いろいろポイントを貯めだすと、今度は問題になるのがその使い方です。もちろん、発行側が想定しているように決済時に使ってしまうのもいいのですが、ポイントの量が多かったり、少しでも得をしようと思ったら、別の方法を考える必要があります。そう、現金化です。
- なぜ現金化がいいのか
- 楽天ポイントの現金化
- Pontaポイントの現金化
- dポイントの現金化
- Tポイントの現金化
- Vポイントの現金化
- PayPayポイントの現金化
- LINEポイントの現金化
- メルカリポイントの現金化
- エポスポイントの現金化
- マネックスポイントの現金化
- 現金化の注意点
なぜ現金化がいいのか
普通ポイントは決済時に使用します。お店で200円のモノを買うときに「100円ポイントで」と伝えれば100円の支払いになる感じです。これはこれで正統派ですが、2つ問題があります。
まずポイントが1万ポイントとかあると、使いきれません。または「ポイントがあるから……」と不要なものを買うことになってしまい、本末転倒です。または発行側の思うツボです。
また少しでもお得をしようと思うと、ポイントを割引として使うのは不利になります。多くの場合、ポイントで支払った分にはポイントが付かないからです。これはすべてそうではありませんが、密かに改悪されていたりします。
例えば「楽天ポイントでの支払いにはポイントが付く」とヘルプページにはありますが、実際にはスーパーセールなどでポイント払いを選択すると、還元額が減ることが分かります。これは、楽天カード払いだと3%還元されるところ、楽天ポイントだと1%還元になることや、下記の通りSPUの一部は楽天カード払いが対象に変更されたためです。
また、dポイントはd払いの際に利用した分について、ポイントはつきません。Pontaポイントも、au PAYなどでの利用してもその分のポイントは付きません。またビックカメラやヨドバシカメラ、ヤマダデンキなどのポイントも、ポイント払いに対してはポイントが付与されません。
この2つの理由から、簡単で手間がなければもらったポイントは現金化してしまったほうが便利なわけです。
楽天ポイントの現金化
まず楽天ポイントは、楽天カードの支払に充当できます。楽天カードの支払いが5万円のとき、1万楽天ポイントを充当すれば、銀行から引き落とされるのは4万ポイントになります。実質的に現金化したのと同じになるわけです。
楽天証券でのクレカ/キャッシュによる投信積み立てに適用するという方法もありますが、厳密には損です。投信積立は、積立額に対して還元がありますが、ここでポイントを利用した分は還元されないからです。ただしSPUには「投信積立にポイント利用」という項目があるので、全部をカードの支払に充当せず、数ポイントを残しておきます。
ちなみにこの方法は通常ポイントでしか利用できず、期間限定ポイントはショッピングなどで消費するしかありません。
Pontaポイントの現金化
Pontaポイントは現金化が容易です。au PAYにチャージして、それをauじぶん銀行に現金として払い出せます。一度設定すれば、毎日自動的に払い出すので、すごく簡単な現金化です。
またSBI証券でもPontaを使った投信購入ができます。auじぶん銀行の口座を持っていない人は、こちらの方法でもいいでしょう。また一応、カブコム証券でPontaを使った投信購入ができますが、あまりにUIが使いにくいのでオススメしません。
Pontaポイントですが、ローソンのお試し引換券を取っている場合は、全額払い出さないように注意しましょう。ポイントの現金化は可能でも、現金でポイントを買うことはできません。その意味ではポイントのほうが価値が高いのです。
dポイントの現金化
dポイントは日興証券のフロッギーを使って現金化します。フロッギーはポイントを使って株を買い付けることができるので、いったん株を買って売却すれば現金になります。どの株を買うのがいいか、最も手数料や損失が少ない方法は何か、などは下記をご参照ください。
注目点は期間限定ポイントでも利用できることです。dポイントは定期的に増量キャペーンを行っているので、比較的増えやすいのですが、適宜現金化しましょう。またPontaと同じく、ローソンのお試し引換券を取っている場合は、全額払い出さないように注意が必要です。
Tポイントの現金化
かつてはPayPay銀行への出金も可能だったTポイントですが、現在は封鎖。というわけで現金化としては、ネオモバイル証券で株やETFを購入するか、SBI証券で投信を買うかになります。
ネオモバは投信を扱っていないので、1円単位の購入ができません。それもあって、SBI証券での投信購入がおすすめです。
Vポイントの現金化
Vポイントは、三井住友カードの引落額に充当できます。楽天カードのところで書いたように、これは実質的な現金化です。
また、しばしばVポイントアプリを使ってVポイントで支払いをした際のキャンペーンもやっているので、2000ポイントくらいは保有しておくのもいいかもしれません。
PayPayポイントの現金化
実はPayPayポイントは、共通ポイントの中で現在最も現金化しにくいポイントといえます。銀行口座などに払い出すことはもちろんできませんし、PayPayカードの支払いに充当することも投信の買付も行えません。
ショッピングに利用するくらいしか、現時点では利用法がありません。
ただしPayPayポイントは期限が廃止され、実質的に永久に保有できるほか、PayPayポイント自体を運用して増やせるPayPayポイント運用もあるので、持ち続けるというのも選択肢です。
LINEポイントの現金化
LINEポイントは、LINE証券を介して現金化します。LINE証券にはLINE Pay残高とLINEポイントから入金できますが、現金として出金できるのです。しかも銀行口座への出金手数料は無料。入金から出金まで少し時間はかかりますが、完全無料、リスクなしで現金化できます。
同様にLINE Pay残高も現金化できます。
メルカリポイントの現金化
キャンペーンで頻繁に入ってくるメルカリポイントは、そのまま出金することはできません。一つのやり方は、メルカードの支払いに充てることです。メルカードを利用した場合、最終的には銀行口座から引落になりますが、メルカリポイントを充当できます。これは実質的な現金化ともいえます。
次の方法は、3月9日に始まったビットコインの購入に使うことです。購入したビットコインを売却するとメルカリ残高になるので、ポイントを残高に変換できます。ただし、ビットコイン売買には手数料はかからないもののスプレッドがあります。売り買いそれぞれ1%なので、少なくとも100ポイント以上でやりとりしないと切り上げのために損してしまうでしょう。交換手数料は約2%という感じです。
3つ目は、郵便局で切手を買うことです。現在1円単位のポイントをきれいに使い切る方法としては、郵便局の切手がベストソリューションです。金額が固定で割引などもなく、永久期限でやろうと思ったら換金性も高い。期限のあるポイントを使い切るには切手がいいですね。
エポスポイントの現金化
エポスカードを利用すると得られるエポスポイントは、tsumiki証券の投信を購入します。あまり低コストな投信が用意されていないので、現金化が目的ならば、早期に売却したほうがいいですね。
マネックスポイントの現金化
マネックスポイントはマネックス内で投信の買付にも使えますし、dポイント、Pontaポイント、Tポイントにも交換できます。どの形を採っても現金化は容易です。
現金化の注意点
最初に、ポイントの利用は現金化するのが最も良いと書きました。ただし、ポイントのまま持っておく利点もあるので、そこは注意が必要です。
1つはdポイント増量キャンペーンなどで増やせるチャンスがあることです。増量キャンペーンは定期的に行っており、このタイミングでdポイントにまとめることで10%や15%を追加で得ることができます。
2つはポイントでなければ買えないものを購入するときです。ローソンの「お試し引換券」が代表例ですね。
3つ目は、ポイント自体を運用するポイント投資を行う場合です。現金で投資してもポイントで投資しても、結果は同じです。ただし投資した結果、ポイントが増えても税金は発生しません。NISAを使い切った状態で長期投資を目指すなら、ポイントで投資するのは一つのベストプラクティスです。
それからポイントは現金よりも法的な扱いが軽く、企業が失効させる可能性があることにも注意が必要です。ただし顧客との関係上、ポイントの意味合いは大きく、ある程度の規模となったポイントは、企業が潰れても残る場合があります。歴史上の例でいえば、JAL破綻時のマイルがそうです。マイルは企業発行ポイントですが、株式が100%減資で紙くずになったのに、マイルはそのまま継続しました。ただしその価値は、必ずしも円貨に固定ではないので、そこにも注意が必要です。