今日、はじめて「ことら送金」を使ってみました。ことらというのは、日本電子決済推進機構（JEPPO）が運営するJ-Debitの送金ネットワークを使って、無料の少額送金を実現しようというものです。メガバンク＋りそなが出資した「ことら」社が、2022年10月にサービスを開始しました。
ことらの3つのポイント
いわゆる振込と同じように送金ができますが、利用できるのは「ことら」対応の銀行間のみ。後述しますが、メガバンク＋地銀が中心で、ネット銀行はほとんど参加していません。
ことらの特徴は3つあります。1つは、送金手数料が無料なこと。ネット銀行を除くとだいたいにおいて送金手数料は有料でしたが、ことらを使えば無料です。ただし1回10万円まで。どうせ無料なので、複数回繰り返せばOKではありますが。
2つ目は、即時送金ということです。全銀システムを使った普通の振込も、「モアタイムシステム」に対応している銀行同士なら、24時間365日動くはずなのですが、メンテナンスとかのせいか、意外とダメだったり、着金まで10分くらいかかるのは普通です。ことらなら、即時で届くことになっています。
3つ目は、口座番号だけでなく、メールアドレスや電話番号で送金ができることです。これは相手が口座にひも付くメアドや電話番号を設定している場合に限り、使えます。ただし、これで半匿名の送金ができるかというとそうでもなくて、送金しようとすると、相手の名前の一部が表示されてしまいます（名前の最後の数文字は伏せ字です）。
これはちょっとどうかと思いますね。下手にメアドや電話番号をことらに登録すると、その電話番号やメアドをキーにして、相手の本名が検索できてしまうということだからです。少なくとも名字はバレます。
ことら対応銀行
無料で即時のことら送金ですが、対応する銀行は限られます。ちょっと面白いのは「ことら」アプリは存在せず、ことらに対応した各銀行のアプリから送金を行うことです。対応しているアプリは下記の通り。
地銀系の専用アプリはいいとして、J-Coin Payはみずほ銀行が提供するペイサービスです。Bank PayはJEPPOが提供するデビット型のペイサービス。決済用というよりも、銀行からの入金用にサービスの裏側の仕組みとしてよく使われています*1。メガバンクの銀行アプリで唯一対応しているのが三井住友銀行です。
さて対応アプリがあっても銀行もことらに対応している必要があります。現在利用できるのは下記31行です。ざっくり、メガバンク＋りそなと地銀です。
今後使えるようになる予定の銀行は下記です。「SBI新生銀行」「GMOあおぞらネット銀行」「みんなの銀行」あたりが、ネット銀行系といえるでしょうか。個人的には、融資をいただいている地銀や信金などがもっと対応してくれると便利なのにと思っています。ただ、ことらはあくまで個人向けで、法人や個人事業主は対象外。ちょっと微妙ではあります。
実際に使ってみた
サービス開始からけっこう経つのですが、今回始めて使ってみました。家電量販店で支払いする必要があり、「そうだJ-CoinPayの10％還元キャンペーンをやっている」と思い出したのですが、みずほ銀行に残高がありませんでした。そこでみずほ銀行に入金しようと思ったのですが、
- 振込 日曜日にすぐに着金するのか分からない
- 現金をATMで みずほマイレージクラブの条件を満たさないと有料
ということで、日興証券から三井住友銀行に即時出金して、三井住友銀行からことら送金でみずほ銀行に入金しようと考えました。ところが、日興証券が米国株取扱開始に伴う対応のせいか、そもそも即時出金は日曜は動いていないかで、三井住友銀行にお金が移せません。ということで、住信SBIネット銀行から試しに三井住友銀行に振り込んでみたら、すぐに着金したので、それをことらでみずほに送金してみました。
まずは三井住友銀行アプリから「ことら送金」を選びます。「新規送金先の指定」で、今回は銀行口座を選びました。
続いて送金額を選びます。本人確認が必要ということでSMS認証が走ります。
SMS認証を終えると、最終確認。「送金」を押すと送金が終わりました。
みずほ銀行のアプリで見ると、もう着金しています。なるほど、これは慣れれば簡単かも。
*1:ユニクロPayとか。
