FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

株式パフォーマンスは低迷へ 「次の30年は、過去の30年と違う」

フィデリティの重見さんが、示唆的な記事を書いています。「次の30年」は「過去の30年」とは異なるというのです。これはどういうことかというと、過去30年は株価が上がり続けたある種異例な時期だった。それが終わった今、これからはそれ以前の平均的な株価上昇レベルに戻るというのです。

過去30年に起きたこと

過去30年は、ものすごい長期の株式ブームでした。さらに米国株ブーム、ハイテクITグロース株ブームでした。ぼくも含めて、この間に株式、米国株、IT株で財を成した人も多いと思います。でも、そのトレンドは転換したと考えています。

 

まずなぜこの30年が株式ブームだったのか。下記のグラフを見れば一目瞭然、この30年は米国の金利が下がり続けた期間だったのです。金利が下がれば株式のバリュエーションは上昇します。要するにPERが上がるのです。

Fidelity International

このことは重見さんが別記事で書いているこちらのグラフからも確かめられます。企業利益は株価ほどは伸びていないのです。

米国の終わりの始まり

これはこの30年株式市場をけん引してきた米国の終わりの始まりだともいえるでしょう。思い返せば、2019年の秋に「米国株の時代は終わるのか?」という記事で、米国株以外への投資を増やすということを書いていました。

 

長期の相場観では、今は米国が覇権を失いつつあるタイミングであること。だからといって米国が急減速することはなく、歴史的にみれば、客観的に見て覇権国が移り変わっても、前覇権国は50年くらいは経済は堅調に推移するものなのです。つまり、あと50年くらいは米国で大丈夫。でも、株式が成長するかというと怪しいわけです。

 

そんなわけで、もともと大きなエクスポージャを持っていた米国株への投資は維持しながら、他国と他アセットへの投資比率を徐々に増やしてきたのがこの4年ほどでした。そして、2023年はさらに米国株以外の比率を高めたいと思っています。

でもアクティブファンドはないよ

相場観については、重見さんとぼくはかなり一致しています。しかし、これを受けて、ではどう投資するか? という点では真逆だといえます。重見さんは、

  1. 積み立て投資なら、長期にパフォーマンス・超過収益が出ているアクティブ・ファンドを含める、
  2. もしも「インデックス・ファンドのみで積み立てる」なら、超長期に資産運用を止めないために、対面・アドバイザーによるサポートやコーチングが欠かせない、

と書きます。「「インデックス・ファンドの積み立て投資」における成功体験とは「そこに、強気相場があった」ということにほかなりません。」と、強気相場だからインデックスへの積立が成功したのだと言っているのです。

 

確かに、強気相場が終わればインデックスが過去のようなリターンをもたらさないのは自明の理です。しかし、そのことが「アクティブファンドを選ぶべき」にはなりません。これは明らかに、フィデリティに所属しているがゆえのポジショントークですね。

 

ちなみに「対面・アドバイザーによるサポートやコーチングが欠かせない」というのは、インデックスの大成功に大して、金融業界では「アドバイスが必要」だというキャンペーンを張っているからです。インデックスは金融業界にとっては儲かりません。そこで1%ほどのアドバイスフィーを取ろうと頑張っているのです。

 

下記のように、金融アドバイスはリターンにプラスの効果をもたらすと説明されています。でも、ここでいうアドバイスというのは、上がる銘柄選びという意味ではなく、「相場が下落しても売ってしまわないように励ます」「税金を最適化する」「ポートフォリオを株だけにしない」といったたぐいの話です。

ぼくはこういうアドバイスに毎年1%の価値を認めません。というわけで、上がり続ける株式神話は崩壊するが、だからといってアクティブファンドを選ぶ必要はないし、資産の1%を毎月支払ってアドバイスを得る必要もないと思うのです。