最近、高額なQUOカード優待を新設して株価を引き上げさせる動きが目につきます。グロース市場のグランディーズ【3261】は9月24日に、3万円分のQUOカードを付与する株主優待の新設を発表しました。優待利回りだけで10%近くの水準です。
グランディーズ、3万円QUOカード優待新設
新設したグランディーズの株主優待は、6月末・12月末の500株以上保有の株主に、1.5万円ずつ、年間3万円のQUOカードを贈呈するというものです。
優待利回りは9%近い
24日の発表を受けて株価はストップ高の634円(100円高)。25日は10:30時点でまだ値がついていません。おそらくまたストップ高でしょう。
一株配当が20円あるので、500株あたりで1万円。QUOカード3万円と合わせると4万円になります。株価634円なら配当利回り3.1%、優待利回りは9.4%に達します。合わせると12.5%。株価があと100円上昇しても、合計利回りは10.8%となり、かなり高い利回りとなります。
グランサーズという会社
ただ、最近は高額な優待を新設しておいて、その配布にはいろいろ制限をかけたり個人情報を収集し、結局1期だけで優待を終わらせるという、優待の悪用をするような会社も出てきています。
ラストワンマイル。1株で貰える優待新設で群がった株主の個人情報集めて、すぐ優待廃止。
— ぼんさい (@bonsai1129) 2024年9月12日
今株主に営業電話かけてるらしい。。画像は拾いもの。 pic.twitter.com/HPF9ZBE7aw
ではグランサーズは? というと、不動産販売および建築請負を主とする、九州四国地方の会社です。
建売住宅がメインだったのですが、その事業はピークを打っており、最近は投資用不動産や建築請負にシフトしているようです。とはいえ、建築請負の利益率は低く、今期は建築請負を減らし、他の分野を増やすという計画ですが、さて。
一応8月9日には業績上方修正の適時開示を出していて、その中で配当も無配から記念配当5円含む20円に増額を発表しています。
業績は復活傾向にあるようですが、現在グロース市場の上場維持基準に適合しておらず、今回の優待新設はそのための措置のようにも見えます。上場維持には流通時価総額が5億円以上ある必要があるのですが、3月29日時点で4.7億円。12月末までに対処するとしています。