楽天証券が単元未満株(端株)取引サービス「かぶミニ」を発表しました。スタートは2023年春。こちらいろいろと特徴があるのですが、ぼくはネオモバ終了における移行先として候補になるんじゃないか? と考えています。
かぶミニの概要
ここ数年、証券各社は単元未満株(端株)の売買に力を入れてきました。端株取引でブレイクしたのがネオモバイル証券。そして、他社に先行して買付手数料を無料化したのがマネックス証券です。
そんな中、最後発の楽天もここに参入してきました。ただちょっとややこしいのが、手数料とスプレッドを併用している点。そこで今回はそれを含めてシミュレーションしてみました。
端株の手数料体系について、ざっとまとめると下記のような感じ。楽天が他社のサービスを研究してスタートしたのがよくわかります。
特徴的なところを挙げると、まずリアルタイム取引が可能なLINE証券とCONNECT、そして楽天。ただLINE証券は1500銘柄以上が対象ですが、CONNECTは約400銘柄、楽天は約100銘柄と違いがあります。
スプレッドは投資家同士ではなく証券会社と相対で取引する際によく使われる手数料体系で、売買価格を上乗せして提示するという手法です。株価1000円のところにスプレッドが乗って、買うときは1004円で、売るときは9996円でやり取りされるというものです。
この中で面白いのはやっぱりネオモバで、月額220円で月間50万円までの売買手数料が無料。しかも200円分のポイントがバックされます。つまり実質10円で50万円まで売買できるわけで、コスト的には最安でした。ただSBI証券と経営統合しネオモバプランも残さないということで、まもなくなくなってしまいます。
売買コストを比較する
では売買コストが実際どうなのか、各社を比較してみましょう。
まずスプレッド型のCONNECTやLINEは売買単価が上がるほど手数料が増加することがわかります。また、SBIやマネックスは売却時手数料が料率なので、単価1万円を超えたあたりから売買価格に手数料が比例します。
これを見ると、単価4500円以上から楽天がほぼ最安値となることが分かります。1万円以下を取り出してみるとLINEのほうが安いですが、まぁ差は2〜3円といったところ。なかなかいい線をいっています。
買いの場合
では、買いと売りを個別に分けてみてみましょう。
端株売買の実質コストは手数料+スプレッドです。そのため、買いについていえば、最安は無料であるSBI証券とマネックス。ほかはスプレッドがあるため無料ではありません。
売りの場合
売りの場合はいろいろ変わってきます。片側しかスプレッドが乗らないので、LINEが低コストです。同様にCONNECTも善戦しています。だいたい単価4500円を境にCONNECTより楽天のほうが安くなり、9000円を境にLINEよりも楽天のほうが安くなる感じです。
端株の場合、単価が9000円を超える株はほとんどないので、まぁだいたいにおいてLINEが最安ということになります。それでも、マネックスやSBIに比べれば、楽天は低コストです。
ネオモバの移行先をどうする?
さて、ネオモバで株をもっている我々はどうしたらいいでしょうか。約1年後の2024年1月にサービスが終了し、SBI証券に統合されます。放っておけばそうなります。選択肢はいくつかあります。
- ネオモバの株をすべて売却してしまう
- SBI証券で保有する
- 他の証券会社に移管する
(1)は一つのベストプラクティスです。ただその端株を長期優待などのために持ち続けたいなら、(2)か(3)を考える必要があります。しばらく持ち続けて売却の予定がないなら(2)が手間もなくいいですね。
でも将来の売却を見据えて対応しておこうというなら(3)です。そして現時点でいえば、その選択肢はLINE証券か楽天証券かなという感じです。
で、ぼくはどうするか?というと、端株は優待の長期認定を目的に基本所有しています。そのため、ほとんど売買はしていません。そして今後も基本的には売却はしないでしょう。そう考えると、このままネオモバにおいておいてSBIに移管されるに任せればいいかなという感じです。
唯一あるのは、いま楽天が移管キャンペーンをやっていて、株式を移管すると1回100ポイント(最大1800ポイント)もらえるということ。端株を18回に分けて移管すれば1800円分もらえます。まぁ紙で対応しなくてはならないのと、「同一日における複数銘柄及び複数証券会社からの入庫は、1回として計算します。」ということなので、あまりに面倒。ということでぼくは参戦しませんけど。