おすすめ本を紹介しまくるシリーズ、「投資本編」「小説編」「科学読物編」「社会科学編」と来て、今回はビジネス書編です。ビジネス書は、成功した人が特にロジックもエビデンスもないものの、自分の考えを「ビジネス哲学」という呼び方で語るというものが多いのですが、できるだけ、そういう本は避けるようにしています。
いかに普遍的な話か、また多くのビジネスパーソンの共通言語となっているか、そういったことを意識して、10冊選んでみました。
- 51)コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった
- 52)キャズム
- 53)イノベーションのジレンマ
- 54)マネジメント
- 55)影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか
- 56)発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
- 57)ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか
- 58)V字回復の経営
- 59)インテル 世界で最も重要な会社の産業史
- 60)トヨトミの野望
51)コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった
イノベーションってスゴイ発明をイメージしがちだけど、単に標準化することが、世界を変えるという実例が「コンテナ」です。コンテナ規格標準化で海運が効率化し、それが物流コストを下げ、それがきっかけで世界がグローバル化したって話になります。
標準化も、世界を変革するようなイノベーションなんだなぁというのを、すごく感じさせてくれます。
52)キャズム
イノベーションを語るなら避けて通れないのがキャズム理論。普通に会話に出てくるので、教養として軽く読んでおくのが吉です。
53)イノベーションのジレンマ
キャズムとセットで。どうして豊富な資金と人材を持つ巨大企業はイノベーションを起こせないのか? という話です。これも古典であり、ビジネスでの教養ですね。
54)マネジメント
ドラッカーのマネジメント。これも、何かを学ぶというより、経営層の共通言語として知っていないと会話にならないものです。古典であり、教養。でも読んでも面白いです。
55)影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか
カーネギーの『人を動かす』の科学版という感じでしょうか。人を動かすというマネージャの重要な仕事は、スキルであって身に付けられるということを事例と科学で教えてくれる本です。精神論じゃないと。名著。
56)発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
いまでこそデザイン思考って普通になったけど、その元祖がIDEOです。Palm開発に関わってて、いかにあのUXが誕生したのか、どうしてイノベーションにはデザインが必須なのかがよく分かります。
57)ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか
いわゆるビジネスモデルの解説書。23ものモデルを対話形式で説明するのは上手い。世の中の稼ぎ方のテンプレを概観するために、オススメです。
58)V字回復の経営
企業小説は数あれど、実体験に基づいたフィクションとノンフィクションの融合的な小説はこれくらい。実は、コマツのV字回復をモデルにし、実際の企業で行われた改革を小説仕立てで語ります。
小説としての面白さと、実際の企業再生のノウハウが共存しています。これも増補改訂が出てたのね。
59)インテル 世界で最も重要な会社の産業史
雌伏の時を過ごしていますが、半導体の歴史とはインテルの歴史だったといっても過言ではありません。ムーアの法則しかり、パラノイアだけが生き残るといったグローブしかり、インテルを学ぶのは未来を学ぶことだと思っています。
60)トヨトミの野望
日本を代表する企業であるトヨタは、いかにも日本的な企業でもあります。その真の姿とはどんなものか? トヨタをモデルに覆面作家が書いたこの小説は、99%事実ともいわれています。ザ日本企業がどんな観点で判断し動いているかを知るのに最適な一冊。豊田章男氏が引退したタイミングなので、あの名経営者の若き頃が出てくるも、ファンには面白いかもしれません。