先日、音声メディアのVoicyで「#インデックス投資のその次」というお題が出ていました。多くのパーソナリティが、そのことについていろいろと語っていたので、ぼくも「インデックス投資の次にやるべき投資」について書いてみます。
インデックス投資の次にやるべき投資とは
結論からいうと、インデックス投資の次にやるべき投資はインデックス投資であって、お金を増やす、資産を作るための投資というのはインデックス投資がファイナルアンサーです。以上。
といっても、なぜ? ということも書いておいたほうがいいでしょうし、でも九条はいろいろ投資してるじゃないか!という声もあると思うので、続きを。
投資初心者を卒業したらインデックスの次へ?
「インデックス投資なんてダメだ!俺のおすすめする投資法が最高だ!」なんて言う投資家はほんと絶滅危惧種になってしまいました。みんな「インデックス投資はたいへん良い投資法だけど……」という前置きで語るんです。
で、だけど…に続く言葉はというと、こんな感じ。
- 資産を10倍にしたいなら◯◯
- 初心者を卒業したら◯◯
- 老後資産はともかく、日常を豊かにする投資なら◯◯
インデックス投資の良さは認めつつも、でも実はインデックス投資を超える投資手法があって、それは(私の提供するコンテンツで)勉強すれば身につけられるし、(私がおすすめする)銘柄の中には10倍になるものもたくさんあるって言うんですね。
もう一つのインデックス卒業理論は、「インデックス投資は本当の投資ではない」というもの。投資というのは経済や企業を勉強して自ら株を選んで買うことにあるので、インデックス投資は入門にはいいけど、本当の投資は個別株だ!というロジックです。
どちらも間違っています
本当によく聞くこうしたインデックス卒業理論。どれも間違っています。全体で見たときに、個別株投資の平均成績はインデックスに負けることは過去のエビデンスから明らかになっています。
そのため企業分析などに長けた人が、単にインデックスを買っているだけの初心者に勝てるとは言い難いのです。投資においては歴戦の勇者よりインデックスを買っているだけの初心者がけっこう勝ち越してしまうという、一見すると不思議なことが起きるのです。
インデックス投資は本当の投資ではない説はどうでしょう。これは「投資とは何なのか」という根本にかかわる話です。投資が単に資産を増やすための手法だと捉えれば、インデックス投資でいいことになります。
では資産を増やす以外に、投資にどんな意味があるのでしょうか? 勉強? 社会貢献(ESG)? 企業の応援? 頭の体操? いろんな意味を投資に見出すことは別に構わないでしょう。投資は多くのゲームやギャンブルと同じように趣味にもなり得るからです。ただ、趣味の対象を持ってきて「オレのやっているのが真の投資。キミの投資は本当の投資ではない」というのは思い上がりです。
どれだけ勉強になろうと社会貢献できようと企業を応援できようと頭が体操できようと、資産が増えなければそれは趣味であって投資ではない。ぼくはそう思っています。金融業界の人がよく「リターンよりも共感を大事にして投資する人が増えている」といいますが、それはリターンを見えにくくして多額のコストを忍び込ませる方策でしょう。そんなに共感したいなら、投資で得たリターンで商品を買うなり寄付するなりスレばいい話で、セカンダリーマーケットで株を買うことなんてそれに比べれば全然些細な話だと思うのです。
九条はなぜインデックス以外を持っている?
そこまでインデックス推しなのに、九条はなぜインデックス以外も持っているのか?
一つはインデックス以外にも世の中収益機会があるというのが一つ。例えば、不動産投資の最大のメリットは、ロスカットなしの超長期ローンを組んで5倍以上のレバレッジを掛けられることにありますし、太陽光発電は国が収益を保障するというチートなビジネスだというところにあります。優待クロスは、機関投資家が参入できないアマ市場にだけ開かれたアービトラージです。一時期勤しんでいた異業者FXの金利アービトラージもそうですね。
ではGoogle/Amazon/Meta/NVIDIA/Microsoft、Bitcoin、Ethereumなどへの投資はどうなのか。これは完全に趣味です。楽しければいいというもので、結果的にリターンも出ていますが、自分に個別株の目利きができるとも思いませんし、たまたまの範疇を出ていません。だからこそ、個別株を買うなら資産の1%程度がちょうどいいんじゃないかと思うわけです。
そんなわけで、「資産を増やす」という観点ならインデックス投資の次に行うべきはインデックス投資の買い増しです。ただ、趣味だと割り切って投資をやるのも楽しいものです。ただしそれで資産が増える可能性は高くないということをお忘れなく。