FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

クレカの海外旅行保険はどこまで使えるか 利用付帯の裏技と自動付帯カード一覧

コロナ禍も落ち着き、ほんとうに久しぶりに海外に行くことにしました。そこで気になるのが、旅行保険です。クレジットカード付帯の保険でOKなのか、別途入るべきなのか、何を重視すればいいのか、クレカはどれを選べばいいのか。考えてみました。

海外旅行で必要な保険

海外旅行には保険がつきもの。ではどんなものがどのくらい必要なのでしょうか。保障される内容をざっと見ると、下記のようになります。

  1. 傷害死亡・後遺障害
  2. 傷害治療費用
  3. 疾病治療費用
  4. 賠償責任
  5. 携行品損害
  6. 救援者費用
傷害死亡・後遺障害

1の傷害死亡・後遺障害は要は死亡保険ですね。ただ海外の死亡であっても通常の生命保険は降ります。ではなぜこれが必要かというと、遺体の日本への輸送や死亡証明書の手続きなどにお金がかかる……などとモノのサイトには書かれています。でも、それについて1億円もの保険金が必要かは疑問です。正直、ここの金額は1000万もあれば十分だし、そもそもゼロでもいいというのがぼくの実感。

 

海外旅行保険では保障内容ごとに金額を変更できるものがありますが、傷害死亡・後遺障害より大きな傷害治療や疾病治療は設定できず、この死亡保険がベースという感じです。

傷害治療、疾病治療費用

ぼくが考えるに、この2の傷害治療、疾病治療費用が海外旅行保険のメイン項目です。国内であれば、健康保険が使えるのでそもそも負担3割だし、高額医療費制度もあります。そのためわざわざ医療保険に入る必要はないというのが、ぼくの認識です。

 

ところが海外では、基本的に自由診療のところが多く、医療費は莫大なものになる可能性があります。しかも現在はコロナがまだ流行っていて、もしコロナで入院して人工心肺治療なんてなると、ほんとに1000万円クラスの費用がかかる可能性もあります。渡航先別の必要保障額のイメージは下記だそうです。

  • アジア 300〜500万円
  • ヨーロッパ 400〜600万
  • オーストラリア 400万
  • アメリカ 1000万以上

これまで海外での病気は全額自己負担だと思っていたのですが、実は「海外療養費」という制度があるそうです。これは、一部の費用を健康保険から負担してくれるというもの。ただし、同じ治療を日本で行った場合の金額をベースに、健保負担額を計算するということです。イメージは下記のとおり。

海外療養費|知って得する!?健康保険|けんぽれん[健康保険組合連合会]

つまり、受けた治療の支払い額が、日本でその治療を受けたときの金額と同じなら、国内で受診するのと同じというわけです。ただし、自分で申請する必要があります。また、当然ですが治療を目的として海外渡航した場合の治療費は対象になりません。

賠償責任

賠償責任は、他人に怪我をさせたりモノを壊したときの賠償金を保障するものです。これは海外に限らず必須の保険で、ぼくは現在自動車保険の特約として入っています。ただしこちら「日本国内限定」なんですね。そのため、海外旅行保険として入っておきたいところ。

携行品損害

携行品損害は、旅先に持っていったものが壊れたりなくしたりしたときに保障してくれるもの。まぁ物騒な国にいくならあるにこしたことはありませんが、所詮モノなので、あってもなくてもいいという認識です。

救援者費用

救援者費用は海外で何かあったときに、国内から家族などが駆けつけるための費用。これもまぁないよりはあったほうが……という感じです。ジェイアイ傷害火災が毎年発表しているトラブルデータによると、こんな実績のようです。

価格.com - 海外旅行保険の救援者費用ってどんな補償? いくら必要なの? | 海外旅行保険の選び方

クレジットカードの海外旅行保険

では、クレジットカードの海外旅行保険はどうなっているでしょうか。ここは三井住友カードを例に見てみます。プラチナカードは別格で、金額も大きいし「航空便遅延費用特約」というのも付いています。プラチナプリファードはゴールドカードと同等というのが微妙ですね。

旅行安心プラン(海外旅行傷害保険)|クレジットカードの三井住友VISAカード

さて、ここで注目は「傷害治療費用」と「疾病治療費用」です。プラチナはそれぞれ500万円、ゴールドは300万円です。これが一つの目安になります。

 

海外旅行保険を単体で加入すると、最低でも1000万円くらいは付いてくるので、それに比べると少ない感じもします。しかし、実はこの「傷害治療費用」と「疾病治療費用」は、複数のクレジットカードの額を合算できるのです。正確にいうと、「傷害死亡・後遺障害」以外の保障額は合算できます。そのため、300万円保障のゴールド相当のカードが3枚あれば、だいたい1000万円くらいになるというわけです。

自動付帯と利用付帯

ただカードを持っていても自動的に保険の対象になるとは限りません。カードの保険は、自動付帯と利用付帯があるからです。自動付帯は持っているだけで保険適用になりますが、利用付帯は旅行代金の一部を支払わないと保険適用になりません。

 

往復の飛行機やツアー代を払うのに使えるのはカード1枚だから、利用付帯で保険を使えるのは1枚だけ? と思ったら、実はそうでもなくて、空港までの交通費と現地での交通費も対象になります。

ということは、例えば行きのバスをカードで買ったり、現地の電車やタクシーをカードで買えば、保険対象になるということですね。引受保険会社が三井住友海上の場合、「カードでSuicaやPASMOなどにチャージして、空港に向かう交通費を支払った場合」も対象ということなので、かなり幅広く対象になる感じです。

カード付帯の海外・国内旅行傷害保険の適用条件改定に関するお知らせ|クレジットカードの三井住友VISAカード

  1. 空港への移動
  2. 航空機代
  3. 現地での空港からホテル(タクシーor電車)
  4. 現地での移動(タクシーor電車)

ただしこの(3)(4)については、認めているカードと認めていないカードがあります。代表例としては、楽天カードやセゾンカード、UCカード、イオンカード、アメックス系すべてなど。なので、これらのカードは航空機代か日本の空港への移動で利用する必要があります。

年会費無料で「傷害死亡・後遺障害」保障が付くカード

というわけで、「傷害死亡・後遺障害」保障が付くカードにはどんなものがあるでしょうか。ゴールド、プラチナクラスには当然ついていますが、年会費はかなりお高いので、保険のために保有するなら年会費無料のカードがいいですね。

  • リクルートカード 100万円
  • 三井住友カードNL 50万円
  • JCB CARD R    100万円(リボ払い専用カード)
  • JCB CARD W   100万円(39歳以下限定)
  • JCB CARD EXTAGE 100万円(29歳以下限定)
  • 横浜インビテーション 200万円 自動付帯
  • Delightジャックスカード 200万円 自動付帯 
  • エポスカード 疾病270万、傷害200万 自動付帯
  • Exciteマスターカード 200万円 自動付帯
  • 横浜インビテーション 200万円
  • 楽天カード 200万 ※現地利用NG
  • セゾンブルーアメックス 300万円(25歳以下無料)自動付帯、※現地利用NG
  • DCカードJizile 30万円 自動付帯
  • ビックカメラSuica 50万円 自動付帯
  • ANAマイレージクラブ Financial Pass Visaデビットカード 150万 自動付帯

ゴールドカードでも最近は年会費が無料になるカードが多いですね。ゴールドカードは保障額が大きいだけでなく、自動付帯のものもあるので、持っている人は要チェックです。

  • 三井住友カードゴールドNL 300万円(5500円、修行で年会費無料)
  • エポスゴールド 300万円、自動付帯(5000円、インビテーションで無料)
  • ミライノカードゴールド 500万(3300円、リボで年会費無料)
  • UCゴールド 200万 自動付帯(1万1000円、永年無料キャンペーンで取得した)
  • イオンゴールド 300万 (インビテーションで無料)
  • セゾンゴールドプレミアム 300万円(インビテーションで無料)

ちなみに、巷で人気の楽天カードですが、自動付帯から利用付帯に変わったり、携行品保障がなくなったりと、改悪が続いています。カードの保険なんて、いちいち保障内容をチェックするものではないので、いつの間にか改悪されて保障がなかったというのはとっても不安。変更の多いカードを持つときは、渡航前に保険内容のチェックが欠かせないと思います。

例えば僕の例

では具体例を考えてみます。ぼくが保有しているカードで、自動付帯と利用付帯を組み合わせると下記のようになります。

 

まず自動付帯で、エポスゴールド(300万)、UCゴールド(200万)、ビックカメラSuica(50万円)があり、合計550万円。利用付帯で航空機台をプラチナプリファード(300万)、現地タクシー代でミライノカードゴールド(500万)。これで合計すると1350万円。まぁ十分ではないでしょうか。

 

海外旅行保険を意識するなら、年会費無料の自動付帯カードは最強です。中でもエポスゴールドはとても素敵でゴールドカードも用意しておくといいですね。また横浜インビテーションカードも自動付帯で200万円付くので、人によっては良いと思います。

 

利用付帯でも保障額が大きいものとしては、ミライノカードゴールドがあります。下記の方法で年会費は無料にできるので、こちらも用意できるといい感じです。

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これで海外旅行保険も万全。めでたしめでたしと思いきや、まだ終わりではありません。そう、家族分があるからです。次回は、家族分の保険をどうカバーするか考えてみます。

 

→続編:クレカで家族の保険をカバーする方法

 

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