2023年の4月から、地方税の支払いにeL-QRが導入されました。いや、これが本当に便利です。納付書に記載されたQRコードを読み取れば、コード決済だけでなくクレカ決済も可能になります。これまで、自治体ごとに支払える方法がバラバラで、結局コンビニ店頭で払わなければならなかったりしたのですが、これからはすべて自宅で簡単に支払えます。
QRでも番号でも支払い可能
eLTAXは地方税共同機構が運営するサイトで、要するにこれまでバラバラだった地方税を、全部同じ仕組みで支払えるようにしようというものです。
対応自治体はこちらのリストに載っているのですが、対応自治体の記載なので「非対応」自治体があるのかどうか、あるならそこはどこかは分かりませんでした。
地方公共団体ごとのサービス状況|eLTAX 地方税ポータルシステム
なかなかよくできたサイトではあるのですが、問題もあります。まず概要とかヘルプを読んでも、何がなんだか全然分かりません。ユーザーのことを考えていないお役所サイトの典型です。それから、なぜかMacのChrome(互換のBrave)でまともに動きません。Safariでないとダメみたい。まぁ実際に使うのは、スマホのブラウザなので、いいといえばいいのですが。
利用できる支払い方法と支払い方
この地方税お支払いサイトでは下記の支払い方法が選べます。
- クレジットカード(別途手数料
- インターネットバンキング
- 口座振替
- ペイジー
- コード決済
実際の支払いの流れは、地方税支払いサイトにアクセスして、請求書のQRコードを読むかeL番号を入力します。下記がeL番号です。
PCの場合、eL番号の入力が通常の方法でしょう。でもちょっと番号入力は面倒です。スマホで地方税お支払いサイトを開くと、そこからスマホのカメラを起動してQRを読むことで、請求書情報を読み込めます。いくつか試したところ、これが一番便利でした。
なお、コード決済の場合は順序が違って、まず決済アプリを立ち上げ、そこからQRコードを読み込みます。例えばauPAYアプリを起動して、そこからQRコードを読み込んで、支払って終わり。これはまぁ普通の流れなので、分かりやすいといえば分かりやすいですね。
対応するコード決済は次の通りです。4/17時点では、まだ対応していないアプリもあることが分かります。大手ペイ払いだと、メルペイが非対応ですね。また、AmazonPayはアプリがなくQRコード読み取り払いが存在しないため、やはり非対応です。
実際の支払いの流れ
コード決済払の場合、UXはとりたてて変化がないので、ここはスマホからWebサイトを開いてクレカで支払うまでの流れをみてみます。サイトを開いて「eL-QR読取」選び、請求書のQRコードを読取ります。
続いて支払い方法を選び、支払えばOKです。
どの支払い方法が最も有利か
ではどんな支払い方法で払うのが最も有利でしょうか。まず還元率だけで見ると、コード決済は対してお得ではありません。基本的に、請求書払いに対してポイント還元を行うコード決済はなく、唯一ファミペイが支払い1件につき10円を付与するくらいです(これは1000円の支払いなら1%に相当するので、そこそこ有利ではあります)。
それでもコード決済を利用する理由は2つです。1つは、コード決済の残高をクレカなどからチャージすることで、クレカ還元が付与されるということ。例えば、auPAYなら、三井住友ゴールドカード(Mastercard)からチャージすれば、基本0.5%+年100万円利用(1%)+リボ払い(0.5%)で計2%が還元されます。楽天ペイなら、マネックス/PayPayカード(1%)→ファミペイ(0.5%)→楽天POSA→楽天ペイという経路で1.5%というわけです。
2つめは、ポイントの利用です。最近多くのポイントは証券口座で投信などを買い付けることで現金化が可能ですが、楽天ポイント(期間限定)は決済に使うしかありませんでした。ところが楽天ペイによる税金払いには期間限定ポイントも利用可能なのです。
弱点としてはコード決済には1回あたり上限30万円という枷があります。楽天ペイでは規約改定で上限が50万円/回に拡大し、これで高額な税金も支払えるとおもったのもつかの間、やはり税金については上限30万円でした。
支払いに利用できる金額に上限はありますか? - 楽天ペイアプリ: よくあるご質問
一方クレカは万能です。金額もいくらでもOK。こうした前提で還元率を計算すると、有利な順にこうなります。
- 三井住友カードゴールド→auPAY(2.0%、月間上限5万)
- 三井住友プラチナプリファード 2.5%−手数料(年間上限400万円)
- マネックスカード→ファミペイ→楽天POSA→楽天ペイ(1.5%、月間上限2万)
幸い、eLTAX導入により、(ほぼ)どの自治体でもすべての決済方法を使えるようになりました。そのため、全自治体でauPAYが利用できるしクレカ決済も使えます。つまり、月間5万円までは(1)のauPAYを使い、年間400万円を超えるまでは(2)のプラチナプリファードを使い、(3)は基本的に楽天証券の投信買付に残しておくというのがベストプラクティスになるかと思います。
ただクレカ手数料は一定率ではなく、少々変則的です。
- 1~1万円 40円
- 〜2万円 123円
- 〜3万円 205円
- 以降、1万円ごとに+83円
これを元に、ざっと計算すると下記のグラフにようになりました。そんなわけで、1万円を超えたあたりはクレカで払うとかなり還元率が落ちることに注意です。
ただここもテクニックがあって、eLTAXでは複数の請求書を合算して処理できます。1万円区切りで上乗せ手数料がかかってくるので、複数請求書をまとめて2万9990円とかにするのが最も還元率が高くなる感じです。まぁほんと81円くらいの差ですけど。