FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

2022年9月の投資成績とポートフォリオ 資産はどこまで減ったか?

恒例の月間投資成績コーナーです。激しく株価が下落した印象ばかりですが、果たして資産はどこまで減ってしまったでしょうか?

全体は▲3.6%

資産全体は3.6%の減少となりました。ものすごく減った!というほどではありませんが、減りましたねぁ。年初来でいうと、▲11.78%。月数でいえば3勝6敗です。ちなみに総資産の定義はこちら*1

 

セグメント別リターン

ぼくは資産を5つのセグメントに分けて管理しています。現金およびマーケットニュートラルの短期売買を行う「オルタナティブ」、金と仮想通貨の「ヘッジ」、太陽光と不動産の「リアルアセット」、そして「株式」「債券」の5つです(2020年の投資戦略 5セグメントに再編)。

現金同等物のオルタナティブとリアルアセット以外は減少ですが、特に厳しかったのが株式と債券。株式は年初来で▲15.7%となりました。株式メインのポートフォリオだと苦しいところですね。

 

各セグメントのボリュームは異なるので、総資産増減に対する貢献度を加重平均で計算したなおしたのが下記です。株式が、ほぼほぼ今回の資産減少の要因です。

ちなみに現在の資産のアロケーションは下記の通り。先月との比率でいうと、株式が2%ほど減り、オルタナティブがその分増えた感じでしょうか。

株式セグメント▲7.9%

株式は▲7.9%と、今年最大の下げとなりました。下記が株式セグメントの月次リターン推移です。

株式の内訳を見ると下記の通り。いやぁ全般にボロボロです。特に、ハイテクIT、GAFAを中心としたグロース株の下落が著しいです。

細かく見ると、全部良く下げた……という感じですが、FaecbookことMetaの下げが一段と激しいです。

年初来で見ると、なんとMetaは6割も減少しています。

Metaの時価総額を見ると、1年前に時価総額1兆ドルのピークをつけてから、一気に3600億ドルまで下落。まさに暴落の様相です。

そうなるのも分からなくもありません。これだけの急成長企業がついに明確に減収なのです。そして減益トレンドも見えてきました。

Metaはリストラを伝えており、メタバース事業が立ち上がらない今、厳しい状況にあります。

www.businessinsider.jp

とはいえ、現在の反応は過剰反応だともいえると考えています。減収減益だとはいえ、大きな黒字企業でありPERはなんと12倍。AlphabetのPERが18.8倍であることを考えると、利益が現在からさらに35%下がって初めてAlphabetなみのPERです。もっとも35%くらいは軽く下がるのかもしれませんけど。

9月の売買も、クレカ積み立てがメインでした。tsumiki、楽天、SBI、マネックス、auカブコム。さらに楽天キャッシュ決済も追加となり、合計30万円の投資です。ポイントは、0.5%+1%+1%+1.1%+1%+1%で2800円相当です。

 

また比率を決めて売却予定だったMetaの売れ残り分を、しっかりと売り切りました。Metaの比率は株式ポートフォリオの3.8%まで縮小しています。

債券 ▲12%

債券はいきなり単月で12%下落しました。これが個別株の怖いところです。債券ポートフォリオの8割はARCCが占めており、こちらが急落しました。まぁARCCは債券というよりS&P500にほぼ連動するリスク銘柄で、直近1年のチャートを見てもほぼそんな感じ。株価が下がればARCCも下がるのです。

リアルアセット +0.9%

リアルアセットは0.9%の増加でした。発電所のDCF評価額ではほぼほぼ横ばい。不動産は購入から1年半が経ち、10年後売却というシナリオにしたがって割引が小さくなり、少し評価額が上昇した感じです。

なお太陽光発電所の発電実績は下記に詳しくまとめてあります。

www.kuzyofire.com

不動産はいまだに空室1室が埋まりません。問い合わせはそこそこあるのですが、決め手に欠ける感じ。難しいものです。

ヘッジセグメント▲3.6%

仮想通貨と金からなるヘッジセグメントは小康状態です。ETHはThe Mergeを超えて上がるかと思いきや、下落しています。金は僅かに上昇して、年初来では+15.6%。デジタル・ゴールドと思われたBitcoinですが、やはり株式と連動するリスクアセットだというのが現時点での市場の評価です。

なおThe Mergeに際しては、ETHを預けているレンディングのNEXOがETHWをエアドロップしてくれたので、すぐに売却してちょっとしたお小遣いにはなりました。

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ヘッジセグメントのポートフォリオは、金とBTCとETHがそれぞれ3分の1ずつという感じです。そのほかにステーブルコインを持っていますが、これはヘッジではなくオルタナティブセグメントでカウントしています。

オルタナティブ+4.5%

現金同等物のオルタナティブは着実に増加しています。現金のうち約18%をドルが占めていて、16%をドルステーブルコインが占めています。合わせて34%がほぼドルなわけです。

 

そうなると当然円安のプラス効果を受けますし、さらにドルステーブルコインはNEXOとBlockFiで年率8%超でレンディング中です。今年に関してはいえば、全アセットクラスの中で、これが最も優れたリターンを上げているといえます。というか、円安+8%リターンが続くなら、どんなアセットクラスにも勝ちそうではあります。

 

オルタナティブの中の運用について総資産に対するパーセンテージは、下記の通りです。

  • 優待クロス 6.7%
  • ドルMMF  2.81%
  • ステーブルコイン 2.55%

なおオルタナティブのもう一つの運用先である9月の優待クロスは、39銘柄209個の獲得でした。コストはすぐに発生しますが、この優待が利益化するのは半年くらいあとの優待発送時ですし、モノによってはそれを売却して初めて現金になります。

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通貨の状況

通貨の状況を見ると、さらに円安が進み、月末時点の定点観測としては初めて140円を超えてきました。計算値は144.65円です。

この1ヶ月で4.07%円安が進みました。総資産の40%がドル建てなので、総資産リターン▲3.6%に対し、円安効果が+1.65%ありました。円安がなければ、総リターンは▲5.2%超だったということです。

 

実はドル資産の円建て換算額は、今年に入ってから最低額となりました。これまで米株が下落しても、為替も下落することである程度相殺してきたのですが、円安以上に株価が落ちたということです。

 

通過別のアロケーションを見ると、下記のようになっています。ドル資産が40%あるのはありがたいのですが、冬になって150円が見える頃にはヘッジも考えないといけないかなと思っています。

なお配当や家賃収入などのインカムゲインは下記にまとめています。

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今後の方針

引き続き、今後の方針が見えていません。肌感覚で言えば、全体のリスクの取り具合は悪くない感じ。下がってはいるものの、夜眠れなくなったり株価を随時チェックしたくなるほどではありません。

 

円のキャッシュは必要十分という感じ。9月の優待クロスではギリギリまで使い、借り入れもちょっとだけ起こしましたが、そこそこのCFがあるポートフォリオなので、今後次第に現金は増加していきます。まぁ使ってしまう分もあるので余裕があるわけではありませんが、心地よい感じの塩梅です。

 

一方で債券の利回りが大きくなってきました。短期で4%超え、長期でも3%超えです。確かにこれからも続く利上げで債券価格は下落します。とはいえ、これだけの利回りがあると、総リターンはけっこう押し上げられますし、来年移行の利下げ局面では債券価格の上昇もあります。

 

なので米国債ではなく、ここは敢えてさらに信用スプレッドを載せて、社債またはハイイールド債を検討したいところです。問題は、先立つ資金がないということ。ドルは今年最もリターンの高い資産クラスであり、あまり減らしたくありません。株を当初の計画どおり売却できていれば、今頃債券を買うための余裕があったのですが、やっぱり資産売却は成行で行うべきですね。

 

各セグメントは以下の目論見書に従って運用しています。

また計算上の注意点は下記です。

  • このポートフォリオには、生活防衛資金、401k、各種貯蓄性保険、年金、家族の資産は入れていません
  • 株主優待は現金化したもの以外、資産計算していません。取得コスト分だけ資産にマイナスの影響が出ています(ここは今後検討です)
  • 含み益も資産として計算されているので、ここから税払いが発生する場合があります
  • 法人と個人の資産を合算しています

 

 【2022年8月の成績とポートフォリオ】

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*1:株式や債券、仮想通貨など金融資産は時価評価。金は時価評価。不動産や太陽光発電所は、将来CFを元にDCF法で現在価値を算出。それらを合計しています。いわゆる簿価の総資産額や純資産額ではなく、できる限り市場価格に近い、株式と同列に比較できる資産額を目指しました。