由というわけです。

 

↓流れ的にドル円の円安トレンドはしばらく続きそうです

www.kuzyofire.com