オルカンに投資するというのは世界の株式に投資するということを意味しますが、世界の株式がなぜ価値を持っているかはそれぞれです。このたび、オルカンがベンチマークしている株価指数MSCI ACWIに、ビットコインを大量保有する米マイクロストラテジーが追加されました。
これにより、オルカンを買うというのは、=ビットコインを(わずかですが)購入することを意味することになります。
米マイクロストラテジー、ACWI入り
ビットコインを約130億ドル(約2兆300億円)保有していることで知られる米マイクロストラテジーが、このたびMSCIの世界指数に組み入れることになりました。5月末に実施されます。
ご存知の通り、ACWI=All Country World Indexは、オルカンなど全世界株式ETFや投信がベンチマークとしている株価指数で、ここにマイクロストラテジーが組み入れられるということは、オルカンを買うとマイクロストラテジー株も購入するということを意味します。
このニュースを受けて、マイクロストラテジー株は4.15%上昇しました。
マイクロストラテジーとビットコイン
マイクロストラテジー(MSTR)は余剰資金を使いビットコインを買い集めたことで話題となりました。最近は社債を発行してまでビットコインを購入しています。現在、214,400BTCを保有しており、購入コストは@35,180ドル。現在のビットコインは65,700ドルなので、30,520ドル×214,400BTCの含み益を持っています。6,543,488,000ドル=1兆142億円の含み益だということです。
現在マイクロストラテジーの時価総額は26.6Bドルとなっており、その半分がBTCの価値だともいえます。そのため、マイクロストラテジーの株価はほぼビットコイン価格と連動して動いており、「実質的なビットコインETF」とか「ビットコインヘッジファンド」だとか言われたりしています。
つまりマイクロストラテジーの株を買うというのは、ほぼイコールBTCを買うということでもあるのです。
ACWIの組入比率
ではACWIにはどのくらいマイクロストラテジー株が含まれるのでしょうか。ACWIは基本的に時価総額加重平均なので、マイクロストラテジーと同等の時価総額を持つ企業が、どのくらいの組入比率なのかを見ればいいことになります。
ちなみにACWI上位にはMicrosoft、Apple、NVIDIAなどが並びます。組入比率は4.05%、3.79%、3.1%といったところです。
マイクロストラテジーの時価総額$2.66Bに近いのは、順位110番あたり。航空機メーカーのボーイングが$26.2Bの時価総額で比較的近いですね。組入比率は0.14%です。
つまり、100万円分オルカンを買ったら、その0.14%、1400円分のマイクロストラテジー≒BTCを買うことになるというわけです。
もっともACWIには不動産に投資するETFであるREITも含まれています。確かに株式指数ではあるのですが、他の資産クラスをラップして上場しているものも含んでいるので、けっこう全世界資産の色も帯びているという感じ。
下記はマイクロストラテジーが示した全世界の資産900兆ドルのうち、ビットコインは1兆ドル規模だという図です。つまり0.11%。ACWIを買うとマイクロストラテジーが0.14%含まれるわけで、これはこれでちょうどいいバランスでビットコインをポートフォリに含められるともいえるのではないでしょうか。