FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

インデックス以外に持っている個別株トップ5

ぼくはインデックス投資家を自認していますが、実はインデックスは資産のうち35%で残りはいろいろな資産に分散されています。中でもボリュームが大きめなのが個別株。全体の10.6%を占めています。今回はこちらの紹介です。

番外 Microsoft

まずは番外編から。トップ5に漏れたのはMicrosoftでした。こちら2023年の11月20日あたりに購入し、円建てで29.6%も上昇しています。

 

ぼくの総資産に占める割合はわずかに0.45%ですが、世界トップクラスの時価総額を持つこの銘柄、S&P500の中では7.19%ものシェアを持っています。

 

Microsoftは今やクラウド(Azure)の会社であり、AIの会社です。コンシューマ向けというよりもB2Bに強みを持ち、そういう意味では盤石の収益構造です。バルマー時代のイメージが強すぎて毛嫌いしていた会社なのですが、ナデアCEOに代わったときに見直しするべきだったと後悔しています。それでもこのタイミングで買えて良かった。

www.kuzyofire.com

5位 NVIDIA

シェア5位は今をときめくNVIDIAです。2023年5月に購入し、円建てで3.5倍になっています。ちなみに、2016年にも購入して2019年に売ってしまったという黒歴史もあります。

 

ぼくの総資産に占める割合は0.63%。しかしS&P500内のシェアは7.01%となっており、先日時価総額世界1位になったことから、もう少し比率は増えるかもしれません。

 

NVIDIAはAI銘柄の筆頭で、AIの学習に必要なGPUをほぼ独占しています。なぜ独占できているかというと、AIの開発の基本となるライブラリCUDAを提供しており、他者のGPUではCUDAは動かないから。AI開発においては学習に必要なGPUをどれだけ確保できるかの勝負になっていて、つまりみんなでNVIDIAのGPUを取り合っている状態です。

 

下記はNVIDIAの売上(Revenue)と利益(EBIT≒だいたい営業利益)の推移です。

NVIDAのPERが高すぎるという人もいますが、この収益予想の通りに進むならそこまで割高だとはいえません。かつ、NVIDIAはこのところ常に決算でアナリストの予想値を上回っているのです。

www.kuzyofire.com

4位 Meta

続いて4位はMeta。総資産に占める割合は1.93%でNVIDAの3倍程度になります。購入してから半分ほどは売却済みです。Metaは現在のところAI銘柄ということになっていますが、ビジネスのメインはFacebook/Instagram/WhatsAppといったSNS上での広告です。

 

2021年に売上がマイナス成長に陥り、株価は大幅に下落しましたが、2023年に入って成長軌道に戻り、株価もV字回復しています。

Meta Platforms Q1 2024 earnings | IG Bank Switzerland

強力なライバルはTikTokですが、それを真似たリール型の動画がヒット。このところ広告収益は上向いています。なおTikTokの強みはリコメンドにあって、それに対抗するAIリコメンドを開発するために大量のNVIDIA GPUのH100を発注したのが、今になって生きているということらしいです。

 

S&P500に占める比率は2.4%で、それに近い比率をぼくは所有していることになります。

www.kuzyofire.com

 

3位 Amazon

3位はAmazonです。総資産に占める割合は2.04%。買ってから7割ほどは売却してしまっています。言わずとしれたECの王者で、米国におけるEC売上は、2位のWalmaert、3位のApple(!)、4位のeBayと続くのですが、2位から16位までの合計よりもAmazonのほうが大きいのです。

 

しかしAmazonがECの会社だと考えるとミスリード。実は小売メディアとして広告収益が激増しています。米国でのデジタル広告でのシェアは、Googleが25.2%、Metaが20.4%、そしてAmazonは3位の14.4%につけています。下記の黄色のラインが広告ですが、その伸びがよく分かります。

Amazon shares rise 6% as cloud and advertising power record Q4 revenue of $170B – GeekWire

そして何よりもAWSです。クラウドの王者AWSは、Azureに迫られてはいるもののずっと首位。そしてAmazonの利益の62%はAWSが生み出しています。

How Amazon Makes Money

さらに、昨今はAIチップにも進出。AWSのEC2で利用できます。学習用のTrainiumと推論用のInferenciaがあり、奪い合いのNVIDIA GPUに対するオルタナティブになってきているようです。

 

S&P500に占める比率は3.69%。それに比べると少々低いのですが、ぼくの重要なPFです。

www.kuzyofire.com

2位 Google

2位はGoogle。総資産に占める割合は2.30%です。なお株式にはクラスAとクラスCがありますが、ぼくはクラスA(GOOGL)のほうを所有しています。売上の約8割は広告。そこにはYouTubeやネットワーク広告なども含まれ、拡大を続けています。

Google Revenue Breakdown (2024)

下記はセグメント別の売上の推移です。青は合計、オレンジは広告、赤がYouTube、緑がクラウドです。2021年くらいから広告の成長が加速しています。

Googleは現在の生成AIの始祖であるTransformer技術を生み出した会社であり、長年AIに投資を続けてきた会社です。現在もGeminiブランドで生成AIを提供していて、OpenAIのGPTシリーズ、AnthropicのClaudeと並ぶ3大AIプラットフォームだといえます。

AI開発で競争しつつも、広告出稿にAIを活用することで広告効果を効率化できているほか、AIを開発実行するためのプラットフォームとしてクラウドが伸びています。AIを動かすためにはNVIDIAのGPUとクラウドが必須で。クラウドといえばAWS、Azure、そしてGoogleクラウドなのです。いずれにせよ、AIブームが実際に売上につながっている会社でもあります。

 

S&P500における構成比は4.16%。購入時からやはり7割程度を売却してしまっているため、S&P500の比率を下回った保有比率しか持っていません。

www.kuzyofire.com

1位 ARCC(エイリスキャピタル)

ここまで、Microsoft、NVIDIA、Meta、Amazon、GoogleとAI銘柄ばかりが並んできました。なぜかAppleを所有していないのは、AI銘柄が好きだったということなのかもしれません。

 

ところが個別株のトップはAI銘柄ではありません。それはARCCです。総資産の3.21%を占めています。ARCCとは、米BDC企業の代表格です。BDCとはBusiness Development Company:事業開発会社の略で、中小企業に資金を提供するために設立された投資会社の一種です。銀行に似ていますが、預金ではなく株式発行で資金を調達します。またデットだけでなくエクイティも活用して中小企業に投資します。

 

配当利回りは9.29%にも達しています。これはREITなどと同様、利益の90%以上を配当することで法人税などが課されない仕組みによるところも大きいですね。これだけの高利回りながら株価も上昇傾向にあり、直近1年で+13%、5年で+15%、上場来で+35%の株価上昇となっています。

 

S&P500には含まれていないため、総資産の3.2%を保有していても全体としてはAmazonよりも比率は低いかもしれません。なお、ARCCはほぼ永久保有銘柄です。というのも、2020年〜2021年あたりにかけて国内証券会社で相次いで取り扱いが中止されたからです。保有し続けることは可能ですが、新たに購入することはできません。というわけで、まさにお宝銘柄となっているわけです。

 

www.kuzyofire.com

各社のファンダメンタルズ

さて時価総額ではMicrosoft、NVIDIA、Alphabet、Amazon、Metaの順ですが、純利益で身た場合はどうでしょうか? 実はMicrosoftとAlphabetが頭一つ抜き出ている形です。ただしNVIDIAの利益の伸びはすごいですね。

売上も見てみます。こちらは小売のAmazonが圧倒的。NVIDIAの売上はMetaの半分程度であって、つまりは利益率が異常に高いというわけです。

ちょっと面白いのがこのグラフ。各社のR&D投資額です。圧倒的に大きいのがAmazonで、この多くはAWSに投資されています。MetaもAIを中心に投資額を拡大させています。Microsoftは2015年までは投資額トップだったのですが、そこからの伸びは抑え気味。そしてNVIDAのR&Dは他社に比べるとかなり規模が小さくなります。

R&Dは企業の将来の強さに影響する最も大きな要素だと思っていて、今後の各社の強さにどう影響が出てくるかは注目です。

個別株の株価推移

それでは個別株トップ5の株価推移を見てみましょう。配当を再投資する前提の配当調整済みのチャートを見ると、直近5年で下記のようになります。

NVIDIAがあまりにすごすぎで違いがわからないので、除いたチャートも見てみます。Microsoftがトップ(NVIDIAは除く)で、Google、Meta、Amazonの順番。参考としてS&P500にあたるSPXをおいていますが、ARCCはSP500に勝っているところも面白いですね。

MicrosoftとNVIDAを買ったのは最近ですが、他の銘柄の多くは2008年あたりに購入しています。この長期のグラフを見ると、順位は相当入れ替わります。実はトップがAmazonで、次にMicrosoft、Metaと来ます。そしてARCCがGoogleを抜いて上位に出てきます。最下位はS&P500です。

というわけで、NVIDIAとMicrosoftを買うのが遅かったという反省はあるものの、初期にGAFA(Apple除く)を購入したことは大変よい目利きでした。そして今後を見た場合、AIは強いところが更に強くなる技術です。つまりこれらAI銘柄たちはさらに収益が強化されることが想定されます。

 

この流れでNVIDIAについても保有を継続し、AIポートフォリオとしていきたいと思っています。あ、ARCCは永久保有銘柄なのでこのまま持ち続けますけど。

www.kuzyofire.com

www.kuzyofire.com

www.kuzyofire.com