2021年分の確定申告を完了しました。もう8年目になるだけあって、さすがに慣れたもの。というより、以前は面倒だった医療費控除とかふるさと納税とかが、かなり簡単になって、e-Taxも簡単になって、ちゃんと進歩を感じるところです。
今回は、確定申告完了記念に、投資家の確定申告の実際について書いてみます。
意外に簡単やったほうがいい確定申告
思い起こせば、初めて確定申告をしたときはドキドキしながら、変な入力すると税務署から電話がかかってくるんじゃないか? とか思ったものですが、さすがに8年目となると慣れてきました。相当の項目を入力していますが、まぁ半日あれば終わる感じ。
確定申告を行うメリットは下記にいろいろ書きましたが、まぁ半日作業で数万円以上は戻ってくるというイメージでいいと思います。あ、もちろん投資で利益を出している人は……ですけど。逆に、損を出した人はそれを翌年以降に送れるので、そっちのほうが美味しいかも。
今回行った確定申告と行っていないもの
まず、九条は法人を持っていますが、法人の確定申告……というか決算は税理士に依頼しています。太陽光発電事業と不動産賃貸事業は法人でやっているので、個人ではその確定申告はやっていません。また賃貸暮らしなので住宅ローン控除もやっていません。
ブログなどで広告収益が上がっていますが、開業届を出しているわけでもなく、つまり白色でも青色簡易でも青色でもありません。それらは雑所得として処理しています。
という前提で。行ったのは下記になります。
- 株式(特定口座、一般口座)
- 外国税額控除
- 申告分離雑所得
- 総合課税雑所得
- ふるさと納税
- 医療費控除
還付申請は1月1日からできる
まず、確定申告というと2月16日からというイメージがありますが、実は税金が返ってくる還付申請は1月1日から可能です。というわけで、このタイミングで確定申告の処理をやっています。
最初に手を付けたのは、簡単でかつ確実に還付となる子供の確定申告です。子供の株式特定口座は、損失が出たり利益が出たりするわけですが、楽天(100万/日無料)と松井(手数料完全無料)の2つの口座があるため、損益を通算したほうが有利というのが一つ。
そして大体において利益が出てしまうわけですが、確定申告を行って総合課税を選択し、配当控除を受ければ、それだけで税金が安くなります。
そして人には年間48万円の基礎控除があります。これは働いていない子供でも同様。そのため、年間48万円までの収入は税金がゼロになるのです。つまり最大で約10万円くらい税金が戻ってくることになります。
ただしあまりに儲けすぎると、デメリットも生じますので、天才トレーダーの子供を持った場合は気をつけましょう。
子供もマイナンバーカードを持っているのですが、e-Taxには対応してくれないという落とし穴がありますので、ご注意を。
妻の確定申告を手伝う
続いては妻の確定申告を手伝います。妻の投資についてはブログではほとんど書いていませんが、ぼくの資産の10%強くらいを持っているので、けっこうすごいですね。こちらは、日興証券と楽天証券から、年間取引報告書を持ってきて、それを国税庁の確定申告コーナーに入力するというお仕事です。
今年は年間取引報告書のXMLを使いました。これ、ものすごく簡単ですね。XMLを提供していた証券会社は下記のとおりです。
- LINE証券
- SBI証券
- 楽天証券
- GMOクリック証券
- 野村證券
- ネオモバイル証券
逆に提供していないのは下記でした(見落としていたらご指摘ください)。
- 松井証券
- マネックス証券
- 日興証券
- tsumiki証券
それからふるさと納税も楽天市場のXMLをアップロードして終わり。医療費控除は、ぼくのほうに集約するので、これで完了です。
今回はマイナンバーカードを使ったe-Taxを利用。画面に出てくるQRコードをスマホのマイナポータルアプリで読み取り、マイナンバーカードのパスワードを入れて、スマホでカードをタッチで読み取れば完了。かなり簡単です。
取引報告書を集める旅
さて、最後に本丸の自分の分です。確定申告はとにかく報告書を集めるところから始まります。先に挙げた証券会社に加え、各FX会社、CFD会社からも取引報告書を集めます。
取引報告書を集める→国税庁の確定申告コーナーアプリに入力する→マイナンバーカードでタッチする
これが確定申告の大まかな流れです。あ、あと雑所得については、経費も含めて自分で集計する必要がありますね。ソーシャルレンディングについては取引報告書が発行されるので、それを集めます。
証券会社の貸株も雑所得なので集計する必要があるのですが、確定申告しやすいように集計している会社はほぼ皆無な感じ。年間の数字を見ることさえやっかいなので、もうちょっと真面目に取り組んでほしいところです。GMOクリック証券なんて、月ごとに「貸株金利支払計算書兼通知書」をダウンロードする必要があって、年間を出してよ!と思ったものです。
確定申告の結果
さて2022年の確定申告の内容はというと、なかなかに微妙なものでした。お金の出入りと赤字黒字はまったく別物だというのは、財務諸表を読んだことがある人なら常識ですが、税務的に税払い額と投資として儲かったかどうかも、また別なのです。
まずざっくり項目別の税務上の損益はこうなっています。これを合計するとどうなるか?というのが今回の確定申告です。
- 特定口座株式 たくさんマイナス
- 一般口座米国株 たくさんプラス
- 一般口座日本株 ちょっとマイナス
- 申告分離雑所得(FXとか ちょっとマイナス
- 雑所得 ちょっとプラス
特定口座はしっかりとマイナスが出せました。米国株のGAFAを売却したので、かなり利益が確定してしまい、それを相殺するためにしっかりマイナスを出したためです。
一般口座の日本株はストックオプションです。ストックオプションは、行使したタイミングでは含み益の状態ですが、口座を移管すると含み益が確定する(取得価格が移管時の価格になる)という特徴があります。これ、ものすごくニッチな情報ですが、人によってはかなり便利に使えるはずです。
昨年行使した後、口座を移管して利益確定し、納税したのですが、その後価格が下落したため含み損状態でした。それを22年に売却したため損失が出たというちょっと複雑な状況です。
ここまでで全部合算すると、そこそこの納税額。まぁ含み益を吐き出したので、仕方ありません。
さて申告分離のマイナスは、為替ヘッジの損失です。この箱は繰り越された損失があるので、利益を出したいのに、なぜか損失ばかりが積み上がります。ぼくは差金決済とかデリバティブに向いておらず、高配当とかのほうが得意なんじゃないか? といまさらながらに思います。
雑所得は、大きくミスしました。もともと想定収入と想定経費を計算したところ経費のほうが大きく、差分を埋めてちょっとプラスになるくらい、仮想通貨を売却したのです。
ところが、11月と12月のブログ収益が思った以上に伸びてしまいました。これは本当に予想外で、結果、雑所得全体でちょっとプラスになってしまい、納税するハメになってしまいました。
ここに、医療費控除とふるさと納税で税金が減り、さらに外国税額控除で取られていた配当の一部が戻ってきます。これらを全部足し合わせるとどうなるか? いやぁ、ナイスコントロールというか、惜しくも足りなかったというか。少しですが納税することになってしまいそうです。
というわけで、ぼくの確定申告だけは提出するのが2月16日になりそう。そして、この税金は、AmazonPayで払ってお得しようと思います。